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カテゴリ:日々の診療の狭間で
人間の体調という物は天気の影響を受けると言うのは誰もが周知の事実だが、医者になってからは殊更にそれを実感する事が多い。
喘息を初めとする呼吸器疾患、目眩、偏頭痛、肩こりなどは低気圧が通り過ぎる時、雨の降る前などに増悪する事が多い。 一方、心臓脳血管障害は寒くなったとき、そして早朝に多い。 早朝と言うのは、丁度自律神経支配が寝ている時の副交感神経から起きてる時の交感神経に切り替わる時で、交感神経と言うのは戦う為の神経(猫が毛を逆立てる時のあの感覚です)だから、脈拍は早くなり血圧も上昇する。 それが過剰反応して丁度自動車のチョーク(古いか・・)がかかったようになり、過度に血圧や脈拍が増えると心臓血管事故が起こるのだ。 かくして心筋梗塞、脳梗塞の発生は午前中に多い(そして月曜日に多い)。 寒くなると寒冷刺激で血圧が上昇する人も多い。 寒くなると言うのは絶対値ではなく、単位時間当たりの下降率だ。 つまり、急激に気温が下がったときに悪くなるのである。 前振りが長くなったけど、この数日徳島は急に寒くなり、山間部ではいきなり初雪が降った。 先週は僕は半袖だったんだよ! そう言うわけで急に血圧が上がった人が多いし、土曜日、日曜日の朝に連日で心筋梗塞の患者さんを搬送する羽目になった。 二度あることは三度あるかも・・と思っていたら、果たして今日またひとり心筋梗塞。 最初の2人はうちに初めて来た患者さんだったのであまり思い入れはないけど、今日の人は長年うちで糖尿病の治療をしてきた人だし、年齢も僕より若い。 ああ、もっと厳しく生活指導をして糖尿を厳しくコントロールして(まあまあのコントロールだったのだけど)コレステロールも薬を使ってもっと低く(一応正常値ギリギリに入っていたのでそのままにしてあった)して置けば良かったと後悔しきり。 最近はカテーテルの治療が進歩していて、発症から時期が早ければまず詰まった血管は再開痛して元気になることが多いんだけどね。今日の人は朝から胸が痛かったのに夕方まで我慢して仕事してからの受診だった。朝いちで来れば良かったのに・・。 でも、まあ、無事に病院まで来て、脈拍や血圧が落ち着いている人は大抵大丈夫だけどね。 悪くなる人は、病院に来るまでに悪くなるからね。 (でも、前にうちまで歩いてきて、搬送先で心臓破裂して亡くなた人も居た) 3度あることは4度ある・・なんて事が無いように祈るばかりだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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