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カテゴリ:ちょっと医学なお話
関節の脱臼でもう一つ想い出すのは、顎がはずれたのを入れた事である。
あれは大阪の国立療養所で勤務していた30歳頃の事だった。 僕は常勤扱いだったけど、その病院にはレジデントの先生も居て彼らは病院業務に励む傍ら、生活の為に外の病院にパートに出ていた。その1人に頼まれて奈良の救急病院で当直をしていたときの事だった。 そこは一応救急病院だったので、他の専門医に回さず出来るだけ自分のところで見るのが院長の方針だった。(外科系の疾患が多くて参った・・) 顎関節の脱臼と言うのは、大抵の場合下顎骨が前方へ脱臼するわけなので、理屈で考えて顎を下へ押し下げて後ろへ押せば入るのでは??と思ったけど、そうはぎっちょん全然入らなかった。 漫画「博多っ子純情」で、階段から飛び降りて顎を治すおじさんの話を読んだ記憶があったので、それもやらせて見たけどダメ。結局どこからか大きな医学書を引っ張り出してきた。 そうか、てこの原理を利用して一旦前下方に引っ張ってから戻してやるのねと理解して何とか上手く出来た。これも嬉しかったな。 断っておくが、肩関節や股関節などの大きな関節は、癖になっているような場合を除けば、整復には大変な力と経験、それに人手が要る。麻酔薬だって必要だ。 僕らが簡単にできるのは、顎とか肘内障ぐらいのものだ。 以後、顎のはずれた患者さんを扱うような機会は無かったけど、それから約10年後にまた顎のはずれた人を整復する機会があった。 その患者は・・配偶者だった(続く??) ところで、顎の直し方はネットでお勉強してください。ヒポクラテス法よりも、森法の方が初めの人にも解りやすいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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