ロンドンでの体験 その2 プログレバンド その7
スタジオの中に入ると、そこにはキース、ドラムのデイブそしてキーボードのスティーブがそれぞれの楽器の前で談笑していた。私は、バンドのメンバーに挨拶をした後に持ってきたギターのケースを開き音出しの準備を始めた。部屋の中には、もう一人金髪の若い女性がいたのだが私は初対面なので挨拶は控えていたのだが、彼女は準備をしている私の所に来て「Hi!Nice to meet you. I'm Tracy」(ハーイ、初めまして、トレーシーです。)と挨拶をしてきた。私は、彼女が何者かわからないまま挨拶を交わし再びギター準備を始めた。私の準備ができると、キースが他のメンバーに合図をしてSeeing Stars Part2のイントロが始まった。私は、一年前にバンドで合わせた時とは違い、曲を熟知していたので演奏をしていて非常に楽しかった。演奏が終わるとキースは他のメンバーに「How was it?」(どうだった?)と演奏の感想を聞くとデイブは「Yah!It's OK,I guess」(ああ、いいんじゃない?と思うよ。)スティーブは「It bites!」(若者言葉では最悪だという意味でよく使われるのだが、彼のこの時の意味はお互いの楽器がかみ合うという意味で使われたのだと思う)するとキースは「OK,it's done then!」(オーケーこれで決まったな!)と言うと先程私に挨拶してきた女性に向かって「OK、Trace!This is it! Would you like to join us?」(オーケー、トレース!(トレーシーの愛称)これがバンドだ。参加する?)と聞くとトレーシーは「ええ、もちろん!」と返事をした。この瞬間私は、これが実質私の最終オーディションだった事、そして今私がQUASARのギタリストとして正式に受け入れられたことに初めて気が付いた。