夢みるきのこ
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元三大師廟から元三大師堂への道脇に出ていたのはへべロマ、いわゆるワカフサタケの類いのきのこである。かぎりなくフウセンタケに近いグループだ。 スカートの下の劇場もしっかりのぞいておこうね。 そしてこれからの季節、私たちを慰めてくれるスギエダタケのストロビリルス・オオシマエ。命名者の大島博士の名前を学名にとどめているきのこが杉落葉のそこここに貝のボタンのように点々と顔をのぞかせている。 厳冬期の栂ノ尾・神護寺、高山寺町周辺では竜の玉とこのストロビリッチくんが閲兵式を組んで出迎えてくれる。 スギエダタケ、あるいは奈良公園や小流れに落ちた松ぼっくりから出る冬の常連のマツカサキノコモドキと竜の玉が私の冬の旅の仲間である。 「往生要集」の恵心僧都・源信をお祀りする恵心堂の脇ではダンゴ状に固まってムジナタケが出ていた。 あまりかじこまってかしこまって出ていたのでオオカミの屁という学名をたまわったホコリタケダマシかと思ったくらいだ。この様子をみていると思わず井上靖の「本覚坊遺文」の利休の侘茶の精神、<枯れかじけて寒かれ>という言葉を思い出させてくれた。 なよなよした立ち姿から名づけられたナヨタケ(プサチレッラ)グループでは唯一たくましい体つきのムジナちゃんは一度出会ったら忘れることはないが、きのこ採集家でさえも足蹴にするかわいそうなきのこちゃんだ。 そしてスギ・ヒノキの林床ではめずらしいハタケキノコのアグロちゃんが1本だけ顔をのぞかせていた。柄の粉々した感じが特徴の畑地にでるきのこである。 そのほか、私たちが足早に西塔へのみちを急いでいるとき、遅れて歩いていたナオミさんが拾遺(ひろいのこし)のクリタケを見つけて写真に収めてみせてくれた。ナオミさんのきのこ目開眼の瞬間である。 比叡山では、こうした野性のキノコと併せて造形物のキノコが所々で見受けられる。これもマイコフィリア(きのこ好き)の楽しみのひとつである。 次回はそんなきのこの楽しみをお伝えしたい。
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