|
テーマ:「いじめ」を考える(14)
カテゴリ:いじめ
連日、新聞TVは、いじめを取り上げています。
悲しいことに、自殺予告も自殺も途絶えることがありません。 これだけ報道が繰り返されているのにも関わらず、いじめを続ける子供たち。 「ありえない」とは、まさにこのことです。 中には、いじめ自殺者が出た学校で、まさにその死に追い込んだ子供たちが標的を変えて、いじめをしていたことも公になりました。 暗澹たる気持ちになります。 いじめは犯罪として、関わった子にそれなりの刑罰なり、更正するまで特殊な指導等はできないのでしょうか? さて、長くいじめっ子のA君と関わってきて、感じたことがあります。 それは、学校というところの閉鎖性です。 問題が起きても、人権擁護、プライバシーの保護の御旗のもとに、決してオープンにしません。 そのため、保護者間の情報が行き届かず、個々の保護者は孤立し、問題が起こっても、個人で戦うことを強いられます。 自分の子供が被害にあっているのに、それを証明することから、始めなくてはならないのです。 それは、とてもつらい作業です。 私は、専業主婦で地域に知人もあり、子供も複数いるので兄弟関係からのお付き合いの利害関係の少ない知人友人が多くいました。そのため、比較的簡単に事実を知ることもでき、支えてもらうこともできました。 これが、もし一人っ子であったなら。仕事を持ち地域に知人がいなければ。 情報は、子供本人と学校からだけです。 しかも、学校は、事実そのままを知らせてはくれません。 また、事実を把握すらしていないこともあります。 事実をつかむのは、大変な作業だと簡単に想像できます。 よしんば、事実をつかんだとしても、我々親ができることは限られています。 1.担任へ事実関係の調査と改善を求める。 *私は、まず連絡帳や学期ごとの個人面談で対応を求めました。 次に、時間をとってもらって、放課後学校に通いました。 担任が事実を把握しているのなら、即対応もありますが、もし把握していない、または重大視し ていなければ、放置されることもあります 2.相手親に、直接苦情を言う。 *学校では「相手親に、直接苦情を言うのは止めろ」と言います。 私も経験から、よほどの自信が無い限り止めたほうが良いように思えます。 いじめの内容にもよりますが、確信犯の子なら、親もそれなりです。 無駄なエネルギーを使って、不愉快になるより、他の方法を探したほうが効率が良いかもしれま せん。 3.自分の子供に対策を指導する。 *私は、長男と二人、色々アイデアを練りました。 「武道を習って強くなり、喧嘩して負けないようにする」というのは、平和主義の長男に即却下 されましたが、たいていはやってみることになりました。 傍観者になっている友達を巻き込んで、戦うことは実現できませんでしたが、やられているもの 同士で結束し、いじめっ子についての学級会を開くことは実現させました。 一つ一つのチャレンジで友達の信頼を得て、少しだけ長男自身も強くなったのではと思います。 上記の次は、さらに上の校長へ話し、担任が対応を怠っている場合はそれについてもお話することになります。 さて、その次は、教育委員会へ話を進めて...と問題が解決しないまま、どんどん場所を変えていくことになります。 いじめに敏感になっている最近でこそ、即教育委員会が動き出すこともあるそうですが、正直学校も教育委員会も同じ系列の組織です。 そう簡単に解決できるかどうか??? しかも、そこまでには、大変な時間がかかり、いじめに合っている子供には耐え難い時間が続くことになります。 時間の経過に耐えられないのであれば、「学校に行かせない」の一つの選択肢です。 転校することだって、選択肢としてありだと思います。 もちろん、それは何も解決にはなりません。 ただ、子供を守る、緊急避難的には、何だってありです。 スクールカウンセラーというのが、数年前からどこの学校にも配属されているそうです。 A君の親も担任に紹介されて、一時通ってました。 A君本人に会うことも、担任に会うこともなく、母親とだけ面接を数回。 「問題のある子供の全てを受け入れてやりなさい。」とだけ、母親に繰り返したそうです。 (結局、最後にはその通りになりました。ただ、それは子供の本質ではなく、許されざる行為を全てを受け入れ、開き直ってしまったのですから。) その頃は、まだA君を何とかしたい、と努力していた母親は、A君、担任、自分、そしてスクールカウンセラーとの4者面談を希望したそうですが、叶えられませんでした。 その話が事実であったかは今となってはわかりませんが、その話を聞いて、何のためのスクールカウンセラーかと疑問に思いました。 スクールカウンセラーとは響きは良いものの、たいした権限はなく、問題がある子を学校や親ととも改善する力なんて、どうやらないようです。 そうやって、手をこまねいていた結果、A君は手がつけられない状態となりました。 従来どおりの学校や教育委員会という組織では、現在のいじめや、多岐に渡る高機能障碍などを持つ難しい子供たちへ対応は、無理だと思います。 何かにつけクレームを入れる親や、ほったらかしの親、手をあげれば体罰、何かにつけ教育委員会へ言うぞと脅しまがいの脅迫をされる。 事なかれ主義の校長・教頭からは、問題が無いことを求められ、問題を訴えても現場での解決(もみけし)を求められる。 それは、まるで手足を縛られて、ダンスを踊れと言われているようなものです。 現場の先生がそんな状態では、難しい子供たちへの対応を求めても、無理です。 いつの間にか、探偵社の中には離婚調査より、いじめ調査の取り扱いが多いところさえあるそうです。探偵社とは言いませんが、私は、公的な第三者の相談・支援機関が必要だと考えます。 いじめ調査、問題児の指導等、学校組織からはみ出てしまった問題を引き受ける、学校・教育委員会から独立した機関があれば良いのではないかと思います。 もちろん、そこには学校に立ち入り調査する権限や、解決のために学校職員や親・子を招集する権限も、問題解決のために学校・教育委員会を動かす権限も与えます。 また、そこで取り組まれる問題は、障碍など個人のプライバシーを侵すこと以外は、全て公にします。相談機関には、秘密保持を前提として、各学校のPTA幹部やOBなど保護者の立場の人間も含まれると、より効果があると思います。 自分の子供が加害者の立場でも、早期にどうしたら良いのか適切な答えが得られれば、問題を大きくすることなく、解決が見えてくると思うのです。 被害者であれば、なおのこと、支援し、いっしょに学校と話しあいに望んでくれる機関があれば、頼もしいと思うのです。 本来は学校がそこまで出来れば良いのですが、制度疲労してしまっている現在の状態では難しいでしょう。 学校教育が崩壊・炎上しているような状態で、教育基本法なんて、のんびりやっている場合ではありません。 学校オンブズマンでも、何でも良いのです。 取り急ぎ、学校問題の駆け込み寺を用意し、それから教育基本法でも何でもやってほしいと切に願います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[いじめ] カテゴリの最新記事
|