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カテゴリ:日々の診療の狭間で
水曜の夜、いきなりゲロを吐いたカズ。
その日は参観日で、授業中の態度が悪いと、見に行っていた配偶者からさんざん罵倒されている最中にゲロしたので、 これはメンタルなストレスか?精神的に弱い奴め~と、更に責められたりして。 その後熱が出てきて、まさかメンタルなもんで38度を超える熱は出ないだろう。今流行の感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)だと親が気がついた次第。 このブログをずっと読んでくれている人はご存じだろうけど、医者の子どもになると手厚く看護されるだろうと言うのは世間の誤解であって、うちの子ども達なんぞ、治療はおろか診断もおろそかに放置されている場合が多い。 まあ、その根底には、子どもの病気は殆どが自然に治ると言う認識があるからではあるが。 カズに与えられたのは、スーパーのビニール袋を張ったバケツと、「ここ以外の場所に吐いたらこらえんぞ」と言う言葉。「病気の時ぐらい一人で寝ろ」とも言われていたなあ。 翌朝になって、メーカーが持ってきていた試供品の経口補水液が与えられた。 その後発熱も引き、木曜日の夜には家族と一緒にお鍋を囲めるまでに回復。 金曜日は本人が学校へ行くと主張したけども、土曜日からハチ北高原でのスノーキャンプに行かせる予定だったので、大事を取って休ませた。 ま、そういう訳でカズは元気に今日はキャンプに出かけた次第。 夕べ配偶者と一緒に、早く治って良かったなあと話していたら 「初期治療が良かったから」とのお話。 初期治療って?? 「何も食べさせなかったこと。ちょっと吐き気が収まっても、すぐに食べさせなかったこと」らしい。 そりゃそうだ。 感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)は必ず自然によく治る病気である。 患者さんには、初日はしんどいけど、1日経てば半分、2日経てば9割ぐらい治った感じになりますよ。 だからしんどいときは慌てて食べようとせずに、経口保水液を少しずつ・・と説明している。 翌日にも水分が採れないようなら点滴で水分だけでも入れてあげましょうと言うけど、それで翌日も来る人は滅多にいない。 ま、個人差があるわけで、1週間ずっと水が飲めずに点滴に来た子どもさんも居たけどね。ちょっと吐き気が止まったときにタケノコの里を一袋食べさせましたなんてお母さんが言ったのには驚いたけど。 結局、カズは吐き気止めも整腸剤も解熱剤も使わなかった。 うちの家族は、僕とヒロキ以外はこの胃腸炎によくかかる。 確か4-5年ぐらい前は、2年続いて元旦に配偶者とミドリとカズが並んで吐いて、僕は元旦から布団を洗濯した記憶がある。けど、そのときからも、誰も何にも薬使ってないのよね。 配偶者は抗体が出来たのか最近は強くなり、ミドリも時々はかかるけど、何も要らないと言って洗面器だけ持って部屋にこもって1日くらい経てば治った・・って出てくる。(天の岩戸みたいに)。 吐いちゃうとやっぱりビックリするだろうけど、そういう病気なので、翌日になってまだしんどかったら受診するぐらいでも良いと思うけどね。 あ・・こんな事書いたら小児科の先生に怒られるかも知れない。2歳ぐらいまでの子どもには、腸重積と言う怖い病気があって、これもやっぱり吐くし、これは早期に病院へ行く必要があるので、2歳ぐらいまでで、吐いた後もぐったりして元気のない子は一度診て貰った方がよいと付け加えておきましょう。 年連を重ねて行くにつれて、やっぱり親の感と言うのも養っていかなあかんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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