カテゴリ:NHK大河ドラマ
NHK「光る君へ」の第27話では、
お上(塩野瑛久)が、 母の詮子(吉田羊)へ怒りをぶつけました。 > 朕も母上の操り人形でした! > 父上から愛でられなかった母上の慰みもので御座いました! お上が、 こういう思いを露わにしたのは初めてなので、 けっこう驚きです。 ネットでは、 詮子への同情と、お上への同情が交錯してる。 これって、とても現代的な問題だなと思う。 息子を思いのままにコントロールしようとした結果、 本人の主体性を奪い続けるって話。 母親は、 息子をペットのように可愛がることで、 夫に愛されない性的なフラストレーションを解消してる。 その意味では、 娘を性的に支配しようとする父親と同じ動機をもってる。 父親は娘を肉体的に支配しようとするかもしれませんが、 母親は息子を精神的に支配しようとするのでしょう。 ◇ おそらく母親は、 それを「愛情」だと言い張るでしょうが、 いわば相手の気持ちを考えないストーカーの心理と同じ。 息子から見れば、たんなる迷惑でしかない。 とはいえ、母親である以上、 息子としては、それを無下にも出来ないから、 ずるずると足を引っ張られ、 大人になってもなお縛られつづけることになる。 ◇ 一方の母親は、 自分の罪にまったく無自覚なのよね。 愛情さえあれば、 すべての行為が免罪されて正当化されると思ってる。 そういうところもストーカーの心理に似てます。 あるいは、 自分も親から同じことをされてきたから、 自分も子に対して同じことをする権利と資格がある、 と考えるのでしょう。 その結果、 最後には、息子から激しく憎悪される。 母親は、 それを死ぬ間際になって突きつけられて狼狽し、 最愛の息子に憎まれながら死ぬ。 ◇ 一般に、 「親の心子知らず」とは言うけれど、 それはあくまで親の側の言い分であって、 実際には親もまた子の心を理解していない。 母親は、 息子の態度を「甘え」というでしょうが、 じつは母親自身も息子に依存して甘えている。 息子を思いのままにコントロールすることが、 唯一の生き甲斐になってしまう。 とくに現代では、 核家族化と少子化が進んで、 一人の息子や一人の娘に依存する親が多いから、 これは、けっして過去の話じゃありません。 皇子みこさまのご誕生、まことにおめでとう御座います。 ◇ 詮子は、 嫁である中宮・定子に冷淡な態度を取りつづけ、 さらには、 詐病を使って呪詛を自作自演し、中関白家を排除した。 本人はよかれと思ってやったことだろうけど、 それが結果的には、 息子の人生を破壊してしまったと言っていい。 しかし、母親はその罪にまったく無自覚なのです。 愛情さえあれば、 自分の行為は免罪されて正当化されると思ってる。 あるいは、 自分も親から同じことをされてきたから、 自分も子に対して同じことをしようと考える。 そして、最愛の息子に憎まれながら死ぬ。 ◇ ◇ ◇ そもそも詮子は、 定子の産んだ皇子を東宮にする気があるのでしょうか? いくら気に入らない嫁の子だとはいえ、 さすがに自分の孫を呪詛したりはしないだろうけど、 でもねえ。 甥っ子を追放するくらいだから、 なかなか予測できない面もある。 なお、 道長の娘である彰子を入内させて中宮にし、 「一帝二后」にするという策略は、 ドラマでは安倍晴明の発案ってことになってますが、 史実では詮子の関与もあったっぽい。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.17 12:19:24
[NHK大河ドラマ] カテゴリの最新記事
|
|