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夢みるきのこ

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2021年11月19日
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 ​おみくじの元祖といわれる天台18代座主・良源の大師堂にはひょうきんな鬼大師の護符が売られており、人生に行き詰った善男善女に生きる力をあたえるおみくじによる人生案内が今も盛行を極めている。
その比叡山には畏敬の念を以って三大魔所と呼ばれた聖地があり、横川の地を開き、台密と浄土教との融合に心を砕いた元三大師・慈恵廟、恵心堂の近くの覚超の墓所、坂本の尋禅(慈忍)廟がそれに当てられる。
 慈恵(良源)大師には四哲と呼ばれた弟子がおり、覚超、尋禅(第19代座主・九条師輔の子)、源信(往生要集を著わした)、​覚運らがおり、覚運・源信のそれは確かめていないが、そのすべての墓石がきのこ形であることから私は度々訪ねてきた。


 元三大師堂境内の紅葉

  元三大師廟には廟前と廟裏に鳥居が2ケ所も建てられている。

 比叡山の四季は、このテンナンショウ(まむし草)によって彩られる。この日も全山まむし草の赤い実(写真下)がみとめられた。
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元三大師廟のきのこ墓石。

元三大師の廟裏 元三大師・良源のきのこ形の墓石。

覚超のきのこ墓石​。
 このそれぞれの墓石は、よく見れば八角柱で、覚超墓にはそれぞれの面に判読できないが文字が刻まれている。

  墓石の傘の頂部には、イッポンシメジ様のへそがついている。
 おそらく坂本の尋禅(慈忍)墓も恵心堂から10分ほど下ったところにある恵心(源信)墓も確認してはいないがきのこ石だという。

 この横川から鎌倉期に仏教がようやく庶民の魂の救済のためのものとなっていった。その契機をつくったパイオニアたちの墓が、すべてきのこ形をもっていることは特筆すべきことではある。
 私がきのこに見てきたものは絶対無であり同時に万有無である。その始原の地のひとつが横川なのである。
 「月のしずく」2022年新年号では、今秋封切られたドキュメンタリー映画『素晴らしききのこの世界』に即して、そのきのこの本質部分に触れてみたいと思っている。





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最終更新日  2021年11月19日 14時05分27秒
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