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夢みるきのこ

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2022年01月12日
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​ ​​水無瀬離宮跡地に建てられた水無瀬神宮の鬼面
 インディアン・サマー(小春日)の暖かな一日。水無瀬離宮から若山神社を経て太閤道のきのこ。2週間続きの雨無し状態でしかも冬とあってきのことの出会いは期待薄でしたが、久々にきのこ博士親子が駆けつけてくれたこともあり、狂言「くさびら」状態の一日となりました。​​


 アイシメジ ​Tricholoma sejunctum ​​​  
 ​四辻の針葉樹、広葉樹混交林の山道脇の落ち葉の中から顔をのぞかせていた今回の大物賞きのこ。シモコシにしたらヒダが白いしシモフリシメジとしたらグレーの傘ではないし、名残りのカキシメジかミネシメジだと思いましたが傘の外周の黄ばみに見覚えがあり、帰りの電車の中で思い出しました。
 アイシメジのアイは色ではなく間(アイ)のことで、シモコシやシモフリシメジ、ハエトリシメジなどのシメジの中間の特徴を備えているということなのです。この仲間に共通の少し苦味があるので、判断に困ったら噛んでみるとよろしい。それと傘の縁の黄色いふちどりが決め手となります。​
 
 開き始めの傘の色(写真左)は、見るからにシモフリシメジのようないでたちでしょう。それが成菌ではベージュでミネシメジに近い色合いを呈するわうになるのです。きのこがむずかしいのはこの微妙な差異を乏しい経験知でとれくらい解読できるかにかかっています。

 二ガクリタケ​ Hypholoma fasciculale​
 今回いたるところでであったのが、季節を逸した二ガクリタケ。図鑑で見るのとは全く異なる様相を呈しており、傘ヒダが幾分硫黄色などどこにもみられない状態です。きのこは昆虫や植物に比べると種数は比較にならないほど少ないが、変異が普通の状態なので、判断に苦しむのです。人間に一番近いと私が語ってきたのはそんな意味をこめています。

​​​ ニセショウロ ​Scleroderma reae​
 これも上からみるかぎりムジナタケにしかみえませんでしたが、ひっくり返すと幾分柄が長いホコリタケの仲間のニセショウロでした。 ​​​


​​ クチベニタケ ​Calostoma japonicum
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​2年前頃から再会を果たして以来、よく見かけるようになりました。引っこ抜くと偽根がタコの足みたいになっています。​へちゃげて"べろべろべー"みたいな口をしていますが、通常は円満な丸いきのこです。
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 ​​ウチワタケ  ​Microsporus affinis​​​
 シイなどの広葉樹枯れ木に発生する硬質菌で、同じような形を呈するものにチャウロコ、チウロコ、ハナウロコなどのきのこがあります。通常は有柄ですが、時に無柄のこともありますのでこれも初心者の方はウロコタケと見誤ることが多々あります。、

​​  ヒラタケ ​Pleurotus ostreatus​​​
   スーパーで売られているきのこの80%以上がこのヒラタケの改良種からなっているので知らない人はないでじょうが、野山で出会うとまずとまどいを覚えるのは傘の色がベージュからグレーまでとりどりで柄もあったりなかったりで断定しかねるのです。「〇×シメジ」の商品名で売られているのはすべてヒラタケです。

 ​​クジラタケ ​Trametes orientalis​​​
   今回もっとも多くかつ目についたきのこは、白色がちですが、クジラタケです。
​​  ワヒダタケ​ Cyclomyces fuscus​​​
​  面白いところでは傘の裏のヒダが同心円状に広がるこの硬質菌。たっときのこ博士が見つけてくれました。類似のきのこに針葉林に出るヤニタケがありますが、傘の裏は管孔です。
 硬質菌は管孔が主流ですが、マツタケなどと同じヒダをもつカイガラタケやウズタケやミダレタケなど渦巻模様のヒダをもつきのこも紛れ込んでいます。冬の間に硬質菌を見極める作業をされても面白いかと。
 かくしてムックの旅2022年度もスタートしました。またどこかの野山でお会いいたしましょう。

​​  ヒラフスベ​ Laetiporus versisporus​​​
   広葉樹上に夏から秋発生しますが、冬ざれの景色の中で目立つので冬のきのこのように思われています。暑い季節の出始めはお団子のような肉質ですが、次第にもろくなり全体が胞子となって崩れ去ります。
 こうした硬質菌の同程に悩んだときは、材を白化(白色腐朽菌)するか褐色化(褐色腐朽菌)するかの腐朽型を見ることをおすすめします。





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最終更新日  2022年01月12日 16時16分40秒
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