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Jul 30, 2005
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カテゴリ:ミステリーなお話
さて・・・暑かですな~~~。
言うたっちゃしょんなかですばってん・・・言わにゃおられんごたるです。

日本には、クーラーじゃなく五感で涼を感じることが出来るモノございます。
風鈴なんてそのひとつ。
家には今、南部鉄で出来た風鈴がございます。
風が吹くたびにチリリーーーーーンと澄んだ音を発しておりますよ。
体感温度は2度ほど違う気が致します。

そんな涼しくなる日本のアイテムで忘れちゃならないのが・・・怪談。
私は小さい頃、落語の怪談が大好きな渋い子供でした。

幽霊やお化けの類は、私はあまり信じておりません。
いや・・・全く信じない!!というのは夢が無い話でございますので
いくらか信じた方が楽しいってもんです。

しかし・・・ジャスミン・・・あまり霊感なんぞというのはございませんで・・・
ハッキリお化けというもんに出会ったことがございません。
しかしね。。。
怖い思いをしたことは数度ございます。
一度日記に書きました・・・病院に入院中に体験したアレもその中のひとつ。

でも本日は・・・海外バージョン。
タイのホテルで経験した・・・アノことについて。。。

私は数年前、タイを訪れておりました。
この仕事をはじめる前でしたので、全くの遊びでございます。

バンコクからある土地に移動し・・・
日本で予約していたホテルにチェックインしようとすると・・・
「予約は承っておりません。」などという。。。

「したよ~~~!!!」と言っても「無い」という。。。
むむむ。
しかしね・・・よくあることでございます。
「じゃあ、代わりの部屋は?」と訊ねると・・・
「明日からは空いているが、今日は満室なのだ。」とのこと。

「そっちのミスじゃん!何とかして!!!!」とダダをこねること15分。

「それでは・・・今夜のみ・・・スイートをご用意致します。」ということになったのです。
ヤッタ!!ダダは捏ねてみるもんでございます。

案内されたスイートルーム。
入ってすぐ・・・馬鹿でかいソファーセットとバーカウンターがございました。
その部屋の奥の扉が・・・ベッドルーム。
古めかしいキングサイズのベッドがデ~~~ンと鎮座ましましています。
バスルームも・・・立派!!!

いや~~~広い!!!豪華!!!

しかし・・・若干古びておりますよ。。。陽も当たらないしね。
ベランダに続く、リゾート風の扉は締まりが悪く・・・若干開き気味だし。

「まあ・・・スイートに泊まれることって無いからな~。 いいや!」

たった一人でこんなに広い部屋を使う事自体、貧乏性な私としては若干不安にはなりますが・・・
たった一晩でございます。
まあ・・・いいや。

その夜は、現地の知り合いと一緒に食事を致しました。
アルコールも入り・・・良い気分でホテルに帰還。

どうも飲み足りない。
というわけで・・・途中で買っておいたビールを飲みながら・・・
でっかいソファーに寝っ転がり本を読んでおりました。
ビールを2本空けたとき・・・私は何やら急に眠気に襲われたのでございます。

「昼間暑かったから身体が弱っているのね・・・」

私は、とりあえずシャワーをざっと浴びて寝ることに致しました。
バスルームに入ろうとすると・・・

背後で・・・ケケケ・・・ケケケ・・・ケケ・・・

笑ってる??
誰かが笑っている???
しかし・・・TVはついておらず・・・いるのも私一人なり。
ちょっと怖かったりしたのですが「空耳あわ~~~♪」
な~~んて歌いながら・・・シャワーを浴びることに致しました。

本能の女ジャスミン。
シャワーを浴びたら空耳のことなどすっかり忘れておりました。
とにかく・・・眠い!!!!!

