|
カテゴリ:日々の診療の狭間で
それは今朝の往診の帰り道でのことだった。
バイパスを横切り、国道沿いにある当院の方を目指し田舎道を配偶者の買ってから8年、一度も洗車してない赤いポロに乗って走っていると、病院まで300mぐらいのところで、一人のおばさんが歩いているのに気がついた。 両脇に松葉杖をついている。背中が丸まっていてオバサンと言うよりはおばあさんに近いと思われた。 帽子をかぶり、小さいバッグを体にひっかけて少しずつ歩いている。 最近の松葉杖って昔のような木じゃなくて、カメラの三脚のような金属製の細いロボットの足のようになってるのね。 こういう人をひっかけたりしたら大変だ。 そんな事を思いながら十分に距離を取ってやり過ごす。 しかし、このおばあさん、完全に4点歩行でこの4つの足のどれに足払いをかけても、簡単に転倒してしまうだろうなあ。 どこまでいくんだろう? 道路沿いに家は無いし、この先は線路で上り坂だし・・。 国道まで出て、スーパーとかバス停あたりへ行くんだろうか? 大変だなあ・・ そんな事を思いながら車を走らせたんだけど、どうしても気になってしまい、Uターンをして引き返してオバサンの近くに車を止めて近くまで歩いていった。 「おばさん、どこまで行くん?僕は国道の方まで行くけど、あっちへ行くなら、良かったら乗せていくでよ」 (もろ阿波弁丸出しである) 虚をつかれたおばさん。びっくりして目を丸くしながら 「いや、私はもうちょっとすぐそこの家までなんで、大丈夫。ありがとう」 オバサンの指した方向に家は見えなかったけど、どこの家?と突っ込むわけにいかず「ほな、気ぃつけて行きな」と挨拶をしてその場を去った。 怪しい人に見えたんだろうか? やっぱしこの赤いボロの車が悪かったんだろうかとか、ラメ入りのステューシーのTシャツを着ていたのがまずかったのだろうかとか、色々と自問したのだけど、顔見知りだったらともかく、ああいう状況でホイサッサと車に乗ってくる人はあまり居らないだろうなと思う。 でもさ、オバサンが松葉杖4本ついてヨチヨチ必死で歩いてる横を、知らん顔して若者が(いや、若くないけど)車で通りすぎるのもどうかなと思ったのさ。 こんな風にナンパは失敗したのであった。 ところで、前の日記で書いた自転車の事であるが、放置の札を巻かれたまま同じように放置されているので、警察に電話をかけて尋ねてみた。 あの自転車には盗難届は出されていなかったので、放置自転車として扱われると言うことであった。 このあたりははっきりとわからなかったけど・・防犯登録がきっちり出来て居るんだから鑑札の番号で持ち主を調べて連絡してあげたら?と尋ねたら、放置自転車にそこまではやらないと言う旨の事と、防犯登録をしていても(自転車さんの不備などで)ちゃんと登録が出来て無くて持ち主が解らない場合がある・・との事だった。 そんなんだったら、何の為の防犯登録だよ!お金も払っているのに!と思うんだけどね。 そういう訳で、あの自転車は処分の対象になりますと言うことで、数日後には無くなっていた。 処分するぐらいなら、ワシにくれ!! こっちもなんか釈然としないおであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[日々の診療の狭間で] カテゴリの最新記事
|
|