勝者の銘言~動機善なりや、私心なかりしか~
動機善なりや、私心なかりしか By京セラ(株)名誉会長 稲盛和夫氏 稲盛氏がDDI設立の際に何度も自問したと言われている、 あまりにも有名な一言である。 彼は当時京セラの経営者であった。世の中では電気通信への 新規参入の認可の動きがあり、 彼も「これは誰かがやるだろう」と最初は人ごとだ ったという。 しかし、天下のNTTに対抗する事業となれば、なかなか手を出す 経営者もいない。そこで業を煮やした彼が立ち上がったのである。 その時、彼は何度も自分に問いかけたという。 「これは京セラの利益だけのためなのか?」 「善いことをしようとしているのか?」 その自問自答の中で、 「電気通信のコストを安くして、一般大衆の方に喜んで もらおう」 という意思を確立していったのだ。 稲盛氏は併せて『プロセス善なりや』も自身に問うそうだ。 結果を出すために人の道を外れた行為をすれば、 それはいつしか自分に返ってくる。 そして『私心なかりしか』で、自分勝手な心、 自己中心的な発想で事業を進めていないか、点検するという。 『私は、動機が善であり、実行過程が善であれば、 結果は問う必要はない、必ず成功すると固く信じています』 仕事だけではなく、人生の指針となるに相応しい一言である。 *参考:「心を高める、経営を伸ばす」稲盛和夫(著) おすかる