テーマ:アニメ番組視聴録(4228)
カテゴリ:漫画・アニメ
宮崎吾朗/ジブリ/NHK
「アーヤと魔女」を見ました。 あまりにも唐突な終わり方だったので、 なんだか放り投げられた感じです… 世間の子どもたちは、 あの終わり方をどう思ったのか分からないけど、 大人としては、 あまりにも未回収なことが多すぎて、 思わず謎解きをせずにはいられません! ◇ 冒頭のシーンで、 バイクにまたがったアーヤの母親は、 黄色い車(シトロエン2CV)に追われており、 後ろにミミズをぶちまけて逃げおおせました。 あの黄色い車は、 かつて彼女がマンドレークやベラ・ヤーガとともに、 「Earwig」(ハサミムシ)というロックバンドで活動していたころに、 3人で乗りまわしていたのと同じ車です。 車のナンバーは「MYA-13W」。 (Mandrake/Yaga/A●●●-13Witchの意味かもしれません) 現在、その車は、 マンドレークの屋敷のガレージに置かれています。 アーヤは、その車のなかから、 Earwigの「Don't disturb me」というレコードを、 もち出したのです。 ラストシーンでは、アーヤがベラ・ヤーガに、 「黄色い車でピクニックに連れてって」と頼んでいます。 ちなみに原作での主人公の名前は「Earwig」ですから、 彼女の母親は、バンドの名前をそのまま娘につけたのです。 ◇ アーヤの母は、 孤児院に次のような置手紙を残しました。 仲間の12人の魔女に追われています。 逃げ切ったら、この子を返してもらいに来ます。 彼女は、黄色い車に追われていたわけですが、 あれを運転していたのは、おそらくベラ・ヤーガです。 マンドレークは男性ですから、 アーヤの母をふくめて13人の「魔女」がいるわけですね。 かりにマンドレークが、 カリスマ的なロックスターだったのだとすれば、 (どう見てもジョン・レノンにそっくり!) 13人の魔女仲間とは、 取り巻きのグルーピーだったのかもしれません。 そのうちの一人(アーヤの母)が抜け駆けをして、 マンドレークの子供を身ごもってしまい、 ほかの魔女仲間から追われる身になったのではないかしら? だとすると、 マンドレークは、アーヤの父親である可能性が高いし、 マンドレークとベラ・ヤーガは、 「アーヤが誰の娘なのか」を承知のうえで引き取った可能性がある。 ベラ・ヤーガがアーヤに厳しいのは、 かつてミミズをぶちまけてきた宿敵の娘だからであり、 マンドレークがアーヤに甘いのは、 ほかならぬ自分の娘だからなのかもしれません。 ラストシーンで、 アーヤの母が娘を引き取りに来たのは、 彼女が「12人の魔女仲間」から逃げ切ったからだと思うけれど、 しかし、そこには宿敵ベラ・ヤーガがいるのです…。 屋敷の周囲には、クリスマスツリーがあり、 屋上には「Don't disturb me」のイルミネーションが飾られています。 ◇ ちなみに、 Earwigの「Don't disturb me(邪魔するな)」の歌詞はこうです。 あぁ悪魔は冷えた竃の中で灰をかぶり アカギレ裸足の娘が泣いている いつまで待てば夢の王子様が 白馬で迎えに来るのさ …これは「シンデレラ」のことでしょうか? お城の塔では玩具に囲まれて 青ざめた顔で王子は引きこもり 百個の鍵を部屋の扉にかけて 女はママしか知らない あぁ愚かな王子、あぁ醜い娘よ あぁ扉は開けるためについてるのさ …これは「ラプンツェル」のことでしょうか? ◇ 宮崎吾朗の「山賊の娘ローニャ」もそうだったのですが、 「シンデレラ」も、「ラプンツェル」も 主人公の少女が、 悪い大人(親)の呪縛を乗り越える物語になっています。 山賊の娘ローニャは「わたしは山賊にはならない!」と宣言します。 少女たちは、親世代の「悪」をけっして引き継がないのです。 シンデレラやラプンツェルに登場する大人たちは、 少女にとっての「模範」ではなく、むしろ悪しき「反面教師」です。 それらは少女の成長物語なのですが、 少女が大人になる、ということは、 けっして「親世代と同じ」になることではない。 むしろ、親世代とは違う道を選ぶことなのです。 そこには、悪い大人(親)と同じような生き方をしない、 という強いメッセージがあります。 たとえばラプンツェルにとって、 塔の内側は、けっして安息の空間ではなく、 生きる屍にされてしまうような恐ろしい場所です。 塔の上には、鐘ではなく、 死人の生首が吊るされているのかもしれません。 だから、外に出るためには、 みずから扉を開けなければならないのです。 アーヤはそれを、軽々とやってのけます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.17 17:27:37
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