テーマ:プレバト俳句(29)
カテゴリ:プレバト俳句を添削ごと査定?!
プレバト俳句。冬麗戦!
お題は「輪ゴム」です。 今回も「異議あり!」ってほどのことじゃないけど、 個人的な感想です。 ◇ いちばん好きだったのは、フルポン村上。 一月や ゴム動力の プロペラ機 いつもなら、 半径1mの視界を拾うのが得意な村上ですが、 今回はめずらしく広々した遠景を詠んでます。 ただし、同じ遠景とはいえ、 フジモンあたりが詠む可愛くてポップで温かい遠景とは違って、 どこか孤独で文学的でシャープな遠景になるのが不思議ですよね。 ちなみに、 1位になった森口瑤子の句も、 風花へ しゅぱんしゅぱんと ゴム鉄ぽう ってことで、 やはり新春の冷たい青空にむかって、 ピューンと飛んでいく清々しさが共通していました。 ◇ もうひとつ印象的だったのは、東国原英夫。 無影灯 下腹に冷たい何か 以前から、この人の句は、 不気味な皮膚感覚にうったえてくると思ってたけど、 今回はまさに自身の皮膚感覚そのものを描写しています。 本人は「麻酔後にメスが当たったような感覚」と言ってたけど、 わたしは、これを読んで「病巣が冷たい」のだと思いました。 ちなみに、これは、 冬の風景を詠んだ句には見えませんし、 やはり無季の句だろうと思います。 ◇ 4位に甘んじた梅沢富美男。 鏡越し ロット巻く手や 春隣 ロット巻く手や 春近き日の鏡(添削後) 一見して、 「春隣」の風情を詠んだ良い句だなあと思ったけど、 こうして比べてみると、 やはり先生の添削のほうが優っていますよね。 たぶん梅沢は、 「春隣」という季語から発想したのでしょうけど、 その季語に固執するあまり、 鏡越しに「隣」の人を見るというアイディアを、 なかなか捨てられなかったのかもしれません。 場合によっては、 発想の原点になった季語をあえて捨てて、 別の季語に替えなければならないのかもしれませんよねぇ。 そこが難しいところです。 ◇ ついでに、キスマイ横尾の句。 七日の名もなき家事 パズルの樹氷 七日 名もなき家事 ジグソーの一片(添削後) 最初に原句を読んだとき、 「名もなき家事」の意味が分かりませんでした。 そもそも、炊事や掃除や洗濯のことを、 「名のある家事」だなどと考えたことがないからです。 「na」で韻を踏んでるのは分かるけど、 まずはそこを直さなきゃいけないだろうと思しました。 でも、先生はむしろ、 この「名もなき家事」を残したまま、 ジグソーパズルの映像のほうを描写し直したのですね。 そうすると、あら不思議、 誰にも知られることのない些細な片づけ作業という、 「名もなき家事」の意味がすんなり入ってきます。 これは、先生の添削に感心してしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.12.31 18:26:11
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