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夢みるきのこ

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2021年10月13日
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 伊賀上野城ではまず俳聖殿に入り、芭蕉と晩年の彼の膳所(近江)の門人で恋人だったらしい智月尼との往復書簡などを堪能。さらにクイズに正解してその書簡のレプリカをもらい、いざきのこちゃんたちと御面会。
 この城の天守閣はこの角度からの眺めが最高。


​​ クロハツモドキ ​Russula densiforia​
 クロハツ R.nigricans の仲間はすべて黒い初茸と書くが、いずれも写真上の幼菌のように出始めの傘の色は白く、モドキんぼはやがて成長につれて世馴れして灰褐色から煤黒くなる人間臭さが特徴。同定はヒダが密であること。触れると赤く変じてから黒くなることでクロハツに似るがヒダの疎・密で判断する。ニセクロハツ R.subnigricans は赤変のままで黒くならないのとヒダはやや密といささか異なるので容易に区別できる。​​


 このヒダの状態が密でありんす。でも食い気が先行するとこれを疎とややや密とみる凄い想像力の持ち主もいるので信じられないことが往々にして起こる。

 ​この日とても愉快だったのは、伊賀上野のチチアワタケはすべてヒョウモンチチアワタケと名づけたくなるような傘の表情を呈して私たちを迎えてくれたこと。​

 ​​チチアワタケ ​Suillus granulatus​
 松林でよくみかけるヌメリイグチの仲間だが、こんな傘の表情をもっチチアワタケは伊賀特産である。この日みかけた乳泡くん(新鮮な個体は傘の裏の管孔から乳色の泡を吹くことでその名がある)は、すべて豹紋というべき傘模様であった。​​


 この印象的な紅茸くんが、実は問題なのだ。お出会いの当初はカラムラサキハツちゃんだと思った。しかし、紫色が浅く中央部が白く抜けている。唐由来の紫ハツちゃんは中央部は暗紫色が常だからだ。だったらカシタケちゃんか?。いえいえ、それはないでしょう。

​​​ スカートの下の劇場は、厚めのヒダが密集しており、こりのヒダがヨレヨレなのが今あげたいずれの紅茸でもなさそう。
結局はおしゃれな紫色の紅茸 R.sp どまり​​​


 今年は雁茸の当たり年だったみたいだ。方々でよく出会った。次のパンサーきのこ(テングタケ)との違いは、根元がふとまり、しまりがないと言うべきか、全体にややずんぐりむっくり、デレッとしていることだ。

​​ ガンタケ ​Russula rubescens​​​
  さらに触れるとゆっくりと赤変すること。それがラテン名・ルべスケンス(赤変する)の由来となっている。

​​​​​ テングタケ ​Amanita pantherina​
 やや赤褐色のかりがね(雁)色の茸にくらべて傘の色がブラックチョコレート色をしていること。そしてシャキッとしてダンディーであることで一目瞭然だ。
 ニガクリタケ ​Naematoloma fasciculare
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​​発生初期はクリタケと見間違える危険きわまりないきのこがこれである。
 この温和でいかにもおいしそうなきのこ。
 写真はマクロで迫っているので肉感あふれているがか細いきのこである。日を置くと硫黄色に変わり二ガクリ特有の色を示し始める。​
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 この傘の色しかと心に刻んでおこう。じっくりながめればそこはかとなく硫黄色がうかび上がっているのがお分かりになるだろうか。真のきのこ名人は決して間違わないがにわか名人はたちまち騙されてしまう。きのこは見かけによらぬものの代表がこれだ。





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最終更新日  2021年10月13日 12時21分23秒
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