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夢みるきのこ

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2021年10月14日
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 伊賀一宮の敢国神社は、阿閉氏の氏神だが、この阿閉氏は日本の歴史の中で影の存在として近世まで影響を与えてきた一族である。伊賀上野は素敵な城下町だが、古代から中世にかけては、このあたりがそもそものセンターであった。
 ​今は、町中から離れていることもあり、秋の日の傾きはじめた頃ともなるとつゆおとなう人とてなく静かに散策できた。

 祭神は本来、阿閉(あへ)氏の祖神の大彦命の一柱だったが、のちに秦氏とゆかりのある服部氏がこの地へ入って来て、少彦彦(開拓神)と金山比咩命(製鉄神)の二柱が加わったと私はみている。

 
   
 この地で出迎えてくれたきのこは参道の砂を被ったニッケイタケと黒変しはじめたアカヤマタケ。
 秦氏の影がちらほら垣間見える忍び之社の愛宕神社では舞殿の扁額の4文字が読めず悩んだり、芭蕉ゆかりの蓑虫庵では、「近年みの虫もとんと少なくなりましたな」「ひと昔前にはみの虫を集めて帽子をつくるくらいいたのにね」とか、ひとしきり語り合ってからこの地へ足を伸ばしたが、伊賀上野の町は我々にはしっとりなじんでとても親しみを感じたことだった。
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最終更新日  2021年10月14日 18時51分53秒
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