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カテゴリ:ムックきのこクラブ
今回出会ったきのこたちの中でも、ひときわ印象に残ったきのこは写真上のきのこだ。 クマシメジ Tricholoma terreum 私にとってこのきのこは、信州ではモミ林でごく普通に見かけるきのこだが神戸ではあまり見かけたことはなく、福知山や京都中部から北部、それもどちらかといえば秋も闌けてから出会ってきたので、いささか早すぎる登場と思って驚かされた。 松茸に代表されるトリコローマ属の中ではハエトリシメジやシモフリシメジあるいはハマシメジに近い、傘の中央がややもりあがるタイプのきのこで、手ぢかな処に3個体、手の届かぬところに数個体発生していた。何か幸先の良いスタートを感じさせてくれる出会いの予感。 それと休憩した広葉林の落葉の下を掻いてみるとミニチュアサイズの チョウジチチタケ Lactarius quietus らしいきのこが至るところにびっしりと発生しており、触れると一人前に白い乳汁を浮かべてくれた。 この日はひさしぶりに新鮮な個体の ヒトクチタケCriptoporus volvatus も方々で見かけた。 近畿圏の赤松の樹林帯が更新期に入った30年前にはいたるところでみられたが、その後広葉樹枯れが始まり、里山の生態系全体に目にも明らかな異変がもたらされ、ずいぶん野山の動植物の数が激減してしまった。 更に近年、温暖化が重なり、里山の森は果たして回復するかどうか心配の種は尽きない今日この頃だ。 以上の他、 チシオハツ Russula sanguinaria の幼菌、 キツネタケ Laccaria laccata チチアワタケ Suillus granulatus ヒメカバイロタケ Xeromphalina campanella の幼菌 アクニオイタケ Mycena stipata これらのきのこはこれからはじまるきのこの旅で幾度となく出会うので、またその時に紹介する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年04月21日 14時57分22秒
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