夢みるきのこ

​　出雲に行って是非おとづれたい場所があるとすれば出西窯と出雲大社の出雲ぜんざいを出すカフェくらいだろう。​

​​​
　出西窯(しゅっさいがま)は、出雲大社の観光スポットからはやや離れた斐伊川のほとりの出西町にあるので気ままにのぞくという場所ではない。お地蔵さんがたたずむ工房に隣接して陶製品を販売する無性庵がある。

　焼き物に全く無縁だった5名の作家たちが河井寛次郎に相談にいったことからはじまり、バーナード・リーチや柳宗悦などの民藝運動に深い影響を受け試行錯誤の結果軌道に乗せ、創業以来75年余りを経たという出雲に深く根差した窯元である。今は若い人たちが継承しモダンで用の美に徹した器づくりを重ねているようだ。

　工房見学も自由らしいが、今回は表敬訪問としてのぞくだけにして須佐の地へ向かったが、あらためてじっくりと過ごしたいところだ。手に触れたあたたかみのある陶器の手触りはやや磁器に近い感触のするものが多かった。焼成温度が通常の陶器とは異なるのかもしれない。
​​​