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カテゴリ:日々の診療の狭間で
今日はまたうって変わって寒そうで雪がちらほら。
北日本の方はあまり大雪にならにゃあ良いけど。 インフルエンザはちょっと下火のような気はするがまだまだ多い。 嘔吐下痢がまた勢いを増してきたなあ。 ところで、お薬には色々な剤型があって、飲み薬では錠剤、散剤、カプセルに分ける事が出来る。 口腔内崩壊錠もある。 しかし、覚えておいて欲しいのは全ての薬に全ての剤型があるわけではないと言うこと。 Aと言う薬は錠剤と散薬、Bと言う薬は散剤しか無かったりするわけだ。 患者さん達の中には、ある種の剤型は服用できないと言う人たちが結構居る。 今日来た小学校の1年生の子は、錠剤が良いと言うので錠剤をだしたが、錠剤と言うのは細かい量の調節が出来ない。せいぜい半分に割るぐらいである。 大人は結構無頓着に飲んでいるけど、子供は体重で服用量を微妙に調節することが多い。 だから全部錠剤では出せなくて、残りをシロップにして出したら夕方に電話があって。水薬が飲めないので粉に変更してくださいとの事。 まあ、変えてあげたけど。子供の時にもシロップ飲んでいたのでは?と思う。 と、言うか出すときに言ってくれれば良いのに。薬局で貰ったとたんにわかるじゃん。家に帰ってからじゃなくても。 と、言うことは親は飲めると思って持って帰ったら子供が飲めなかったと言うわけやね。 もう一人。 中学1年の男の子。 風邪のひき始めみたいな感じやね。 漢方薬の風邪薬を投与した。 夕方お母さんから電話。 粉が飲めないと言うので新しいのと変えて頂きますか? どうして飲めないの?と聞けば、苦いと言うので・・と。 ちょっと待て、苦いと言うことは一度封を切って開けて飲んだんでしょう? そしたら、新しいのを出すのは出来るけど変更は効かないですよと説明。 (本当は、封を切って無くても一度出した薬を引き上げる事は出来ない) そしたら「いや、まだ飲んでないのです」と。 だって、苦いって言ったじゃん! 「いや、苦そうな感じだし・・」 「とにかく飲め!」って言っといてと母親を説得。 結局、やっぱり飲めませんという訳でメニューを変更した。 しかしさあ、飲めませんってどういう事よ。 別に喉が先天的に狭いとかじゃないはず。 そもそも、錠剤が飲み込みにくいのは分かるけど、粉やシロップは水で流し込めばいいでしょう。 そっちの方が飲みやすいかどうかは別として、飲むのが可能かどうか考えると飲めるはず。 そもそも、子供の時には粉とシロップしか飲んでないやろう。 大きくなってから飲めなくなったと言うのはわがままとちゃうの? 鶏肉が嫌いだから食べられないと言うのと同じね。 市の休日診療所では、問診票にどんな薬が飲めますか?と言う項目がある。 当院の問診票にはそういう面倒な項目は置いてない。 だって、どんなのが飲めますか?と聞けば、みんな自分が飲みたい剤型を書いてくるのであって、 決して飲む事が出来る(可能な)剤型を書いてこないと思うからだ。 うちの子供達は、好き嫌いさえあれど、そういうわがままを言えばはり倒されるのが分かっているので出した薬を大人しく飲んでいる。 それが普通でしょ。 まあ、同じ薬で色んな剤型がある薬なら、好みの剤型を出してあげようと思うけど、そうじゃない薬剤もたくさんあるでしょう。そしたら、薬の種類そのものを変えなかったらあかん。 本当はAと言う薬が使いたいのに、この薬には患者さんが飲める(飲むつもりになれる)剤型が無いので仕方なくAとは成分の異なるBと言う薬に変更。 これって患者さんにとっては不利益になるんじゃないの? みんなそれが分かってるのかしら? 例えば、タミフルのドライシロップを出して、粉が飲めないので・・と言う親は居ないのね。 他に変わる薬が無いから。 余程物理学的な原因がないかぎり(手術による瘢痕狭窄とか)普通に飲めるはずなのだ。 だから皆さんもちょっとは練習してね。 剤型を変えて欲しいと言う患者さんが来る。熱も高くてフラフラすると。 ○○は飲めませんと言うとそれだけで治療選択肢を少なくするじゃん、 それは良くないのでは? まあ、飲まないと話にならないのでどうにか考えて変えてあげるんだけどね。 だから、飲めない薬は最初に言ってね。 今日の結論。 良薬は口に苦し。 剤型の変更は、ひょっとしたらファーストチョイスではなく、セカンドチョイスになってる可能性があるから、頑張って飲もうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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