プレバト俳句。お題「ラーメン」に異議あり?!
前座二年目具のない冷やし中華 空蝉や雷紋消ゆる鉢の底 盆の月ラーメンの香に父偲ぶ らあめん屋外の蝉まで舌鼓 麺の神汗に塗れたかたつむり 味玉の尻に凹みや夏の夕 夜の秋や色紙だらけのラーメン屋 弟のメンマは兄へ盆の月7月25日のプレバト俳句。お題は「ラーメン」。MBS「プレバト!!」#457 後編「スクラッチアートでビックリの才能が出現★俳句は“ラーメン”で一句!」#TVer #プレバト @prbt_officialhttps://t.co/bPwsXX2ynB— TVer【公式】 (@TVer_info) July 25, 2024◇蝶花楼桃花。前座二年目 具のない冷やし中華前座二年目 具のない冷やし中華かな(添削後)添削句は、7・7・5で後段の調子を整えてるけど、二句一章を字余りにしてまで「かな」で締めるよりも、原句のままのほうが形としては整ってます。◇アンミカ。盆の月 ラーメンの香に父偲ぶ盆の月 かのラーメンの香よ父よ(添削後)例によってリフレインを用いた添削。まあ、とくに異論はありません。◇清水アナ。弟のメンマは兄へ 盆の月言葉の経済効率のよさが上手く機能しましたね。お盆に親族が集まって店屋物を取ったのかしら?/📣木曜、夜7️⃣時からは #プレバト !!\清水アナが次回のお題に挑戦!🔥オッケーです!🥳#清水チャレンジ#夏井いつき 先生#俳句 pic.twitter.com/1AIEN7RHIr— 「プレバト!!」毎週木曜よる7時【公式】 (@prbt_official) July 23, 2024◇岡田紗佳。らあめん屋 外の蝉まで舌鼓店外は蝉 ラーメンに舌鼓(添削後)梅沢が言ったように、> ラーメンだけでなく蝉まで食ってしまったみたいな解釈もありえるけど、ふつうなら、> 私がラーメンに舌鼓を打つように> 蝉も樹液を吸って舌鼓を打ってるといった解釈になるはずです。しかし、作者の説明によると、> 蝉まで「美味しい!」と鳴いてるように聞こえる…という心象を詠んだらしい。安易な擬人化もさることながら、自分が意図したことを描写しきれてない。しっかり聴覚情報に焦点を当てて、擬人化の要素もすこし加えるとすれば、ラーメンをすすれば蝉の囃しけりのように書けます。◇ペナルティ・ヒデ。空蝉や 雷紋消ゆる鉢の底空蝉や 雷紋あせる鉢の底(添削後)まったくもって意味不明な句!なぜこれが才能アリなの?字面からは、> 一方に、蝉の抜け殻があり、> 他方に、底の雷紋が消えた丼がある…という取り合わせに見える。そもそも、作者がどこにいるのか分からない。ドンブリの縁じゃなくて、ドンブリの底に雷紋がある理由も分からない。その雷紋がなぜ消えたのかも分からない。作者の説明によると、> 雷紋の消えたラーメンの丼が屋外に捨てられており、> その底には何故か蝉の抜け殻が入っていたという場面らしいのだけど、そんな状況はまったく見えてきません。形式が内容に一致してないからです。たとえば前回の、ラッシュ降り消残る皺や 麻スーツも、形式と内容が不一致だったのですが、こちらはほとんど誤読の惧れがありません。しかし、本作を二句一章にしたら、ほぼ誤読されるはず。作者のいう場面を描写するなら、空蝉が雷紋のなき鉢底に…のような一句一章にすべきです。無論、そう書いたとしても、「なぜ丼のなかに蝉の抜け殻??」との謎は残るし、それこそ梅沢が言ったように、「蝉まで食ってしまった」ように見えるけど、それが実景だというなら仕方がない。まあ、雷紋の描写さえ諦めれば、捨てられたラーメン鉢に蝉の殻のように書けるし、そのほうが不用意な誤読は避けられます。◇勝俣州和。麺の神 汗に塗まみれたかたつむり麺の神と呼ばれて汗にまみれけり(添削後)字面だけを読むと、> 一方に麺の神がいて、> 他方に汗まみれのカタツムリがいる…ということになる。もっとも、カタツムリは汗をかかないので、人間の汗がカタツムリの上に落ちた…という解釈になるでしょうが。兼題は「ラーメン」だってのに、セミまで食ってしまったとか!カタツムリが這ってたとか!気持ちの悪い句が多すぎますね!!しかし、作者の話によれば、> ラーメンの神様はカタツムリのようにひたむきに前進しつづけたという比喩表現だったらしい。安易な比喩もさることながら、これもやはり、一句一章で書くべきところを、二句一章にした結果の失敗といえる。他方の「神」にかんしては、比喩というよりも尊称だろうから、引用符などで括ればいいかなと思います。ためしに、厨房の汗にまみれる"麺の神"としてみました。◇フルポン村上。味玉の尻に凹みや 夏の夕中七の助詞は、「尻の」とせず「尻に」としています。食べようとして取り上げてみたら、卵の底に凹みを見つけた…というニュアンスかな。タレがしみた茹で卵の色が夕景の色に重なって、全体的にノスタルジックな情景ですね。◇梅沢富美男。夜よの秋や 色紙しきしだらけのラーメン屋暑さの一段落した夏の夜に、多くの人々に愛されてきたラーメン屋へ。全体的に落ち着きを感じさせる情景です。▽過去の記事はこちらhttps://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12