どこに向って
バーカウンターで作詞家の阿木曜子さんと話をしているとどうしても彼女の谷間が見える服のせいか、Eカップの胸にぼくの視線は時々泳いでしまっていた。「さわってもいいわよ」会話の途中で彼女はそれに気がついたのか微笑みながら言った。「・・・・・ ・・・忘れられなくなるから遠慮しとくよ」ぼくがかろうじて返事すると彼女はけらけらと笑った。そのうちに夫の宇崎竜童さんがグループでやってきたのでそちらの席に退散した。話しをしていて宇崎さんの言葉に共感するフレーズがあった。「いい曲ができるとね、こうね、幸福感に満たされて、この幸福感をどこに向って発散したらいいのか、どこに向って感謝すればいいのかって思うんだよ、60歳を過ぎるとそんなことを考えるんだね」彼はその解決方法として無料でライブハウス演奏をしたり、路上で仲間たちと共に演奏をしたりしているという。ぼくの場合、抱きたくなったらその気持ちは好きな女性に向うでは幸福感で満たされた感謝の心はどこに向えばいいのか?宇崎さんのように仲間や市民に向う道もある