|
カテゴリ:ムックきのこクラブ
過乾燥の今夏は、きのこたちも苦戦を強いられていると見え、どこへいっても異変続き。
しかし、深い渓谷を成すわが懐かしの紅葉谷は久々に身も心も洗われる1日となりました。 この時期おなじみの、アワタケ、ドクベニタケ、ツルタケ、ハナオチバタケは言うまでもなく、今年初顔合わせのベニイグチ、そして足元が崩壊してかろうじてバランスを保っている浮遊霊そのもののドクツルタケに出会い溜飲を下げました。 ドクツルタケ Amanita virosa 「殺しの天使」の異名をもつ毒きのこ御三家のひとつがこれです。しかし、雪のない時節に雪女郎さながらに森の中に立ちつくす姿は、きのこ採りの心を掻きむしって余りある美しさを漂わせています。 ベニイグチ Heimiella japonica 松混じりの広葉林地上に顔をのぞかせる中~大型きのこで傘、柄ともにワインレッドのしゃっきりしたきのこです。柄には顕著な網目を有し、傘の裏は鮮やかな黄色でやがてくすんだオリーブ色に変わります。そのオシャレな姿は、林内で出会うと思わず「オウ」と声をかけたくなりますが、触るとゆっくりと青変するのでなかなかのはにかみ屋さんだなと気づきます。このきのこは寄生を受けやすく、こうしてナメクジくんにかじられた程度の傷でまともな形で立ち尽くしているのはむしろ珍しく、思いがけなくデフォルメした姿をさらしていることが多いのです。 ツルタケ Amanita vaginata var. vaginata 真夏のきのこ、コテングタケモドキ A. psuedoporphyria と思いましたが、よく見ると灰色の優った褐色の傘でしたので、近年少なくなっているツルタケちゃんだと思い直しました。ツルタケ、コテングタケも人為の入った庭園や山道の脇に顔をのぞかせるので山歩きをされる方には比較的ポピュラーなきのこです。 同じ仲間で傘の色が橙褐色のカバイロツルタケ同様、テングタケの仲間ではおいしくないきのこですが、特にツルタケは生食での中毒例があります。生で食べるなんて人の心根を疑いますが・・・。 ムラサキホコリ Stemonitis fusca こちらも暑い季節の朽木に登場する変形菌。色が鉄さび色のものはサビホコリ S. axifera。 髪の毛のような黒い柄に小豆色の胞子嚢を掲げる。すでに胞子を飛散しはじめ髪振り乱した個体に出会いましたが、若かりしときは整然とした超ミニチュアのフランクフルトを串刺したような姿です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年08月24日 18時21分14秒
コメント(0) | コメントを書く
[ムックきのこクラブ] カテゴリの最新記事
|