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まいかのあーだこーだ

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2022.12.09
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忘年会1人のためにラブソングを 初雪やこの恋届け歌にのせ 指先に沈む夕陽やママの冬 ひと晩で忘れるからOK年の暮れ カラオケの二番の途中コート脱ぐ 暖房や(間奏約30秒) 榾の宿主十八番の夢芝居
プレバト俳句。
お題は「カラオケ」。




村上佳菜子。
忘年会 1人のためにラブソングを
忘年会 一人のためにラブソングを
(添削後)

下6の字余り。
助詞「を」は動詞の省略を意味しています。

単純にいえば「歌う」の省略なのだけど、
印象としては「捧げる」「送る」のニュアンスがあって、
それが心情表現としての度合いを強めている。

客観写生の原則からは逸脱しますが、
むしろ今回はその点が積極的に評価された形。



山口もえ。
初雪や この恋届け歌にのせ
初雪に歌うよ この恋よ届け
(添削後)

これも、
中七・下五は、
客観写生というより心情表現ですが、
それをとおして歌う人物の映像が見える仕組み。

字面だけを読むと、
冬空に向かって歌っている人の姿が見えてきて、
そのほうが神聖な感じで詩情に優れています。

カラオケの場面だと解説されると、
かえって下世話になって詩情が半減する(笑)。



徳光和夫。
指先に沈む夕陽や ママの冬
「再会」を絶唱 ママの冬夕陽
(添削後a)
「再会」を絶唱 ママの冬夕焼(添削後b)

レイザーラモンRGの「北酒場」と同じく、
歌謡曲の五七調をそのまま組み込んだ形ですが、
まあ、「北酒場」ほどのクサさは感じません。

とはいえ、
「受刑者」とか「スナックのママ」とか、
そういう作者の意図までは到底伝わらない。

添削句のほうは、
とりあえず「再会」という曲名を組み込んで、
その言葉の経済効率に託した形ですが…

実際のところ、
「再会」というタイトルの曲は無数に存在するし、
わたし自身、この松尾和子の曲は知らなかったし、
曲名が喚起する力だけに頼るのは難しい。

なので、
かろうじて「絶唱」の一語から、
その暗い意図を汲み取らせる、って作戦ですね。



那須川天心。
ひと晩で忘れるからOK 年の暮れ


添削もされないという珍しい才能ナシ(笑)。
「忘年会」という一般概念を、
ダジャレ混じりに説明しただけの句でした。



千原ジュニア。
カラオケの二番の途中コート脱ぐ


作者いわく、
カラオケ店に来るやいなや、
コートを脱ぐ間もなく歌いはじめ、
2番を歌ってる途中でようやくコートを脱いだ、
…とのこと。

しかし、
そういう意図まではちょっと読み取れません。

2番の途中で興に乗ってきたのかな…
というところまでは読めるけれど、
それまでコートを着てたのは、
たんにカラオケルームが寒かったから?
…ぐらいにしか思えない。

まあ、
多様な鑑賞のありうる句だともいえるけど、
人によっては、どこに詩情があるのか分かりにくい。
正直、わたしもよく分かりませんでした。



フルポン村上。
暖房や (間奏約30秒)
暖房が熱い (間奏30秒)
(添削後)

わたしはカラオケに行かないからかもしれませんが、
後段の(丸括弧)にどんな意味があるか分からないので、

スタジオで演奏してるようにも見えるし、
カーラジオを聴いてるようにも見えるし、
ライブ会場にいるように見えなくもない。

そのうえで、
「暖房や!」と詠嘆されても、
ちょっと詩情を感じようがありません。

実際、
読んだだけでカラオケの場面だと想像できる人は、
むしろ少数じゃないでしょうか?

この欠点は、添削でも解決されていない。

さらに、添削では、
前回のジュニアの句で、
「乾き」を「渇き」と表記したように、
「暑い」を「熱い」と表記して、
そこに主観的な含意を込めています。

これも、
客観写生の原則に反しており、
わたしは、そういう小手先の技法に疑念をおぼえます。

※追記:
あらためて原句を読んでみると、スタジオの場面にせよ、カーラジオを聴いてるにせよ、暖房の効いた空間での《約30秒》の物語は想像できるわけだから、「詩情を感じようがない」ってことはないですね。その点は訂正します。




梅沢富美男。
ほたの宿 主十八番あるじおはこの夢芝居
榾くべて主十八番は「夢芝居」
(添削後a)
榾くべて十八番といふを唸り出す(添削後b)

原句は二句一章です。
上五で温かい光景を大きく描き、
中七・下五で人物にクローズアップしている。

かたや添削句は一句一章。
しかも(添削後a)は、
助詞の「は」を用いることで、
やや俳諧味を感じさせる描き方になっている。

つまり、
「夢芝居」を歌っている人物のことを、
梅沢は感慨をもって眺めているけれど、
先生はやや嘲笑的に描写している感じ。

まあ、
原句をボツにするかどうかは好みの問題でもあるし、
俳句の形としては添削のほうが整ってると思うけど、

けっして原句の出来も悪いわけじゃないし、
すくなくとも添削というのは、
原句の世界観を尊重してなされるべきじゃないかしら?

なお、
(添削後b)では「唸る」という動詞を使ってますが、
こうなると、
もはやカラオケではなく、
浄瑠璃もしくは浪花節に見えるので、
原句の意図とはまったく違うものになってしまいます。

※追記:
ルビをふれば問題ないのかもしれませんが、原句は「宿主十八番」と漢字が続いてる欠点もあるし、(クリスマスが近いからかもしれませんが)「主十八番」ってのは、ちょっとキリスト教の讃美歌っぽく見えなくもない(笑)。いずれにせよ「榾の宿」「榾の主」という季語を知らなければ、やや分かりにくい句ではあると思います。






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最終更新日  2022.12.11 12:34:18
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