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カテゴリ:川西きのこクラブ
オオクロニガイグチ Tylopilus alboater 黒いニガイグチは2種あり、 ひとつはクロニガイグチ Tylopilus nigropurpureus で、もうひとつがこちらの大がつくものである。 大はつくけれども野山で出会うこの黒んぼくんは、ただのクロニガイグチくんよりも通常小さめのサイズであることが多いのが面白い。 この2者の違いは触れると黒変するのがこの写真のきのこで柄の上部に網目を持つ。 オオのつかないほうのクロニガイグチくんは触れるといったん赤変してからゆっくりと黒変するのと、同じく柄の上部には網目があるが縦長で、全体の印象はオオクロニガイグチよりもスラッとしている。 しかし、ナイフでカットしてみると肉の色は灰色でいずれも赤変してからゆっくりと黒変するので、まぎらわしい。 なにごとでもそうだが、まず全体の印象把握することが野生の思考の第一条件。そののちに余裕があれば細部を観察して同定することが肝要だ。そうでないと思わぬ害をこうむることがある。秋になるときのこの中毒例が増えるのは、食いたい一心で図鑑片手に細部にこだわり全体を見失うことが大半だと私には思える。 遠くから見て色合からムラサキフウセンタケかと見まがい、ついで柄が太いことでニガイグチだと思い直すことが常だが、関西の森では、このずんぐりムックリのオオクロニガイグチの方が出会う機会は多いように思える。きのこ迷人たちにはどちらもニガイグチだとみて判断停止するので両者の区別はない。 ニガイグチ全体にいえるのは傘の裏の管孔の色が当初真っ白く、成熟するにつれてワインレッド色を呈することだ。この特徴は覚えておいて損はない。きのこを食べ物と考える人は一緒に煮て料理を苦くして台無しにしないためにも大切な目安となる。 ムラサキフウセンタケ同様、気品漂う暗紫黒色や暗褐色できのこは食べるものである前にきのこであり生き物の部分だと考える私にとっては、大好きな仲間の一人である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年09月30日 11時11分36秒
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