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まいかのあーだこーだ

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2022.03.09
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ラスト公演差し入れは雛あられ 言えぬまま飲み込む恋と雛あられ お雛様見向きもせずにミニ四駆 あと何度行くなと思い雛をだす 雛祭る見つめる先はシルバニア 流し雛目があったのよ、本当よ 春夜のおもちゃ屋プラレールのやわやわ お歯黒のかすかにのぞく雛かな
プレバト俳句。
お題は「おもちゃ屋さんの雛人形」。
今回は、
添削も含めて、全体的にいまひとつの内容でした。

と同時に、
この兼題に対して複雑な気持ちも抱いてしまった。





早見あかり。
ラスト公演 差し入れは雛あられ


助詞の「は」を使っていますが、
これは「今日の差し入れは」という限定の意味だと解せる。
もし「の」に置き換えたら、その特別感が薄れてしまうのでしょうね。



湘南乃風 HAN-KUN。
言えぬまま飲み込む恋と雛あられ
雛あられ 言えないままの恋ひとつ
(添削後)

梅沢は、
「雛あられは飲み込まずに噛めっ!」と怒っていましたが、
雛あられだって、噛んだあとには飲み込むのだから、
べつにそこは問題ないだろうと思います。

ただ、
この「飲み込む」という動詞を、
「恋心」と「雛あられ」とに重ねる掛詞にしたところが、
俳句としては、ちょっとダサいのですね。

その意味では添削のほうがマシだと思います。





ここまでは「雛あられ」の句が2つでした。
ここからは「雛人形」の句が5つ。

ダイアン・津田。
あと何度行くなと思い雛をだす
雛をあと何度飾れば嫁に行く
(添削後)

これがもっともオーソドックスな内容の句。
(それがすなわち「凡人」ということですが)

技術的な難点は、
中七の「思い」が心情と因果関係の説明になってることです。

それはともかく、
先生の直しは、意味がまるで逆になっているので、
この添削はちょっといただけない。

あたかもアラサーの娘にむかって、
「いつになったら嫁ぐのか?はやく嫁にいけ!」
と嫌味を言ってるように読める。

こうなると、
もはや雛祭りは恐怖の儀式でしかありません。
そこまでして雛壇を飾る家があるかは知りませんが。

原句の内容を尊重するのならば、
ぼんぼりに灯せる春のあと幾度
みたいな感じでしょうか。



朝日奈央。
雛祭る 見つめる先はシルバニア
雛の顔怖くて雛を見られない
(添削後)

雛人形とシルバニア人形が向かい合ってるかと思いきや、
シルバニア人形を見つめているのは作者本人だそうで、
いわく「雛人形は怖くて避けていた」とのこと。

しかも、
おもちゃ売り場ではなく、家の中での情景だそうです.

おもちゃ売り場の情景ならば、
雛よりもシルバニアを と云ふ女子おなご

のようにも出来るかなと思いますが、

家の中の情景ならば、17音の破調ですが、
ひいなを恐れてぬいぐるみを抱く子

のように出来るかもしれません。

なお、先生の添削は、
ただ因果関係を散文で説明したに過ぎず、
およそ俳句と呼べる出来とは思えないし、
なぜ「雛」という語を2度使うのかも分からず、
思わず「雛壇の上にヒヨコでもいるの?」などと勘ぐってしまう。
この添削もいただけません。



立川志らく。
流し雛 目があったのよ、本当よ
流される雛と目が合ったと言い張る
(添削後)

これも雛人形の不気味さや悲しさを詠んだ句です。
そもそも雛祭りの起源は、厄払いとしての流し雛にあるらしい。

先生の添削は、散文的なうえに、
「と」が2度出てくるのが紛らわしいので、
これもあまり良い出来とは思えません。

ためしに17音の破調ですが、
「流し雛は私を見ていた」と泣く

としてみました。



梅沢富美男。
お歯黒のかすかにのぞく雛かな
お歯黒のかすかに雛の笑まひけり
(添削後)

これは、
内容にも、添削にも、とくに異論はありません。

この句も、
よくいえば雅みやびな光景ではあるけれど、
おそらく現代人は、
お歯黒で笑う人形を「可愛い」とは感じないだろうし、
やはり不気味に思うことのほうが多いんじゃないかと思う。



ダイアン・ユースケ
お雛様見向きもせずにミニ四駆
雛売り場かけぬけミニ四駆売り場
(添削後)

これはもはや「雛人形には何の興味もない!」という句です(笑)。
女の子だったら面白いのですが、
男の子の話だと知ると、当たり前すぎて拍子が抜ける。

これじゃつまらないので、
娘には雛人形よりミニ四駆

と思わず直したくなりました。



「雛あられ」には、
初々しくてキラキラした思い出がともなってますが、
「雛人形」のほうには、
どうも不気味な印象や寂しさがついてまわりますね。

雛人形を《可愛い》《華やか》と感じる人も少ない。
それが現代人の率直な感覚だなァと思いました。


嫁ぐも地獄。嫁がぬも地獄。
結婚も自由に出来ないし、離婚も自由に出来ない。
雛祭りは恐怖の儀式なのかもしれません。




キスマイ横尾。
春夜のおもちゃ屋 プラレールのやわやわ


これは雛祭りとは無関係な句です。

最後のオノマトペについて、
作者自身は「ゆっくりゆっくり」の意味で、
列車の動きを表現したらしいけど、
そう読む人は、たぶんいませんよねえ。

普通に考えれば、
これは「軟性プラスチック」の形容であり、
もしくは「おもちゃの世界」「子供の世界」の形容でしょう。
そういう読みでも成立する…ってことでの昇格ですね。

さらに、
志らくは「ya」の音韻のことも評価していました。

わたしは、それ以上に、
「AのB/CのD」という対句の形式が目についたのですが、
正直、これはあまり好きじゃありません。

その点では「定型で詠め」と言う梅沢の感想に近いです。





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最終更新日  2022.03.09 14:45:02
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