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夢みるきのこ

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2022年02月23日
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  書写山で出会った紫色のベニタケ。カラムラサキハツと思いきやムラサキカスリタケでした。
 ​地球誕生から気の遠くなるほどの時間を経て地球最初の生命体が生まれた。それは偶然の偶然のそのまた偶然の賜物であった。そしてさらに幾億回、幾重もの偶然の賜物を経て黎明期の生物にとっては命取りだった酸素と深く結びつくミトコンドリア、クロロフォルム、そしてリボゾームを取り込んだ単細胞から多細胞組織をもつ生命体へと試行錯誤をつづけて核にDNAを折りたたんだ形で持つ真核生物にまで延々と旅を続けてきた。微生物も動物も植物も、そして人間も、真核生物という同じスタート地点からそれぞれ旅立っていったのであるが、それを進化とするのは早トチリで、そこからは高等・下等という差別意識が生まれてくる。深化ならまぁゆるしてもいいやというのが私の考えである。
 ビールや酒やパンを創り出す酵母もカビも基本的には人間と同じ細胞からできているということ。それを私たちの前に突然立ち現れて伝えてくれているのが微生物のきのこなのである

​ この微生物から出発した地球生命体という観点から進化の頂点に立ったと錯誤する人間とその原初の姿・微生物をつなぐものとして目に見える微生物・きのこを仲介者に置き、地球上で極度の不均衡をつくるばかりの人間の是正のための指標とすべしというのが私の考えるきのこの文化誌・博物誌なのである。
    ​​         用なしのポンプにも意味があると思える人こそが菩薩なのです​​
「月のしずく」38号では、それを私たち人間社会の中でどう実践していくかについて他者の問題を取り上げ、大乗仏教の如来蔵思想を援用して、その他者のそれぞれが本来的にもっている善根(如来を宿している心根)にささやきかけ「ちょっと背伸び」を絶えずうながすためにはアートする心こそが最も大切であるとした。そのたえず「ちょっと背伸び」をうながす無言の実践者こそが菩薩なのである。それは今ある自分に安住せず、絶えず固定を厭い流動化の相に身を置くことを自らに課している人たちと考えてよい。
 私がきのこ以上に​
それにふさわしいアーティストを探し求めてきたことはそのためである。そのアーティストを探し当てる唯一の基準としたのがきのこや何のために存在するのかわからないような生き物たちを愛する人なのだ。それを欲ボケで目のくらんでいる人たちにもわかりやすい言葉で<月のしずく>の生き物たちと呼んできたのだ。
 そんなアーテストがゆるやかにつながり無用の用ともいうべきアートの潮流を目指す。それがヘテロソフィア(異なるものたちの叡智)アートのトレンドなのだ。アートの力でゆるやかな世直しを実践していくことこそが今の地球にとって喫緊の課題と考えているのは私だけではないことはこの30年余りでようやく確信が持ててきた。残された時間、そうした少数の人たちと旅を続けながらトレンドづくりに集中して生きたいと考えている。


        
 五刧という気の遠くなるような
天文学的数字の時間を考えあぐねてアフロヘアーとなった如来になっても苦の種はつきぬことを菩薩行は語っている。今の世で行われているあほらしやの鐘がなるような愚行を止める解法はない。にもかかわらず、束の間与えられた命を精一杯生きようというのが菩薩なのである。私は仏教徒でもなんでもないが、ここに仏教の教える究極の人間の姿がボーディサットバ=菩薩という生き方にこめられているような気がする。

 次号の月のしずく39号では、微生物と人間の基本に戻って生物誌、生命誌の観点からそのことを辿ってみよう。​






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最終更新日  2022年02月23日 23時21分29秒
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