テーマ:日本の歴史(1069)
カテゴリ:鬼滅の刃と日本の歴史。
磯田道史が、
読売新聞で富雄丸山古墳のことを書いてます。 ▶磯田道史の古今をちこち「もう1人の埋葬者 破格の謎」 ◇ 奈良の富雄丸山古墳の話は、 NHK「古代史ミステリー」第2週にも出てきましたが、 卑弥呼(3世紀)よりも後で、倭の五王(5世紀)よりも前、 すなわち「空白の4世紀」に造られた円墳です。 前方後円墳ではないので、 たぶん大和政権の王墓じゃないはずですが、 それでも直径109mという国内最大級の円墳です。 きっと「丸山」という地名も、 この円墳に由来するのでしょうね。 ◇ この円墳には、 頂と麓に、すくなくとも2つの棺がある。 磯田道史は、 頂の棺の埋葬者は「記紀神話に出てくるレベルの王権の功労者たる豪族」 麓の棺の埋葬者は「盾持ち人のような祭祀の女性」 …だと推察しています。 そして注目すべきなのは、 祭祀の女性を埋葬したらしき麓の棺のほうです。 足元に「9本の竪櫛」があり、 棺を封じる粘土に「蛇行剣」と「盾形銅鏡」が貼りつけてあった。 ◇ 一般に注目されているのは、 巨大な「蛇行剣」と鼉⿓⽂の「盾形銅鏡」のほうですが、 磯田道史が注目してるのは、むしろ「9本の櫛」です。 日本書紀によると、 イザナギは、イザナミのいる黄泉国から逃げ帰るときに、 8人の黄泉醜女に櫛を投げつけたとされてます。 (櫛の歯の一本一本がタケノコに変わったらしい) 磯田道史の推測は、 9本の櫛は「イザナミ+8人の醜女」の分ではないか、 (あるいは、それにちなんでいるのではないか) …ってことですね。 ◇ 一般に、黄泉国の出入口は、 島根の出雲にあったと考えられますが、 その出雲には「8」という数がよく出てきます。 そもそも「八雲立つ出雲」といわれるし、 そこは八百万の神々が集う土地でもある。 怪物の八岐大蛇ヤマタノオロチは、 八人の娘を食べて、八つの頭と尾をもってる。 そして秋田では、 八岐大蛇が八郎太郎になったんじゃないかと思います。 黄泉醜女も、やはり八人なのですね。 ◇ 一方、 棺の外側に貼りつけてあった蛇行剣は、 日本最古かつ最大のものであり、 長さが2.37mという東アジア最大の鉄剣です。 蛇行剣は西日本各地で見つかってますが、 もともと、それらは、 ヤマタノオロチから抜き取った「草薙剣」に由来する、 …との説があります。 蛇の体内から抜き取ったために、 ぐにゃぐにゃに曲がっているのかもしれません。 クサナギという語も、 じつは「草薙」の意味ではなく、 「臭蛇クサナギ」「串蛇・奇蛇クシナギ」の意味ではないか、 との説があります。 この場合の「ナギ」は、 鰻ウナギの「ナギ」と同じ語源で、 すなわち蛇のことだというわけです。 ◇ 草薙剣(≒串蛇剣)は、 スサノオが八岐大蛇の尾から抜き取り、 のちにヤマトタケルの東征のために授けられました。 スサノオも、八岐大蛇と戦う際に、 クシナダヒメの姿を「櫛」に変えて頭に挿しました。 櫛になったから「クシナダヒメ」だという説もある。 ヤマトタケルの妻オトタチバナも、 夫の身代わりとして入水し「櫛」の姿で葬られています。 いずれにせよ、 女性の櫛には、男性を守護する霊力があったのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.04.11 19:37:47
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