オークション
このところ、この間E-BAYのオークションで勝ち取った音楽ソフトを使おうとしているのだが,これが意外に難しくて使用するのに困っている。ことの始まりはと言えば、今から3週間程に遡る。私のMacに外部から音を録音する為、オーディオ・インターフェイスという音をデジタル信号に変換する機器を探していた所、E-BAYで安く買えそうなので早速登録して、目当ての機器を狙ってみた。最初はずいぶん安くで出ているのだが、これがオークションの終盤になって値段がグーンと高くなる事を経験した。最初はこの機器がすぐにも手に入るものと思い、ほくほくしていたのだが、最終の1分前になって何者かが金額を入れたので、慌ててさらに金額を入れようとしたのだが時既に遅し・・・時間切れであえなく敗退となった。友人のスタジオ・エンジニアーをしているティムに相談をした所、私の狙っていた機器はメーカーが倒産してマックに買い取られ、もうサポートされていないので高い値段をだして買っても損なだけだとの助言を受ける。それと同時に私の昔から欲しかったプログラムがかなり安くで売りに出されているという事も教えてくれた。それからというものE-BAYに齧りつくようになった私は、ねこまるから文句が出てもひたすら目当てのプログラムが売りに出されているかチェックしていた。私が目をつけていたものは、私の家から1時間程車で南に行ったブライトン在住の人が売っていたもので、場所も近いのとクリスマスが近いので郵便物が無くなる恐れがあるのとで、彼の家に車で直接取りに行けるのが好条件だった。このオークションが終わるのが、ある月曜の朝10時49分08秒。日曜日の段階でオークションの行方を追ってみると、まだそれ程値段が上がっていなかったのだが、前回に油断をして逃がしてしまった事もあり、大蔵省のねこまるに大体いくら位までかけていいか相談して上限の値段を決めるとその日は早めに床についた。翌月曜日に会社に行き、仕事の合間にオークションの状態を見てみると値段がかなり上がっていたが、まだ手の届かない状態ではなかった。オークション終了の7分前になった頃、会社のコンピューター室にそっと行き、IT担当のマブスに簡潔に訳を話してコンピューターを借りたいというと「OK!, It’s all yours!」と快く席を譲ってくれた。(自分の席で入札していると丸見えになるので、誰からも見えないところはここしかなかったのだ)時間は終了5分前。素早くログインを済ませて、値段を入れてエンターし、1分程すると他からの入力でアウトビッドされた。残り時間は1分を切っていたので、気持ちを鎮めながら値段を入れ、エンターする。この時、入力する私の手が震えていたのをはっきりと感じた。2~3回程エンターしただろうか、気がつくとオークションは終わっていて品物は私が勝ち取っていた。(喜)暫くマブスと話しながら、この妙な神経の高ぶりが静まるのを待って自席に戻ったのだが、戻ってからも暫く落ち着く事ができなかった。今思うと、この時の感覚は余り気色の良いものではなく、どちらかと言うと(余り経験はないのだが)昔1~2回程賭け事をしたときの不安な気持ちの高ぶりに似ているような気がした。そしていよいよ、翌日仕事が終わって一度帰ってから車に乗って品物を取りに行ったのだが、行った先でプログラムのディスクが1枚無くなっていたりしたことをその時に知らされたりして、少し気分を害した。一応ティムにチェックをしてもらおうとクリスマス前に何回か携帯に電話を入れてみたのだが、留守電になっていてつながらない。クリスマスも近いので、彼がどこか遠方に行っているような気がしていたのだが、ある日私の携帯に彼からメッセージが入り「今ポーランドの山に夫婦で登っているので電波が届きにくい、ロンドンには1月4日に戻る」といっう案の定の内容だった。今、私は彼が帰ってくるまでに何とかプログラムを解読しようと思うのだが、未だにプログラムの全容が掴めないでいる。私にとって初めてのオークションの経験だが、オークションで高い買い物をするのは多分これが最初で最後だと思う。今回はティムがいるので何とかスタジオから他のプログラムを手に入れて私のプログラムを使えるようにしてくれるだろうが、彼がいなかったら多分自分1人ではこのプログラムを動かすのは無理なように思われる。オークションの過程も品物についても、ちょっと授業料としては高くついが気がするが、勉強になったオークションであった。