カテゴリ:鬼滅の刃と日本の歴史。
NHKの「歴史探偵」を見ました。
先日も、 江ノ島の五頭竜のことを書きましたが、 またまた龍の話です。 今年は辰年だし…(^^; 1.ダイナソーと恐龍 英語の「ダイナソー/dinosaur」は、 ギリシャ語の「恐ろしい/deinos」+「トカゲ/sauros」の合成語。 にもかかわらず、 古生物学者の横山又次郎は、 これを「恐蜥/恐蜴(恐ろしい蜥蜴)」とは直訳せず、 あえて「恐龍(恐ろしい竜)」という訳語にした。 イギリスの有名な解剖学者であり、古生物学者でもあるリチャード・オーウェンは、1842年に新しい生物のグループ「DINOSAURIA」を作りました。これは、ギリシャ語の「deinos sauros」に由来し、「恐ろしいほどに大きい」という意味の「deinos」と、「トカゲ」を意味する「sauros」を合わせて作られた言葉です。 わたしは、つねづね、 「竜」の字よりも、 「恐」の字のほうに違和感があったのよね。 人間側の感情を生物の名称に押しつけるのは、 科学的な客観性に欠けると思ったから。 しかし、 じつは「竜」のほうが意訳で、 むしろ「恐」は英語の直訳だったってこと。 逆に考えると、 なぜ英語では、恐竜のことを、 「ドラゴン」でなく「サウルス」と呼んだのかしら? そっちのほうが不思議です。 コモドオオトカゲのことは「コモドドラゴン」と呼んでるくせに! どう見ても、 恐竜はトカゲじゃなくてドラゴンでしょ! 種類によっては羽まで生えてるんだから! ◇ そもそも竜やドラゴンは、 恐竜の化石から空想された可能性があるのだし、 その意味でも、 恐竜を「ドラゴン」と見なすのは奇異なことじゃない。 だから、わたしは、 お正月の「ダーウィンが来た」の特集のときも、 竜は架空の生き物じゃない!!…と書きました。 https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202401160000/ 2.竜の実在性 先日のNHKの「2時間でまわる江の島」によると、 江の島の中津宮や、日光東照宮の装飾においては、 象の彫刻でさえ空想で作られたそうです。 なぜなら、象を実際に見た人がいなかったから。 なので、想像上の象は、 実際の象とは食い違いがある。 しかし、 想像で表現されたからといって、 それを「架空の生き物」というべきではない。 象はあくまで実在の生き物です。 それと同じことは獅子や麒麟にもいえる。 その実物を見ることが出来なかった時代には、 想像で表現するしかなかったでしょうが、 ライオンやキリンは実在してるのだから、 獅子や麒麟を「架空の生き物」というべきじゃない。 同じことは竜にもいえます。 実際に見た人がいないとしても、 かつての地球には恐竜が実在してました。 ◇ 今回の番組によれば、 滋賀県大津市で江戸時代に発見された「竜骨」は、 50~60万年前の象(トウヨウゾウ)の化石だったそうです。 日本にも象がいたんですね!知らなかった! 10才くらいの子象の化石だったらしいけど、 それでも日本の現生動物よりは大きいし、 当時は象牙すら見たことがなかっただろうから、 それを「竜骨」と勘違いしても無理はない。 ちなみに、 化石を発見した家は「龍りょう」の姓を賜り、 竜骨だと信じた化石を削って、生薬に利用してたそうです。 竜も見たことがないし、 象も見たことがないのだから仕方ありませんね。 化石を煎じて飲めば、 すくなくともカルシウムは摂取できる。 中国でさえ、 あらゆる動物の化石を「竜骨」と見なして、 それを煎じて飲んでいたとの話はあります。 3.放射能汚染された恐竜 ところで、 ダイナソーを「恐龍」と訳した横山又次郎は、 長崎出身の古生物学者だったのだけど、 その生家は諏訪町の諏訪神社の近くで、 そこは長崎くんちの「龍踊じゃおどり」が有名なのですね。 信濃の諏訪神社と同じく蛇を祀ってるからでしょうが、 それは江戸元禄期にはじまったようです。 さらに! くしくも近年は、 長崎で恐竜の化石の発見が相次いでるのね。 ティラノサウルス科の大型恐竜の歯も出たとか。 さっそく恐竜博物館まで出来てるw 福島のフタバスズキリュウやフタバサウルスも、 原発事故の放射能で汚染されただろうけど、 長崎のハドロサウルスやティラノサウルスも、 原爆の放射能で汚染されたのかもしれません。 ◇ ゴジラも、放射能で汚染された恐竜でした。 その元ネタは、 米映画の「原子怪獣現わる」とか、 山川惣治の「少年ケニヤ」だと思ってましたが、 原作者の香山滋は、 子供のころから恐竜図鑑を読んでたそうです。 東京府立第四中学時代に横山又次郎『前世界史』を読んだことをきっかけに、恐竜をはじめとした古生物に魅せられ、独学で地質学や古生物学を学ぶ。多くの空想小説、秘境探険小説で珍獣、怪獣を登場させていた。 小説家になるくらいだから、 コナン・ドイルの「ロストワールド」なんかも読んでたのかな。 4.龍神になった蛇神 NHKのゲスト解説者の畑中章宏によると、 ・紀元前の中国では、龍が国土や王権の守護神だった。 ・日本では、もともと蛇が水神だった。 ・弥生時代から蛇神が龍神へと置き換わった。 ・9世紀には日本各地に龍の霊場があった。 …とのこと。 わたしが思うに、 仏教の影響は大きいでしょうね。 とくに最澄や空海の山岳密教を中心に、 9世紀の神仏習合が進んでいく過程で、 土着の蛇神が龍神に見立てられ、 退治されたり教化されたりしながら、 仏教に取り込まれていったんだろうと思う。 龍を祀る場所が増えたのはそのせいでしょう。 ◇ 雨を降らせて3つに裂かれた龍の伝説も紹介された。 https://ja.wikipedia.org/wiki/雨を降らせて殺された竜 3つに裂かれた龍角&龍腹&龍尾が、 それぞれ天から落ちてきて、 そこに3つのお寺が建てられた。 龍角寺に伝わる「竜骨」は、 作り物なのかしら?獣の骨なのかしら? 恐竜にしては、ちょっと小さい気がします。 龍は、いつもあたたかく迎え入れてくれる村人達への恩返しとして、降雨のために自分の身を捧げることを決意。大龍王が降雨を止めているため、雨を降らせることになれば大龍王の怒りを被り、自分の体は三つに裂かれて地上に落とされるだろう、と村人に伝えて姿を消しました。すると天に昇っていく龍の姿が見え、その姿が雲のなかに見えなくなると、雷鳴と共に稲妻の光の中で龍の体が三つに裂かれ、そしてまもなく雨が降り出しました。 千葉県栄市にはマスコットキャラクターの龍夢ドラムくん。
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最終更新日
2024.07.18 13:33:00
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