カテゴリ:プレバト俳句を添削ごと査定?!
十度目のタクシーアプリ梅雨の雷 夏の雨電車が遅延したことに 眠り明け車窓に浮かぶ梅雨雷か 飛び起きて走るカバンに日傘かな 汗みずく脳裏を過ぎる校門の鬼 埼京線運転再開扇子閉づ 蒸し暑し今を出掛けの尋ね人
7月4日のプレバト俳句。 お題は「遅刻して走ってるシーン」。 ◇ かたせ梨乃。 十度目のタクシーアプリ 梅雨の雷 タクシーはつかまらないし、 雨だけじゃなく雷まで鳴り出した状況。 きっと昭和の俳句なら、 十度目のタクシー通過 梅雨の雷 …だったでしょうけどね。 ◇ 関水渚。 夏の雨 電車が遅延したことに 面白い趣向の句。 実景と内心の取り合わせですが、 通勤途中で考えを巡らせる作者の表情が見える。 ◇ 竹財輝之助。 汗みずく 脳裏を過よぎる校門の鬼 校門の鬼へ向かって走る汗(添削後) これも実景と内心の取り合わせだけど、 中七が不要な説明になってますね。 ◇ 美山加恋。 眠り明け 車窓に浮かぶ梅雨雷つゆらいか オーデションへ向かう車窓の梅雨の雷(添削後) 作者の話によれば、 寝坊して電車に飛び乗り、 怒ったマネージャーの顔を思い浮かべた…とのこと。 つまり、 車内ではなく自宅で眠っていたのであり、 季語は実景ではなく怒ったマネージャーの比喩です。 添削は改作にならざるをえないけど、 オーデションへ急ぐ車窓にはたた神 とすれば、もうすこし作者の意図に寄ると思う。 なお、 「梅雨の雷」は「つゆのらい」と読むけど、 「梅雨雷」は「つゆかみなり」と読むべきです。 … 加恋ちゃんは初出演だったのね! 過去に出演済みかと誤解してました。 余談だけど、 このブログの最初のドラマレビューは、 20年前の「僕カノ」ですw 朝ドラ「純きら」の子役も加恋ちゃんだった! ◇ おいでやす小田。 飛び起きて走るカバンに日傘かな 駅へ走る カバンに日傘入れたまま(添削後) 梅沢が言うように、 中七の「走る」が連体形なら、 走る主体はカバンってことになります。 逆に、終止形なら、 句またがりを「かな」で締めることになる。 どっちにしてもダメですね。 そして、作者の話を聞いても、 季語「日傘」の役割がいまいち分からなかった。 鞄に日傘が入ってたら不都合なのかしら? それとも雨傘と日傘を入れ違えたってこと? ◇ 千原ジュニア。 埼京線運転再開 扇子閉づ 停止した車内の暑苦しさが想像できます。 ちなみに、 漢語は撥音や長音(二重母音)が多いので、 中八になってもリズム上の違和感は少ない。 ◇ 梅沢富美男。 蒸し暑し 今を出掛けの尋ね人 外出の矢先の客や 蒸暑し(添削後) 作者の話によれば、 出掛けの途中で道を尋ねられた場面らしい。 しかし、字面からは、 探し続けた行方不明者が現れた瞬間かと誤読される。 先生の添削は改作なので、 炎天を急げば道を尋ねられ としてみました。 ◇ 清水アナ。 夏期講座 遅れて一番前の席 二句一章にすると、 上五の季語は状況説明に見えてしまう。 ためしに、 寝坊して最前列の夏期講座 としてみました。
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最終更新日
2024.07.08 06:50:09
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