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カテゴリ:ムックきのこクラブ
私たちの摩耶山の旅の起点はこの産湯の井戸。この時期、このあたりを丹念に探ればタマゴタケAmanita hemibaphaはちらほら見つけられるのだが、今回は猛暑日の長丁場でもあり、桜谷に直行。 本日の謎かけきのこはこれ。立ち枯れの木に発生しています。 ???マークで一杯になりながらこの小型の主のスカートの下の劇場を拝見するとなんと紅絹色でプリーツも密状態。傘の縁にはかすかに条線もとどめています。カメラのぼやけは、単にそそっかしいだけか、それとも秘所を覗かせていただくのですからせめてものエチケットか…。 ベニヒダタケ Pluteus leoninus 私たちのよく知るベニヒダタケはシイタケのほだ木によく発生し、傘の色は鮮黄色。しかも針葉樹から発生。目くらましを食らうところでした。 謎かけきのこ その2 通りすがりにヒメキシメジかと思いましたが、腐植土とは無縁の炎天下のジャリんこだらけの地面からでていました。 ♪~このキなんのキ、気になるキのこ~♪。さて、何でしょうか?。 夏の暑さにもめげず、この日盛りの砂利の中から登場していた可憐なきのこ。当てたら100万円差し上げますが…。おそらく無理でしょう。 秘め事の多い彼女も、スカートの下の劇場では本音を語ります。酷暑の砌とはいえ、この姿態のみずみずしさは Hygrocybe ヌメリガサの出自をとどめています。 ダイダイヒメノカサ Hygrocybe venusta 手がかりは傘がまんじゅう型のままで平開しないこと。ヒダは疎でヌメリガサ特有のありよう(ちょっと表現できませんが)を示していること。 本来は全体に濃いオレンジ色ですが、酷暑の中待ちくたびれた様子、しかし、笑顔で迎えてくれました。 さて、謎かけきのこ 3 かっては、近畿一円の山々でごく普通に見かけられたきのこです。しかし、近年はとんと見かけなく成り申した。これは、クエフネロミュケス・ムタビリスくんですね。森林の高齢化に伴い、もっと過激に樹木を枯死させる勢力の登場で出る幕を奪われてしまったようです。 センボンイチメガサ Kuehneromyces mutabilis かっては類似の猛毒きのこ・コレラタケとの比較によく用いられたものですが、柄には膜質のツバがついており、吸水性が強くこの酷暑の中でも全身シャワーを浴びたような濡れた姿でご登場。本来はもっと明るい黄褐色の傘を持っています。 アシグロタケ polyporus badius 温暖化が叫ばれる昨今ですが、この暑さに火照った表情の寒冷地仕様のきのこは、革質で噛み切ることができないほど固く、ひたすら出汁とりきのことして東北では愛されるそうです。近畿地方でもごく普通にちらほら発生しています。近つ飛鳥でもご登場願いましたね。 近つ飛鳥といえば、このきのこも。 今年はマンネンタケ Ganoderma lucidum の当たり年。ムックの旅では、毎回顔をのぞかせています。 ヒメカバイロタケ Xeromphalina campanella 初夏の森を飾るオレンジ色のカンパネッラくん。宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」のカンパネラくんでおなじみですが、小さな鐘というラテン名です。 よくぞ酷暑の森でお待ちくださいました。 フクロツルタケと思いきや、ツボも持ち合わせていません。頭のトゲトゲもツバも早々と失ってしまったようですが、それから推し量ると小ぶりながら… シロオニタケ Amanita virgineoides この仲間も図鑑には多数記載されていますが、基本的には、ツバの早落性、永存性が同定の決め手となります。 炎天下で待ちくたびれ顔の粘菌くんにもご苦労さんと声をかけることが出来ました。 ススホコリ Fuligo septica 類似のスライムちゃんにムシホコリがありますが、全体に紐状で、これは生命力旺盛なススホコリのようです。 カワラタケ Trametes vercicolor 初秋ともなれば、新鮮なカワラタケちゃんが出始めます。このきのこ、一時は制癌作用があるとされ、クレスチンとかなんとか名づけられて薬品ともなりましたが効果に問題ありとして取り下げられました。ほとんどのきのこには当然、制癌作用は認められますが、それは医食同源思想に基づくもので、即効性のあるような劇薬成分は持たないのがきのこです。バランスのよい食生活がいかなる場合でも健康の基本ですので、バランスを極度に崩さない生活態度こそが求められます。白米食も白パンも酒もたばこも習慣化すれば身心を損ないます。きのこ詐欺商法まがいのお誘いがあれば、このカワラタケの美しい環紋と変化にとんだ傘の色を思い出しましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月10日 11時06分39秒
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