カテゴリ:NHK大河ドラマ
NHK大河「光る君へ」第14話。
貧しい女児に文字を教えようとした主人公。 しかし、 その意義は誰からの理解も得られぬまま、 苦い挫折を味わうことになりました…。 ◇ なぜ紫式部は、 不倫男の官能小説「源氏物語」を書いたのか?! もしかして日本人の識字率を上げるためだった?! たしかに、 どんなに「文字を覚えましょう♪」と呼びかけても、 バカな貧乏人にはその意義が伝わりませんよね。 貴族の学問など、 平民が生きるうえでは何の役にも立たない!! …みたいな先入観もあったでしょうし。 ◇ ならば、 エロいポルノ小説を書いて世間にばらまこう! そうすればバカな貧乏人たちも、 必死になって文字を学ぼうとするにちがいない! …みたいな発想があったのかしら? たしかに、その意味でなら、 ポルノ小説にも社会的な効用はありますよね。 いわば文字を学ばせるための「釣り」として。 ◇ まあ、 当時は著作権もないし、印税収入もないので、 小説家などという職業もまだ存在しませんし、 かといって、 紫式部もただの余興で書いてたわけじゃなく、 平民のためのボランティアで書いてたわけでもない。 通説によれば、当時の文学作品は、 お妃候補のサロンを盛り立てるための呼び物だったらしい。 他の妃よりも、天皇が娘のもとを訪れてくれるよう、そのサロンを楽しく盛り立てる。彰子サロンを盤石にするため、『源氏物語』の作成から製本までがプロジェクトとして組まれたわけです。そのサロンを挙げての物語作りとPRのパトロンが、彰子とその父・道長であり、実質的な最高責任者が紫式部でした。 ◇ でも、このドラマのなかでは、 藤原道長も、紫式部も、清少納言も、 もっと高い「志」をもってそうな感じがしますよね。 もしかしたら、 道長や倫子さんらがパトロンになって、 日本人の教養と識字率を高めるための社会事業として、 紫式部に王朝文学の制作を委託した…みたいな話かも。 ◇ 実際のところ、紫式部に、 平民の識字率を上げようとの構想があったかは不明だし、 そもそも書写された「源氏物語」が、 ひろく平民にまで読まれたとの記録も存在しないはず。 でも、 もしかしたら平民だって読んでたかもしれない?! すくなくとも貴族の男女の教養を高めるうえで、 紫式部の官能小説には社会的な効用もありましたよね。 やっぱり学問って、楽しくなけりゃ広まらない。 そういう発想は現代の教育行政にも必要だと思います。
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最終更新日
2024.06.17 19:18:07
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