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まいかのあーだこーだ

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2022.12.17
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冬晴の小樽ことりっぷの折り目 雪道にLINEスタンプバスの跡 音もない銀世界の停留所 寒窓に浮く子どもの絵帰路のバス ズワイガニ無音の宴50分 バス見えてバス停の毛布を畳む 補助席に場札と蜜柑バスの旅
プレバト俳句。
お題は「観光バス」。




森迫永依。
冬晴の小樽 ことりっぷの折り目


キスマイ横尾みたいな 、句またがりの対句。

人物のことはどこにも書いてないけど、
ちゃんと若い女性の姿が見えてくるのが巧い。
いまどきの女性の一人旅でしょうか。

冬晴の小樽の清らかさ。
そして何気ない若い女性のふるまい。
それが互いに響き合って、
可愛らしくも端正な印象になってます。

言葉に無駄がなく、詩情も豊かなので、
いちじくの句につづき72点のハイスコアでした。



勝村政信。
雪道にLINEスタンプ バスの跡
雪道のLINEスタンプ バスの跡
(添削後)

よくこれを才能アリにしたなあ…。
わたしなら凡人以下ですね。

この比喩そのものが、
わたしにはよく分からないのだけど、

バスの轍を比喩で表現しただけの一物仕立てを、
二句一章のような形式で書いてるのもイマイチ。

むしろ下7の字余りで、
雪の町 バスの轍はLINEスタンプ

と書いたほうがマシだと思います。

でも、見方を変えれば、
前段で比喩の謎かけをして、
後段の種明かしでオチをつける…
という自由な「型」なのかもしれません。




鈴木絢音。
音もない銀世界の停留所

ふるさとや ぽつんと雪の停留所(添削後a)
失恋や ぽつんと雪の停留所(添削後b)

中6の字足らずですね。

前回の夏井先生の話に則していえば、
この「字足らず」が《ポツンと感》を出してる気はする。
そして「銀世界」を季語相当と見なすことも可能だとは思う。

ただし、
かなり類想感のある情景で、それ以上の具体性に乏しいかな。



オズワルド畠中。
寒窓かんそうに浮く子どもの絵 帰路のバス
窓に子の落書き 冬の帰路のバス
(添削後)

たぶん「寒窓」を季語相当と見なすことも可能だとは思う。
けれど、これは「寂しさ」の意味合いをふくむ語なので、
この句の場合にはふさわしくありません。

添削が妥当ですね。



篠田麻里子。
ズワイガニ 無音の宴うたげ50分
ずわい蟹食む音のみの50分
(添削後)

中七の「無音の宴」は比喩的な言い方であって、
客観写生とはいえない。そこが弱い。

なお、
基本的に動植物の季語はカタカナで書かない、とのことです。



千原ジュニア。
バス見えてバス停の毛布を畳む


村上が言ったように、
接続助詞の「て」で動詞を2つ繋ぐのは、
時間経過を意味するだけでなく、
経緯や因果の説明になる場合もあるので、
その是非が問題になる。

この句の場合は、
犬山紙子的なモノローグにも見えますね。
≫ 喪服着てメロンソーダの列に居る
≫ 恋を終わらせ平日の海月見る


もうひとつは、
あえて「バス」の語を重ねたことの是非。

同じ語を2度使わなくても、
「バス見えて停留所の毛布を」とも出来るし、
「車両見えバス停の毛布を」のようにも出来ます。
そこをどう評価するか。わたしはやや否定的です。



フルポン村上。
補助席に場札ばふだと蜜柑 バスの旅


ジュニアが言うように、
すでに上五と中七だけで、
状況説明と主役の季語まで出尽くしているので、
下五の「バスの旅」が付け足しの説明に見える。

たとえば、
「小さきバス」「バスは行く」のように、
あくまで描写的に書くべきだと思います。

なので、わたしならボツにします。


基本的に動植物の季語はカタカナで書かない





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最終更新日  2022.12.18 11:06:34
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