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2018年11月16日
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 能登川訪問のもうひとつの楽しみはここが宗祇の生誕地であること。
室町時代の連歌師・宗祇は、有名な「水無瀬三吟」を残しました。
 

 雪ながら山もと霞む夕かな 宗祇
 行く水遠く梅にほふ里   肖柏
 河風にひと叢柳春見えて  宗長
 舟棹す音も著き明け方   宗祇
     
       そして百韻、延々と続きます。


 やはり、彼の生誕地の風景が水無瀬離宮に立った折にも連綿とひきつがれてきたことが読み取れます。
芭蕉は俳諧は「行きて帰らぬ心の味」と語りましたが、彼が大成した連句ももともとは宗祇の連歌に由来します。三吟とは三名の作家が共同作業で交互に五七五と七七を読み継ぎ、前の人の作品から1つのイメージだけを受け止め、まったく違った情景に移し替え、次々と場の転換を繰り返し、絵巻物のように1巻にまとめ上げるものです。
この「水無瀬三吟」は、後世の連歌・連句のお手本となりました。

 今回の能登川訪問は、私にとってはそんなわが国の歌のルーツをたどるひそかな旅でもありました。
 水の記憶、これこそが僕には俳諧の心だと思ってきましたので。





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最終更新日  2018年11月16日 10時07分43秒
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