カテゴリ:純情きらりとエール
『純情きらり』再放送。
いよいよ桜子の本領が発揮されつつあります。 亡き父にも愛され、 味噌彦やキヨシにも愛され、 もちろんテレビの前の殿方にも愛され、 そして斉藤先生にも愛されてしまう桜子。 じつは桜子は、この物語のなかで、 徹頭徹尾、終始一貫してモテモテなのです。 15年前の本放送のときにも、 同じようなことを書いたのですけど、 ここで、あらためて、 「笛子の弱さ」問題について書こうと思います。 ◇ いまのところ、 物語のいちばんの【暗黒面】を担っているのは、 池鉄をはじめとする河原家の名古屋人のように見えますが、 それはあくまで表向きのことにすぎません。 じつは、 ほんとうにドロドロしているのは、 有森家における「姉妹間の嫉妬問題」なのです。 はじめて視聴している人も、 うすうす気づきはじめてると思うけど、 器量良しの杏子が先に嫁いだあたりから、 この姉妹間の嫉妬問題が、水面下でうごめいています。 何を隠そう、 『純情きらり』の最大の【暗黒面】とは、 この「モテない姉」と「モテる妹」の問題なのです。 ◇ かつて父はこう言いました。 笛子は、ああ見えて弱いところがあるんだよ。 父は、笛子の「弱さ」を心配していました。 ※桜子は頑丈なので、さほど心配いりません。 笛子は、 その弱さゆえに、虚勢を張って生きています。 だからこそ、 いまいち女性らしさや細やかさにも欠ける。 笛子は、 長女として厳しく躾られて 早くに母を亡くし、父も亡くして、 社会的にも経済的にも有森家を支えて、 結局のところ全部を背負っています。 戦争に備えて、ひとりで竹槍を振り回している。 そこに彼女の不幸があります。 彼女自身が十分な幸福に恵まれていないので、 他人にまで幸福を分け与える余裕がないのです。 何かにつけて桜子にきつく当たったり、 杏子の不幸も省みずに、無理やり嫁がせたりするのは、 彼女自身が柔らかな幸福で満たされていないからです。 ※もしも父が生きていたら、杏子は河原家へ嫁がずに済んだはず。 つまり、 笛子の「弱さ」とは、 世間的な常識や価値観を打ち破れないところであり、 そのため自分の人生を進むことに臆病なところであり、 ついに自分の幸福をつかめないまま、 最後まで《嫉妬》の中で生きていくほかないところです。 でも、これって、 一般的な女性の弱さそのものですよね(笑)。 このことが後々の物語にまで尾を引きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.09.19 12:06:56
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