三日坊子のフランス日記

私の大好きな作家、江国香織のある本の中にこんな言葉があった。
「ボーイフレンドって居れば楽しいし、居なくなればすがすがしい。」
初めて読んだとき、なんて的を得た言葉なんだと思った。
といいつつ、自分が振られる時はすっきりお別れできず、未練タラタラって状態もあったけれど、それは置いといて。

最近これは必ずしもボーイフレンドに限ったことじゃないなと思うようになった。
ついに私もあと1ヶ月ほどで、4年以上もお付き合いした会社から振られてしまうことになった。
失恋するかどうかの瀬戸際までは心配しすぎて落ち込んだり、自分を卑下したり、ヤケになったりと家族〔特に坊夫〕にとっては迷惑な存在だったけれども、失恋がほぼ確定した今は、妙にすっきり、すがすがしい。
いや、ただ単に強がっているだけだろう。
今後難航するであろう職探しの不安に加えて、逼迫するであろう家計の不安は増すばかりだし。
でも4年間私なりに愛してきた会社の姿はいつの間にかすっかり変わってしまっていて、もう残り僅かな逢瀬だというのに義務感だけで毎朝出かけている。
私の限られた人生の時間を切り売りして働いているんだから、一番一緒に居たい人達と会わないで働いて居るんだから、やっぱり愛しい仕事と会社にその時間を費やしたい。
この失恋は自分の将来にとってきっといいことなんだと思うしかない。