シャワーから上がると・・・髪も乾かさず・・・化粧水も付けずに・・・ベッドにゴー!
キングサイズのベッドは、綺麗にベッドメイキンされておりました。

び・び・びの貧乏性ジャスミンは・・・そのデッカイベッドにごろりと横になれる訳もなく・・・
右側の端っこの織り込まれたシーツをわずかに引き出すと・・・シーツとベッドの隙間に滑り込みました。

深い海に引きずり込まれるように眠りにつき・・・
どのくらい眠ったころでしょうか・・・
私はあまりの寝苦しさに目を覚ましました。

ノドが弱いジャスミン。
寝る前に、空調のスイッチを切っておったのです。
空調を入れようと起きあがろうとすると・・・

!!!動けない・・・・。
身動きがとれないのでございます。。。
上半身はまだ何となく動けるのですが・・・
腰から下が何かに押さえ込まれたような感じで身動きがとれないのです。

金縛り???
私は疲れていると、金縛りに合うことがございます。
しかし・・・その時のソレはいつもの金縛りとは何かが違うようでした。

ああ・・・苦しい。。。
もごもごと身体を動かしているとき・・・私はハッキリと聞いたのです。

ケケケ・・・ケケッ・・・ケケケ・・・

笑っている・・・。
ギャ~~~~~~~~~~~!!!!!

私はあまりの恐怖に、身体を大きくよじりました。
すると・・・ふっっと・・・身体が解放され・・・私は難なくベッドに起きあがる事ができたのです。
動悸は続いておりましたが・・・夢うつつでもございました。

とりあえずは・・・空調でもつけよう。

そう思ってベッドを降りた瞬間・・・
!!!!!!!!!居る!!!!!!!!!!!!

私の正面に・・・そう3メートルほど離れたその場所に・・・
一人の女が立っているのです。
女。
暗いのでハッキリは見えないのですが・・・
長い髪は・・・強い風に吹かれたかのように千々に乱れ・・・
青黒い顔で・・・じっとこっちを見据えて立っているのです。

ケケ・・・ケケケ・・・ケケッ・・・

ひっ!!!!!
私はとっさに灯りを付けなくちゃ!と思いました。
が・・・足は思うように動きません。
身体が震えて・・・足がもつれるのです。

バタバタとベッドのサイドテーブルのスタンドスイッチを探しますが・・・
慌てている為になかなか見つかりません。
やっとの思いで、スタンドの明かりをつけた私。

しかし・・・振り返ることが出来ないのです。
何か居たらイヤですが・・・何も居なくてもイヤなのです!!!涙。
それでも私は・・・振り向きました。
いや・・・振り替えなければならないような気がしたのです。
ゆっくり・・・ゆっくりと・・・私は己の背後に顔を向けたのです。

やはりそこには・・・女がいました。

髪は奇妙に乱れ・・・・
色つやのない浅黒い顔・・・
焦点の合わないどんよりした目で・・・
全身を不自然に振るわせ・・・じっとこっちを見ている・・・

それは・・・
鏡に映ったジャスミン・・・本人でございました。。。

イエ・・・アノネ。。。
ベッドのサイドの壁に・・・大きい鏡があるな~~っていうのは知っていたんですよ。
「ベッドルームのこんな大きい鏡を置くなんて趣味わる~~い」って思ったの。
でも・・・忘れておりましたの。

しかし鏡に映った私は迫力満点でしたよ。
酔いに任せて、髪も乾かさずに寝てしまった私・・・
当時はロングヘアでございましたからね・・・そりゃ~オカルトチックでございました。
日焼けでダメージを受けた上に、お手入れなんぞもせずに寝てしまった私の顔もまた・・・
青黒く・・・死人のようでございましたしね。

ええ。自分と解ってからでも怖かったもんですわ。

金縛りの正体も解けました。
それは・・・「キッチリとされたベッドメイキング」でございます。
私は寝るときにベッドの右端に寝ておりました。
キッチリとベッドマットに折り込まれたシーツは右側だけしかはがされて居ませんでしたの。
寝相の悪い私は寝ている間に左側に移動。。。
ピッチリと整えられたままのシーツの間に身体が入り込み・・・身動きがとれなくなっておったんですよね。。。

バカ。

じゃあ・・・あの笑い声は?
それもすぐに謎は解けました。
それは・・・壊れたベランダのドアから入り込んだヤモリの仕業。

東南アジアのヤモリは鳴くんですよ。
ケケ・・・ケケケ・・・ケケケ・・・

幽霊はいるか?化け物はいるか?
きっと居ますわ。
怖いと思うその心の中に棲んでおるのでございます。







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最終更新日  Dec 13, 2006 08:05:06 PM
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