カテゴリ:鬼滅の刃と日本の歴史。
NHK「ダーウィンが来た!」を見ました。
龍のナゾを大研究! 辰年にちなんだ特集でしたね。 ◇ 一般に「龍/竜」は、 獅子・麒麟・鳳凰などと同じ架空の生物と見られていて、 今回の番組も、そういう前提で作られてましたが、 わたしは、以前から、 そういう捉え方があまり妥当じゃないと感じている。 … まだ地球上を遠くまで移動できなかった時代に、 ライオンやキリンやクジャクを見たことのなかった人々が、 アフリカや中東や南アジアからの伝聞に頼ったのは仕方ないし、 その伝聞の過程でさまざまな誤解が加わっても無理はない。 たしかに現代の知見に照らせば、 獅子も麒麟も鳳凰も「実在しない」との判断になるけど、 けっして荒唐無稽な空想から生まれたわけじゃなかろうし、 すくなくとも昔の人たちは、その実在性を信じてたはず。 それは龍についても同じだと思う。 古代の中国人が、十二支のなかで、 龍だけを空想上の生き物だと思ってたはずはない。 ◇ おそらく龍のイメージは、恐竜の化石にもとづいている。 実際のところ、 現代のような科学文明が発達してなくても、 恐竜の化石を見つけることは可能だったはず。 崖とかの地層を掘ればいいだけなのだから。 事実、恐竜の化石は、 古代から洋の東西で発見されてたらしいし、 中国では、 あらゆる生物の化石をことごとく「竜骨」とみなして、 現在にいたるまで生薬として利用しています。 ◇ 中国やインドの龍にも、 西洋のドラゴンにも四つの足がありますが、 北米や南米、アフリカやオセアニアでも、 手足があるかどうかは別として、 やはり虹蛇のような巨大生物の実在が信じられていた。 それらに共通するのは、 ・水中に棲息している ・空を飛ぶ …ということ。 こうしたイメージには必然性があると思います。 ◇ 今回の番組では、 青銅器時代の中国に生息していた体長7mのマチカネワニが、 龍の起源だった可能性に言及してましたが、 わたしに言わせれば、 頭に角が生えてたり、体毛が生えてたり、 空を飛んだりする龍のイメージは、 現生の爬虫類を見ただけではけっして生まれてこない。 中国の龍や、西洋のドラゴンのイメージは、 角や体毛や翼の生えた恐竜の化石を発見しなければ、 けっして出てこないものだと思う。 逆にいうと、 恐竜の化石から得られる断片的な情報を蓄積すれば、 角や、鱗や、体毛や、翼の生えた、 巨大な蛇のような水中生物の実在を信じたとしても、 なんら不思議なことではないし、 むしろ翼があれば空を飛ぶと思うのが自然です。 現代人が、 「巨大な蛇が空を飛ぶわけがない!」 などといって笑うのは傲慢であって、 むしろ翼をもって空を飛ぶ巨大な恐竜が、 かつての地球に実在していた事実のほうに驚くべきでしょう。 ◇ おそらく昔の人々は、 地中から発掘される恐竜の化石を、 古生生物ではなく、 現生生物の死骸だと誤解してたはずだし、 ふだんは姿を見せない巨大生物の死骸が、 なぜか地中で発見される事実から、 それらが水中や洞窟や海底に潜んでいると考えたはず。 実際、中国や日本では、 いわゆる「竜宮」が海底にあり、 鍾乳洞などを通じて沼や湖に繋がっていると信じていた。 同時に、魚類のタツノオトシゴを、 龍の子供と信じた可能性も高いだろうし、 それは「角が生えている」とか「水中生物である」という、 龍のイメージを補強するものでもあったと思う。 ◇ なお、今回の番組では、 ボルネオに生息するグールドカグラコウモリの群れが、 空を飛んだときに龍のような形になる事例を紹介してましたが、 中国や日本で「龍は洞穴に住む」と信じられたことから見ても、 鍾乳洞から出てきたコウモリの群れが龍の形になるのは興味深い。 … 日本のフタバスズキリュウの話も出てきましたね。 ドラえもんの「のび太の恐竜」は、 卵からかえったフタバスズキリュウを、 のび太が "ピー助" と名づけて育てる物語でしたが、 じつはフタバスズキリュウは卵生ではなく、 体内で孵化させる胎生だった可能性があるとのこと! … ちなみに、フタバスズキリュウの化石は、 1968年に福島県双葉で高校生の鈴木くんが発見したのですが、 ↓音楽惑星さんは、 http://manzara77.blog.fc2.com/blog-entry-368.html#honda 円谷英二が福島県の出身だったことや、 ゴジラが放射能に汚染された恐竜だったことや、 原発事故によって化石のあった双葉が汚染されたことに、 ある種の因縁を感じてるようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.01.16 16:21:43
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