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まいかのあーだこーだ

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2021.01.17
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夏井先生が、
去年の優秀10作品のなかに、
梅沢の「痣の醒めゆく朝焼け」の句を挙げていたので、


しつこいようですが、
あらためてこの句について考えてみます。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇


読み終へて 痣の醒めゆくごと 朝焼

この句は、文字どおり解釈すれば、

◎ 読書体験を終えると、痣の醒めるような朝焼けが見えた

という意味になります。

しかし、

じつのところは、そうではない!
ほんとうは、

痣のような読書体験から醒めると、朝焼けが見えた

という意味なのです。





そもそも、朝焼けを見たときに、
「まるで痣が醒めるようだねえ」
などと考える人はいません。

かりにそんな変人がいたとしても、
それに共感する人はほとんどいないと思います。

しかも、
以前も書きましたが、

「痣が醒める」という動詞の用法がおかしいのです。
正しい日本語としては「痣がひく」と言うべきです。



この奇妙な表現は、
比喩する言葉と比喩される言葉を、
いったんバラバラに分解して、
組み換えをおこなった結果として生まれたものです。

本来、最初にあったのは、
痣のような読書体験」なのだと思います。

読んだ本の内容が重くて、
まるで心に痣を残すような体験をしたわけですね。

そして、その本の世界から「醒める」のです。
そのときの気分が、ちょうど朝焼けの風景に重なったのでしょう。

これなら、
動詞の用法としてもおかしくはないし、
比喩表現としても、べつに変ではありません。





言葉のバラバラ分解と組み換えをおこなった結果、

ほんとうは「読後の心象描写」であったはずのものを、
あたかも「朝焼けの風景描写」のごとくに装っている。
これは一種のカムフラージュです。

その結果として、
「痣が醒めるような朝焼け」などという、
世にも奇妙な用法と比喩が生まれることになったのです。

これを、
ひとつの詩の技法として評価すべきなのか。
それとも、
おかしな日本語表現として修正すべきなのか。

やっぱり、わたしには判断がつきません。





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最終更新日  2021.12.31 18:26:34
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