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カテゴリ:妄想日記
せっかく実家に戻ったのに・・・ いつも私が帰るのを楽しみにしてくれていたおばちゃんは、先日亡くなったのでいません。 何だか、寂しいな~。 おばちゃんの住んでいた家の前まで行ったんだけど。 「どこにおる?」と声をかけてみたけど・・・おばちゃんは返事をしないのよ。 居なくなっちゃったのね。 帰るといつも「帰ってきたね?これ、ジャスミンが好きやったろう?」などと言ってあめ玉やお菓子を持ってきてくれたのにな~。 おばちゃん!飴玉欲しかったよ~。 ところで、ところで、私の実家は、福岡県の端っこにあります。 水に恵まれた平野のど真ん中の水田地帯です。 田と田の間には、昔からあるクリークが巡っており・・・ この時期、その水面には綺麗な蓮を見ることが出来ます。 今朝も、駅に向かう途中に通りかかった沼(クリーク?)で・・・びっしりと水面を覆う蓮の葉の中に ふっくらと白く・・・そして先っぽだけがピンクに色づいた蓮の花を見つけました。 蓮というのは、本当に夢見心地な花ですね~。 極楽浄土などというのは、まだ見たことがございませんが・・・ 昔の人がいうように・・・きっと蓮の花がたくさん咲くところに違いない。 じっと見入っていると何だか妙な実感さえ湧いてくるから不思議。 美大生のころは、よくスケッチに出かけたものです。 蓮の咲く沼地に近付くと・・・なんとも言えずムッとした湿度の高い空気に包まれます。 それでも大きな蓮の葉に埋め尽くされたミドリイロの水辺は、夏の太陽が若干弱く感じられて心地良い。 大きな葉だよね~。 遠くで見てもそう思える蓮の葉は・・・ 近くで見ると結構な迫力で重なり合い・・・ この世のモノとは思えない空気を放ちながら私に迫って参ります。 色はブルーがかったミドリ。 光沢があり・・・つるんとしたような・・・それでいて細かく起毛した上質のビロードのようなそんな雰囲気。 フカミドリ色の沼の奥から、しなやかにヒョロリとしかし・・・結構逞しく伸びた茎。 その茎から続く・・・大きな大きな葉。 ヒラヒラした・・・と表現するにはもっと肉厚。 でも・・・ぽってりと表現するほどには分厚くない。 しなやかに自由奔放に葉を広げ・・・美しく重なり合い・・・ 優美で複雑な曲線を作りだします。 その曲線の重なりを見つめるだけで、私は夢の世界に引きずり込まれてしまうのです。 そんなブルーグリーンの濃淡と、奔放で優雅な曲線の中に浮かび上がる白い花。 それはまた、息を飲むほど、清らかで美しい。 真っ白ではなく・・・わずかに黄がかった白ですね。 そしてその花びらの先端は、うっすらと紅をさしたかのようにピンク色に染まっております。 乙女の裸みたいだわよ。 なんだか・・・見ては行けないモノを見てしまったかのような・・・そんな美しさ。 何だか神々しささえ感じちゃう。 確かに間違いなく・・・極楽浄土の花だわ。 ムッとするような湿度の中・・・そんな光景を見てしまうと・・・ 夢か現か。。。 頭の中に、紗をかけられたように、ぼ~~っと魂を抜かれてしまって危険です。笑。 一瞬、極楽浄土に逝っちゃうのかも。笑。 時折、水面を滑るようにして吹く湿度を含んだ風。 その風が吹貴抜ける瞬間・・・ 身体を揺する花や葉の様子は・・・これまたこの世のものではございませんよ。 お世辞にも綺麗とは言えない、淀んだフカミドリ色の沼に・・・ あんなに浮世離れした花が咲くなんて・・・小さい頃から不思議でございました。 この時期・・・ジャスミンの実家近くには、小さな極楽浄土がいくつも出現致します。笑。 昔より、随分減りましたけどね。 (クリーク自体が、綺麗にコンクリート整備されたところが多いですし。 コンクリートに蓮は似合いませんし。) しかしその眺めは・・・昔と変わらず、なかなか贅沢です。 タダで極楽浄土体験出来ますよ?うふふ。 おばちゃんも今頃、極楽で蓮の花を眺めているかな? じっと蓮の咲く沼の表面を眺めていると・・・ 極楽浄土の水辺で蓮の花を見ている笑顔のおばちゃんと一瞬目が合ったような気がして・・・ 何だか嬉しいような寂しいような・・・そんな気になったジャスミンです。 お盆には帰って来る? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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