カテゴリ:鬼滅の刃と日本の歴史。
松岡正剛が亡くなったとのこと。
坂本龍一が死ぬ前もそうだったのだけど、 たまたま最近、 松岡正剛のことをよく考えてたのよね。 空海のことを調べてるときに、 彼の文章をよく目にしたせいもある。 高野山でも、日蓮系の団体でも、 なにやら顧問っぽいことしてたみたいだし。 ブラタモリや岸辺露伴の関連で何か調べるときも、 しばしば松岡の「千夜千冊」は参照してました。 ◇ 今年の正月のNHKのラジオで、 ヤマザキマリと喋ったのが最後でしょうか? あのときも病み上がりと言ってましたが、 Ado のことをずいぶん褒めてましたね。 もともと日本のポップスにかんしては、 松本隆より桑田佳祐の歌詞を評価してたけど、 その点については、わたしも同意できた。 ◇ …とはいえ、わたしは、 べつに好きなわけでも詳しいわけでもなく、 たしかに「千夜千冊」は、 便利なので、ときどき参照してましたが、 松岡の言う「日本という方法」みたいな発想は、 むしろ胡散臭いとさえ思っていた。 ◇ たとえば、 空海にはじまると思しき「神仏習合」は、 べつに日本に独自のものじゃなく、 世界中に似たようなものは存在するわけで、 そもそもインドの密教自体が、 ヒンズー教との習合から生まれてるんだろうし、 中国密教にも道教的な要素が混じってると思う。 ヨーロッパの場合も、 ギリシャやローマの神々が、 キリスト教の聖者信仰と習合してるところはある。 ◇ それらは、 融通無碍な原始性というべきもので、 あえて「方法」というほどのものじゃないし、 まして日本の独自性と誇るべきものでもない。 それを取り立てて、 「日本という方法」と言いかねないところに、 眉唾じみたものを感じてたわけですが、 寺山修司が、 「松岡なんぞを信用するな」と言ってたのも、 そういうところじゃないかしら? ◇ でも、まあ、 松岡がつくった「千夜千冊」は、 手っ取りばやく要点をつかむには便利なコンテンツだし、 日本人の信仰にかんしても、 一神教の亜流みたいな国家神道より、 融通無碍な神仏習合のほうがまだマシとはいえる。 ただ、 オウム真理教にかぎった話ではなく、 浄土真宗や禅宗の戦争協力も暴露されてるように、 仏教を信頼しすぎることの危険性もあります。 神道であれ、仏教であれ、 ユダヤ・キリスト・イスラム教であれ、 主要な宗教のほとんどは暴力に関与してるのだから、 宗教の力で「殺生」をなくせるというのは、ほぼ幻想です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.22 18:25:15
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