まーちゃんのプレゼント
幼稚園からの帰り道、「ひよこちゃん死んじゃったんだよ」悲しそうにポツリとまーちゃんがつぶやいた。チャボの小屋でかすかに聞こえる鳴き声を頼りに、先生が産まれてきそうなひよこをみつけた日…。そのひよこが今にも死にそうだったこと。先生たちが黄身をゆでてそれを水に溶いてひよこに食べさせたこと。を一生懸命話してくれた。「ひよこが心配だから」と翌日は早く園に向かった。「人間のにおいがつくと親鳥に育ててもらえなくなる」ってことを聞いたまーちゃんたちは、どんなにひよこをさわりたくても、じっと見守っていたことを先生から聞いた。そんな、ひよこが死んでしまった。幼稚園の森にお墓を作って埋めた子供たち。まーちゃんは、「副園長先生に摘んでもいいお花を聞いて、お墓にあげたんだよ」と言っていた。帰ってから、何やらせっせと作り始めたまーちゃん。小さな箱にひよこと草花。まだ字がちゃんと書けないからと頼まれたお手紙は…「いっしょにあそべなくてざんねんだったね。おはかをまいにちみにいくよ」まーちゃんの中に育っている優しい気持ち。そして悲しいと感じる気持ち。何よりも育ってほしい心。