夢みるきのこ
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ホカホカの雲がポカポカと浮かんでいる。<小寒>前日の朝。 ホルダー・クマゴロウの落とし物。里に出没しはじめただけでシカの次には熊が殺され始める事だろう。シカも熊も増えすぎたのではない。人が増えすぎたのだ。それは言っては駄目だから言わないだけのこと。しかし、間違っても鹿や熊のせいにすべきではない。増えすぎたなんてもってのほかだ。
わが秘かな聖地は落葉まみれ。 無秩序に散り敷いた落葉だが、すでに風の作用でそこここに吹き寄せられ落ち葉だまりができはじめている。まもなく地表下の菌糸がそれらをつなぎ留め固定化しはじめることだろう。この菌糸たちの働きをホワイト・ロッドという。徐々に白化していき朽ち葉となり1年余りかけて土に還る。だから森は清浄なままなのだ。目には見えぬ世界の生きものが四六時中働いて弔っているのを知る人は少ない。その変化自体は知っていても、それがきのこたちの本体である菌糸がやりこなしていることをほとんどの人は知らない。きのこの文化とはその因果関係を知っている人たちがそのことを表現することから始まる。この菌糸たちの働きがなくなった時、地球はカオスにもどる。当然、人は現在の人のままで生きられなくなる。それでいいとでもいうのだろうか。40年近く言い続けて来て、ようやく時代はスーパーきのこ時代の直前まで来た。このプレ・スーパーきのこ時代があと何年続き、この地球にスーパーきのこ時代が訪れるかどうかもすでに分からない。危機は加速しっぱなしだからだ。 その担い手をずっと探し求めてきたが、そろそろ "It's time." 今更あせりはしないが、私に残された時間も極く僅かになってきた。 この40年あまりの間に昆虫も植物も動物も激減してしまった。それも誰もが思っているが誰も口にしない。したたかな生存戦略を誇るきのこでさえ激減してしまった。それだって特定の誰かのせいでもない。ただ、「幸せになりたい。豊かになりたい」と願う私たちの過剰な願望が招いたものだ。行為ではないから犯罪は成立しない。しかし、結局は私達一人一人のせいなのだ。だから脱成長こそが唯一の目標であることはもはや自明であるが、その達成は学者や政治家、経済人、評論家などごまんと集めても難しい。身分や肩書、知識、権力一切合財に関係なく、<ちょっと背伸び>を始めた市民だけがそれを真に変える力をもっている。そのちょっと背伸びこそが至難の技だが、それが可能なのは誰であるのかが問題だ。その人たちの特定とその人たちのなすべきことを「月のしずく」でこれから展開していきたい。ようやく聞く耳をもちはじめた人たちのために、あと少しそれを伝えるという役目を果たしたい。
月のしずく54号2024年11-12月号 2024年10月28日
月のしずく2024年最終号印刷に 2024年10月17日
きのこ暦第Ⅴ期イブの年も後半年となった。 2024年10月02日
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