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まいかのあーだこーだ

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2021.06.20
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プレバト俳句。お題は「折りたたみ傘」。

今回も「異議あり!」ってほどのことじゃないけど、
個人的な感想です。



まずは、中川大輔。
夏の雨 凌ぐ如意棒 ふりまわす

本人の説明によると、
中七の「如意棒」は伸縮する折りたたみ傘の隠喩らしく、

しかも、
> 雨を凌ぐために持ってきた傘だけど、
> 降ってないので振り回して遊んでいた

ということらしいです。

雨降ってなかった!
晴れてた!

ってことで、
前段の「夏の雨 凌ぐ」は、
映像描写ではなく傘の役割の説明なのです(笑)。

季語の風景を描いてるわけじゃないのです。

考えてみれば、
傘ふりまわしたって雨は凌げないし、
雨が降ってるなら傘させよって話ですから。


先生の添削では、
とりあえず隠喩を直喩にあらためて、
如意棒のごと傘を振る 夏の雨(添削後)
としていますが、

そもそも雨が降っていないのですから、
本人の意図どおりに添削するならば、
如意棒のごと傘を振る 夏の空
とすべきです。

さもなくば、
空梅雨や 如意棒のごと傘を振る
でしょうか。



神田愛花。
NEWの傘 「カワイイ!」欲しい 梅雨カモン!!
NEWの傘 カワイイ!欲しい 梅雨COME ON!
(添削後)

この句、40点の凡人3位でしたが、
添削では、すこし表記を改めただけで、
ほとんど直しらしい直しがありません。

実際のところ、ちょっと評価に悩んでしまう俳句です。

じつは、先週の伊集院光の、
濡れ鼠 せめてどこぞの喜雨であれ
と同じように、
実際に描写された映像は上五だけで、
中七と下五は「心の台詞」「気持ちの表明」なのです。

伊集院の句の場合は、
「喜雨であれ」という台詞によって、
夏の雨が見えてくる仕組みなのですが、

今回の神田愛花の句の場合は、
「カワイイ!」という台詞によって、
傘のデザインが見えてきて、
「欲しい!」という台詞によって、
店内の傘売り場が見えてきて、
「梅雨カモン!」という台詞によって、
梅雨前の季節ということが分かる仕組みです。

そう考えると、
一語一語にそれなりの役割があるし、
なかなか添削しにくいのですね。

一見すると、
バカっぽくて糞みたいな俳句だし、
「梅雨」という季語の扱いにも問題はありそうだし、
「NEW」というのは不要な重複情報に思えるし、
詩情の有無という点でも評価は分かれるでしょうし、

さすがに才能アリの評価は無理だとしても、
俳句の構造自体は、じつは伊集院の作品に近いというべきです。



ティモンディ高岸。
夏の朝 丸太をもってはおろしては
夏の朝 丸太かついでランニング
(添削後)

原句を読んだときに見えてくるのは、
清々しい夏の朝に労働している様子であり、
そう読むとすれば、それで結果オーライなのですが、

本人が描こうとしたのは、
雨天の屋内で高校生が朝練する場面だそうです。

本人が描こうとしたものと、
俳句から見えてくる映像が、あまりにも違いすぎる(笑)。

そして、
「雨天の屋内」が見えてこないという点では、
先生の添削も不十分だと思います。

どう添削すればいいかわからないけど、
とりあえず7・7・5で、
梅雨の朝練 丸太挙げては降ろしては
とかでしょうか。



村上弘明。
雲の峰 写生する手に筆と傘
雲の峰写生す 傍らに雨傘
(添削後)

番組で指摘されていたとおり、
傘を手にもったまま写生してるのは不自然ですが、

まあ、
言いたいことは伝わるし、
それなりの詩情もありうる場面だと思うので、

実際は37点で才能ナシ4位でしたが、
わたし的には55点の凡人2位ぐらいでいいと思います。



キスマイ宮田。
戻り梅雨 軒先の粒 犬吠える
犬吠える 梅雨の戻りの軒しずく
(添削後)

三段切れの問題はありますが、

まあ、
言いたいことは伝わると思うし、
それなりの詩情もあると思うし、
「凡人中の凡人」というほどつまらなくはないと思う。

わたし的には、
(60点ぐらいの凡人だとは思うけど)
これが今週の1位です。





特待生の森口瑤子。

ジェラシーを折ってたたんで 白日傘

女の裏表をぜんぶ内側に折り込んで、
綺麗な外見を取り繕って巧妙に隠して、

ある意味で、
とっても気持ち悪い句というか、
いやらしい句というか、
したたかで老獪な句というか。

ドロドロした嫉妬心を折ってたたんで、
白日傘さして美人女優でゴザイマスって恐すぎるだろっ!!
さすがは坂元裕二の妻というか、
つい「まめ夫」のしたたかさと複雑さのことまで考えてしまう。

誰に嫉妬してるのか知りませんけど、
そこはヤバそうなので触れないでおきます。

怖いけど、俳句じたいは上手です。



さて、

今週も問題なのは、梅沢の句!!!

子の傘に透ける窓あり 青蛙

ハイ。
掲載決定だそうです。

先生の絶賛ポイントは、
中七の「あり」が見事な伏線になっている、
とのことでした。

いったい、どういうことでしょう?

上五・中七までを読むと、
「子供の傘に透ける窓があるナァ」ということなのですが、
そこにさしたる詩情は感じられません。

たんに「そういう傘も売ってますよね」って話です。

しかし、
じつはそこに詩情を詠んでいると見せかけて、

本当の詩情は「透ける窓」それ自体にあるのではなく、
そこから見えているだろう「青蛙」にあるのです。

そして、その結果として、
傘をさす子と、青蛙との対照がまた詩情を生んでいる。

わかりますか?
わかりませんか?


わたしも、自分で書いててよく分かりません。(^^;
もっともらしくテキトーなことを書いてみただけです!

ものは言いようですね。

わたしなら、ボツにしたかも…。

ぶっちゃけ、
ビニル傘 子の透かし見る青蛙
とかでいいかな、と思いました。



6/21追記。

あえて、もういちど、
先生のいう「伏線」の意味について、
もっともらしい説明を試みてみます。

通常、俳句で「○○あり」といえば、
強調のニュアンスをもつので、
形式的に見れば、この俳句の主役は「透ける窓」です。

しかし、それは見せかけのカムフラージュにすぎません。

青蛙が出てきたとたん、その「透ける窓」は、
「窓を見る子」と「窓から見える青蛙」の媒介なのだと判明します。

その瞬間、
「透ける窓」それ自体は脇役に後退して、
代わりに、
「子と青蛙の関係性」が主役として前面に出てきます。

つまり、「透ける窓あり」というのは、
両者の関係性を浮かび上がらせるための前フリにすぎない。
たぶん、そういうことだろうと思います。

でも、
はたして梅沢が、
本当にそのような効果を意図していたのかは分かりません。

案外、梅沢自身は、
本気で「透ける窓」が主役だと思ってるかもしれません。

 


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最終更新日  2021.06.28 10:16:36
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