Kahimi Karie Tour 2007 "Mulifein"とか
今回のライブ、いい演奏でした。カヒミカリイは、大友良英、ジムオルークと出会って本当に良かったと思います。なぜなら、彼らは囁くようなカヒミカリイの歌声の魅力を、どうすれば最大限引き出せるかということについて真摯に向き合っていたからです。このギタリスト2人に限らず演奏者全員が、黒子に徹していました。ただし、それは存在感を消すということではありません。歌い手も演奏者もそれぞれは控えめだけど、お互いを補いあって、プラスサムの結果になっています。派手な演奏テクニックも、アバンギャルドにかき鳴らすことも、もちろんない。一音一音を丁寧に響かせる、ただひたすらそれだけのこと。お客さんも一音一音の響きに引き込まれて、会場全体がひとつの音に集中しているような、そんな空気が流れていました。こういう繊細なライブではやはりSachiko Mは欠かせない存在であることを、あらためて感じさせられましたね。sinewaveも鳥のさえずりのように聞こえてくるから不思議なもんです。海の底にいるような(実際に水槽の水に手を入れて音を立てる「演奏」も行われましたが)この深遠で神秘的なメロディーに石川高さんの笙があれば、もう完璧だろうなあと思っていたら、東京公演ではいらっしゃったらしいですね。そりゃそうだ、この演奏には必要ですぜ。それにしても、大友良英にせよジムオルークにせよ山本精一にせよ、アバンギャルドな音を奏でる方々というのは、非常に美しいメロディーを奏でることもできるんですよね。破壊的な音も耽美的な音も、人の心を大きく揺さぶるという点で、なにか表裏一体の関係があるような、そういう独特の感性を(あるいは必然の感性を)こういう方々は持ち合わせているような、そんな気がします。下はライブ前にJoe's Garageで購入したCD。Joe's Garageは4月から四条烏丸に移転するらしいですね。多少広くなるのかな。 Harmonia /HarmoniaCluster&EnoにしようかMoebius,Plank,Neumeierにしようかとも悩んだんですが、一番楽しそうなこれに。 ovalcommers /Ovalタイミングよく出くわしたので購入。amazonじゃ「11,402円より」という値段がついてました。なんでやねん。さらに会場で購入した品物もあるんですが、大友良英さんが日記で、「いろいろな事情でオオヤケに書けないので、来た人は書かないでください」と書いていたので、その意向に忠実にここでは書きません。もしかしたら「書かないで」と言ってるものと違う品物かもしれないけど、まあいいや。関係ないけどジムオルークの演奏姿は、何度も前のめりに揺れながら、なぜか足は内股でした。