1794797 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

夢みるきのこ

夢みるきのこ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

2021年03月16日
XML

​​​​​​​​​​​​​​

 2021年のムックきのこクラブの旅、春一番は茨木の隠れキリシタンの里巡り。
 この日は春先のきのこ探訪に始まり、十八庵の手打ち蕎麦、キリシタン遺物史料館、盟友佐藤眞生さんの丹精こめた畑地見学、そして彼の長年の親友のガラス工芸作家・竹内洪さんの工房見学と、いつもながら盛りだくさん欲張り三昧の旅となりました。
 泉原バス停に降り立った僕たちをまず出迎えてくれたのは冬のMycena(ミセナ)ともいうべきクヌギタケの仲間。


 ​まず腹ごしらえと立ち寄った十八庵(とはちあん)で、今日の目的の8割をこなした私たちは、もういつ帰ってもいいやという気分になり、余裕の旅が始まりました。おかげで全行程120%完踏。
 旅の最初に、十八庵で腹ごしらえをし、庵主から持ち込み酒自由にお飲みくださいとの許しを得たので、画伯手作りのギンバイカの果実酒とSさん持参のアイリッシュウィスキー・バディー​で乾杯。そしてうまい蕎麦で腹を十分に満たしてからの出発が効を奏したようです。


 このあたりは村人たちが、ひそかにクルス山と呼んでいたところもあり、こうしたキリシタン遺跡が方々から見つかっているといいます。歴史教科書でおなじみのフランシスコ・ザビエルの図像もこの地の農家から発見されたとか。採掘現場に置かれた上野マリアの墓。
 史料館にはその上野マリアの拓本と原石が置かれてありました。

 武内洪さんのガラス工房ではガラス工芸の魅力についてミニレクチャー。竹内さんの横に顔をのぞかせているのが佐藤眞生さん。

 いつになく神妙なおももちの会員たち。

 こちらは今回の旅のもうひとつの目的であった平成の自然人。佐藤眞生さんの畑。ここの三段の畑のほか、五反の水田も耕作しているとのこと。

 竹内洪さんの工房前ではツチグリの出始めと完熟個体10数個とお見合い。下が出始めのツチグリの図像。

 久々に切り通しの斜面で、おそらく去年末頃に顔をのぞかせていたであろう卒塔婆小町状態となったクチベニタケ(下)を発見。さすが小町さま、人間でいうと百歳はゆうに越えているのにその色香はまだまだ失せていません。

 引っこ抜くとたこ足のような偽根がみられます。どうぞ試されたし。なんとも言えない愛くるしいきのこです。

 さて、春先は期待が膨らみすぎて誤認のきのこも続出。パッと見にはクロラッパタケと思いましたが、この時期に出るか?と、よく見てみるとニッケイタケの古くなった個体でした。日経新聞のニッケイではなくシナモンの肉桂です。



 ウロコタケ。よく頭に茶とか大とか華とかをつけて、チャウロコとかオオウロコタケ、ハナウロコタケとか言いますが、趣味人のきのことのつきあいは、節度が大切。肉眼での鑑賞ではウロコタケにしておくのが肝心です。

 こちらはスエヒロタケ。原木栽培のシイタケ農家にとっては害菌ですが、エチオピアの高地人の間では、年数えるほどしか降らない雨を待って、灌木の林へ行き、これを採取し、突き固めて煮て食べると焼鳥のつくねのような美味な味わいがあり珍重されると聞きます。

​ こちらも原木栽培のシイタケの大敵。チャコブタケ。頭から真二つに割ると子実層が同心円状なので学名の種小名には(Daldinia concentrica)とコンセントリカがつく。

​​​
 こちらはヒメカバイロタケ。これも初夏の5月頃から明るい橙色をして林内倒木上に群生して私たちを慰めてくれるが、いささか早く出過ぎたため、私たちと出会う前に盛りを過ぎ退色してしまったようでとても残念。

 針状のサルノコシカケ。まだ白紙の未来のままのきのこである。

 ムックきのこクラブの春は、もっとも身近なところに顔を出すこのきのこから始まる。それはツバキキンカクチャワンタケ。
 ツバキの林地の下をしっかりと観察すれば見つけることが出来るが、小さいうえに土壌色をしており、素人さんには見つけることは困難なきのこである。ムックきのこクラブの会員さんには、こんなきのこを見つける抜群の集中力をもった愛好家が揃っていて、
今回の旅でも白色の藪ツバキの樹下でたちどころに見つけ出してきた。


​ 近畿地方の春のきのこの代表はアミガサタケだが、今回はヒラタケとアミガサタケ以外は大方見つけることができた。​​​​​​​​​​​​​​​​​これらのきのこが普通に出てくるとやがてハルシメジの季節になる。​
 こちらもいささか早い顔出しのニガクリタケ。
僕は彼らの事を「森の小悪魔くん」と呼んでいるが、小粒ながら年中見かけ、温暖な色合いから食用と間違えられるため中毒例が絶えない。成菌のヒダの色が硫黄色を呈することでなんとか峻別できるが、それも発生場所、個体差によりまちまちなのでくれぐれもご用心。
 今回ときめいたのは、このきのこ。かって奈良市富美ヶ丘界隈の摩崖十一面観音像をもとめて探訪した折に、きのこ料理で有名な創士庵さんの近くの長弓寺の参道で見つけた折の感激が蘇り、おお、フクロシトネタケだと震える声で叫んだが、帰ってよくよく見てみるとクリイロチャワンタケでした。
 しかし、アミガサタケにはじまり、冬虫夏草の類もチャワンタケもマツタケなどの担子菌とは異なり子嚢菌に属し、本来風来坊のきのこ。特定の樹種や森から生息地を判断することは難しいため、出会う確率は低いので珍菌には違いない。

 かくして期待膨らみ心騒ぐ「月のしずく」のまたまたの春の旅は始まりました。きのこ迷人たちの珍道中、今年もどうぞよろしくおつきあいのほど。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年03月16日 22時30分24秒
コメント(0) | コメントを書く
[ムックきのこクラブ] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X