さて、昨日に続いて、ルクのお話。
きょうのお昼ごはんは、ル・クルーゼで作ったミートソース。
レシピは、辰巳芳子先生の「旬を味わう」から。
この本、とにかく大好きです。
ル・クルーゼのお鍋は、辰巳先生がよく書いてる「蒸らし炒め」するのに、大変よろしい。
蒸らし炒め っていうのは、厚手の鍋を弱火にかけて、ふたをしながら炒める。
野菜の水分で、素材を7分通り柔らかくすることです。
ルクのこの重いふたと重い鍋が、蒸らし炒めを成功させますね。
タマネギとにんじんのみじん切りをルクで蒸らし炒めをしっかりしておく。
ひき肉を別のフライパンで焼き付けて、赤ワインで鍋肌についたそのうまみをこそげとっておく。
こうやって、作ると納得の行くパスタソースができました。
パスタは、イタリアのガロファ。
今、このパスタ、気に入ってます。
ちょっとお高いけど、表面がザラザラしてて、ソースとのからみが非常によろしい。
辰巳先生のこの「サルサ・ボロニェーゼ」の解説に、こうあります。
サルサ・ボロニェーゼは北イタリアの有名な畜産地ボローニャでおのずから生まれたソースです。
「おのずから」とはすべての民族料理で認められます。それは風土と人間が一体化した分出力そのもので、感動を覚えずにはいられません。
30余年前、これを作り、師匠のアントニオ・カルーソー氏に評価してもらったときのことです。
「うん、よくできているが、何かたりない。肉はどの部位を使った?」
「ももの上等肉です」
「それでわかった。よいところを使いすぎた。そもそもソースというものは、権力者が上等のところを使った残りを、民衆が自分たちも豊かに、と工夫して仕上がっていったもの。わかったか?」
5分に及ばないナポリ人の批評は、私の食文化への開眼のきっかけになりました。繰り返しますが、土地柄とそこに行き続けた人々の甲斐性からあふれ出した食の方法。
このような食べ物に頼り、人は生きやすく生きるのです。
これを読んで、思い出しました。
ドミニカ共和国で、職業訓練学校に、お菓子を習いに行ってたときのこと。
たまに、ミンチ肉を使ったスナックを習います。
ミンチ肉を使った「キペ」は、ルーツをアラブ料理に持ちます。ひき肉と、戻して挽いた大麦を混ぜた、コロッケみたいなものでした。
「キペ」の材料は、みんなで持ち寄って作るのですが、
一番高い材料のミンチ肉の担当は、いつも、
「mamunia、アンタ、ミンチ肉2kgね」 と。
なんでワタシなんだ????
一番ドンと大きいおばちゃんのマリアいわく、
「mamunia、アンタ日本人だから、お金持ちだもん。
みんな、ビンボーだから、買ったら脂の多い、安い肉しか買わないのよね。
だから、アンタの担当。
脂の少ない、いいミンチ買ってきてね。」
まぁ、高いミンチ肉って言ったって、そこは牛肉は安いドミニカ。
1000円もあれば、数キロのミンチ肉を買えたのでした。
ミンチ肉は、固い部分、脂の多い部分が多いのよね。
庶民の味方。
固い肉をおいしく食べる方法。庶民の味方なんだっけ・・・・・・
と、ドミニカの友人たちを懐かしく思い出したのでした。
みんな、がんばってるかなぁ、あの国で。
ホント、日本って、ぜいたくないい国だと、いつも思います・・・・・・・・・・・・・