久々に冒険をしてみました。

保守的な私は、
ついついいつも同じ物を選んでしまう傾向があります。

それまで使っていたバッグが壊れてしまっても、
全く同じものを購入しては
「新しいバッグを買ったのに誰も気づいてくれない」
と嘆くこともしばしばです。

靴も同じでした。
全く同じものを手に入れることが難しい場合は、
それまでの物によく似たものを探してしまいます。

さて、
そんな私にどんな心境の変化があったのか。

いつも豆を買いに行っているコーヒー屋さんで、
いつも通りに「マンデリン」を注文しようとしたその時、

急に冒険をしてみたくなったのです。

目に付いたのが「ブラジル」。
おじさんの説明によると「マンデリンよりソフトだよ」とのこと。
「マンデリンが好きだったらこっちもいいかもね」
なんて他にもいろいろ教えてくれる。

その日は「ビビビ」ときたブラジルを200グラム携えて帰ってきたよ。



う～ん、人生初のブラジルだ。

黒光りしているいつものマンデリンに比べると



ブラジルの方は油分が少なくさらっとした感じ。

お味の方は、



人生初のブラジルはうまかったですなぁ。
豆が違うと味もこんなに変わるとは。
わかっていても驚きです。

私は、
酸味が少なく苦味の深いマンデリンが好きで、
豆を買う場合にはもう長いことマンデリンばかりを選んできたのでした。

今回のブラジルは、
酸味が強いわけでも苦味が強いわけでもなくて、全体にバランスが取れています。

マンデリンが縦に広がる味だとすると、
ブラジルは横に広がる味。

おお、
違う豆で飲んでみるのは実に面白い。

あまりにもおいしかったので、
いつにない早さで消費してしまったブラジル。
今日またおじさんに相談して違うのに挑戦してみようっと。
これからは浮気性の女でコーヒーの世界を開拓していくんだ。

しかし、
うまいコーヒーがあるというだけで朝が来るのが楽しみなんだなぁ。

***

私がコーヒーを飲み始めたのは高校生の時。

当時は寮生活をしており、各自が常備しているインスタントコーヒーに粉末クリームやお砂糖を入れて飲む程度でした。

大学生になってからはペーパードリップにしたのですが、
その頃はまだたまに飲む程度。

しかし、
コーヒー好きの友人ができてから状況が一変したのでした。

彼女は一家揃ってのコーヒー好きで、
中学生の頃から本格的に淹れたコーヒーを飲んでいたそうな。

当時の私にとっては、コーヒーをブラックで飲むのはオトナ。
そう、彼女はとってもオトナだったのでした。

彼女に感化されて私もブラックにしてみたところ、慣れてしまうとブラックの方がおいしくて、もうクリームや砂糖などを入れることができなくなってしまったのです。

特に甘いお菓子などを食べる時は、ブラックの方がお菓子のおいしさを引き出してより一層おいしくなることも知ってしまったのでした。

気がつけば、
朝からコーヒーを淹れて飲むような生活になっていました。
さらにそのコーヒーがグレードアップしたのが大学4年のこと。

3年から4年になる春休みを先輩のお手伝いのために全部費やしたところ、お礼に好きなものをあげるというので遠慮なく申し出たのがコーヒーミル。



挽き立ての豆で淹れると大層おいしいコーヒーになるのは友人の家に遊びに行った時に知ったんだよ。

その通り、挽いたばかりの豆で淹れたコーヒーは大層おいしかったのです。

その頃から朝のコーヒーが欠かせなくなり、
それから十数年経った今でもその習慣は変わっていません。

夫はあまりコーヒーを飲む人間ではなくて、たまに飲むときもクリームとお砂糖は欠かせなかったのですが、私と付き合い始めてからブラックのおいしさに目覚めたのだそう。

結婚してからは毎朝コーヒーを飲む私につき合わされていたところ、
すっかりその生活に慣れてしまって、今では朝にコーヒーがないと物足りないのだとか。

なかなかいい傾向です。

おいしいお菓子をぶら下げて帰ってきたときには
「コーヒー淹れて食べよう」とまで言うようになりました。

まだ自ら淹れるほどではないが、私のコーヒー教育は間違っていなかったようだ。やはりこういうものは仲間がいると楽しいからね。

さて、私にコーヒーの喜びを教えてくれたその友人ですが、最近ではすっかり面倒になってしまって牛乳にインスタントコーヒーを溶かして飲んでいるのだとか。

先日我が家にやってきた際も

「久しぶりに飲んだ」

なんて言ってたよ。
コケちゃったよ。


　
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ぺとぺと～