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カテゴリ:川西きのこクラブ
ラテン名・アガリクスとはマッシュルームグループの総称。 マッシュルームの仲間の特徴は密なヒダ。スーパーで売られているマッシュルームも新しい間はヒダは白色だが、徐々にピンク色に変化し、遂には黒褐色を呈します。ヒダが黒くなったマッシュルームは老成している証拠で、味が落ちますので買うのは控えましょう。 ザラエノハラタケ Agaricus subrutilescens 私が野山でみかけた最初のハラタケグループはこのザラエノハラタケでした。見事なツバと密なヒダがほんのり桃色を呈した美しいきのこでした。 しかし、年々このきのこと出会うことはまれになり、ここ数年姿をくらましていたのです。異常気象と台風のお蔭でしょうか。ようやく再会を果たしました。発生地は針葉林の地上。後述するシロオオハラタケは草地や芝生に菌輪を描いて発生するので、生活圏がまったく別のきのこです。 傘全体を覆う黒紫褐色の鱗片が特徴で獣のようないでたち。そしてツバから下に綿状の鱗片でおおわれることからザラエの名前がつきました。 類似のきのこにシロオオハラタケ Agaricus arvensis がありますが、こちらは傘の表面が平滑か多少鱗片状を呈しますが、全体に白っぽく、触れると黄変するのが特徴です。双方とも、マッシュルームの仲間では中~大型のきのこで傘の径が20cmあまりあるのを見かけることもしばしばでした。 列島の野山が全体、遷移の上で極相林となりつつある昨今、森林そのものが老齢化し、かって見られたきのこたちも次々と様変わりしてきています。自然界は、そろそろふりだしにもどる、すなわち更新の時節に入っているのです。きのこたちとのデートを重ねているとそうしたことがごく自然に理解されるようになります。 しかし、過剰な人為が自然の遷移(サクセッション)を混乱させることは、やがて取り返しのつかない事態を招きます。自然観察の要は、そんな自然からの信号を静かに受け止め、正せるところから微調整していかねばなりません。そのためにはこの地球の生き物がすべていのちの営みでつながっていることを自覚する必要があるのです。そんな観点抜きで環境問題が推移してきたことが今問われ始めています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年10月03日 10時11分37秒
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