行こか戻ろかイギリス生活

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• 去年ハマまったもの　（前編）

  年々新年に掛ける意気込みが薄―くなってきている私。ふと気付くと２００７年も２週目に入り、１月３日から働いている私は今が何年であろうともうすっかり日常モード。イギリスの（小うるさい）お客さんの一人がクリスマス休暇中にカナダでスキーを楽しんできたらしく、まだまだ機嫌よくいてくれているのが助かっている程度である。という事で、新年であるという区切りをつける為にも去年ハマッた事・物・人をリストしてみることにした。（時系列）1. タッキーよくよく考えると、タッキーが気になりだしたのは一昨年の年末頃から。ジャニーズの若いお兄さんに興味を持つなんて、歳とった証拠かしらね。何も言わないのに私のことは何でも知っている母が時々送ってくれる日本のビデオの中に、いつのまにかタッキーの出演番組が入り始めたのは今年になってから。母親ってのは怖いねー。今年の後半は翼君まで気になりだして、「Ho! Summer!」の振り付けを部屋で練習したことも。2. 中国茶仕事中、一日４杯も５杯も砂糖ミルク入りコーヒーを飲んでいた私。タダの自販機から出てくるインスタントコーヒーが体に良いわけもなく、仕事中は中国茶を飲む事にした。スリミング効果のあるお茶を試飲してみると、これが飲んで１時間後に誰か人の手で腸をネジられているかのような激しい効能。効果は抜群だけど怖くなって止め。チャイナ・タウンに行って、普通のプーアル茶とウーロン茶を購入、以来愛飲。3. Angel Munosおととしのクリスマスコースで教え乞うたスペイン人フラメンコダンサー。しかし、間近で見るプロの男性ダンサーの足捌きというのは迫力がちゃいまんなあ。２月に行ったヘレスのフラメンコ・フェスティバルでもパフォーマンスを拝見。舞台では小奇麗な格好してるし、ノってきた時の表情も素敵で、すぐファンになる。５月にPaco Penaの公演でロンドンに来た時もステージを見に行ったが、あまりにも短期間に２回も見たせいか、この段階でお腹いっぱいになった。短かいファン生活だった。4. Javier Latorreやはりヘレスのフラメンコ・フェスティバルで出会った巨匠。気さくな人柄もそうだけど、この人のクラスでは元気をたくさん貰った。しばらくJavier関係のネット記事を読み漁る等した。Javierが、遠く日本からフラメンコを習いにくる練習生の熱心さを褒め称えている記事を見つけてますます高感度アップ。5. 中国調理パン、お饅頭チャイナタウンのあの独特な活力に妙な懐かしさを覚え、去年の春先数週間ほど、頻繁にチャイナタウンに買い物に行く。お茶や食材は勿論だが、チャイナタウンには日本の調理パンを彷彿とさせるカレーパンやソーセージパン、バタークリーム（懐かしい）を使ったケーキなんかがあちこちで売っていて、これも行く度にちょこちょこ買っては試しに食べてみた。懐かしい味には違いないけど、実際、揚げパン系は使用している油の味が口に合わず。調理パン系は、具が何であろうとすべてのパンが共通の甘めのパン生地で作ってある為、食後、口の中に変な味が残る。結局、本当に美味しいと思えるのは胡麻団子だけと結論。6. 素足ま、これはハマッたも何も世界の流行がこうですから目新しい事ではないのですが、去年も一昨年に続き夏は靴下は一切履かず、素足で通した。気持ちよかった。ちなみに去年のイギリスは記録的な長くて暖かい夏。実際９月か１０月くらいまでは夏の終わりみたいな感じだったな。環境破壊による異常気象は怖いけど、暖かいほうが生活にも活気が出る。続きは明日。

  2007年01月10日

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• 不具合

  暫く前の話になるが、クリスマス近くになると事務所もクリスマスデコレーションを行う。通路においてある観葉植物に、金銀のシャリシャリのモールを巻きつけたり、コンピューター・ディスプレイの廻りをシャリシャリで縁取ったり。偉い人達が通る廊下から丸見えのデスクで仕事をしている経理のおばさんは、色とりどりの電飾を自分のコンピューターに巻きつけていて、派手な楽屋前の様相を呈していた。私が今座っている席は１年前まではエンジニアリング・ティームのシマだったところで、そう言えば、エンジニアリング・チームのクリスマスの飾り付けが、私の机の横の戸棚に入っていた事を思い出した。開けてみると、金銀のシャリシャリに加えて、クリスマスツリーの形をしたネオンまで入っている。お、かわいいじゃん。これを飾らないのはもったいない。という事で、エンジニアの日本人同僚のところに持って行ってあげた。その同僚が早速、そのクリスマスツリーの形の電飾を机の前のパーティションの上にセロテープで貼り付けて飾ってみたところ、廻りの人が寄ってきては口々に「危ないから辞めたほうがいい」とか「とにかく夜は必ず電源を切るように」などと注意をされたらしい。聞くとこの電飾、１ポンドショップ（イギリスには１００円ショップならぬ１ポンドショップというのがあります。１ポンド大体今２３０円である事を考えると大して安くもないのに、ガラクタばかり売っている印象。ちょなみに私はほとんど行ったことがない）で売っているような代物で、当然テストなんかされていないし、運が悪ければ発火して火事になる恐れがあるらしい。イギリスでは、そんな不具合をかかえた電化製品がゴロゴロ売られているらしい。イギリス人には、湯沸かしポットやドライヤーを使った後そのコンセントをいちいち抜く神経質な行動が多く見られるが、これは、製品が十分にテストされてなくて発火する危険があるからだそう。ＢＢＣで「ＷａｔｃｈＤｏｇ」という番組をやっているが、この番組でも同じような話題をやっていた。「ＷａｔｃｈＤｏｇ」とは、前にもちょっと書いたが、視聴者が、買った商品の不具合や、会社のサービスの悪さを番組に電話して告発。やたら正義感の強そうなメイン司会者が当該業者やメーカーの元に赴き、実態を調査するという趣向の番組である。この間は、あるキッチンメーカーの売っているキッチンユニットに不具合が多く、コールセンターに電話してもまったくつながらない状態であるというケースを取り扱っていて、番組ではその会社のコールセンターまで行って、パンフレットに印刷してある電話番号が本当につながるかそのセンター内から掛けて検証したり、倉庫での在庫の管理方法をチェックしたりしていた。番組の最後には、その正義感の塊のキャスターが「○○社からは買わないように！」って、あなたこれ国営放送でしょと、私はビックリして思わず口がアングリ。話は横道にそれたが、で、先日は、ドライヤーや髪をストレートにするアイロンに不具合が多数見られるという話題をやっていた。ある女性は、朝、アイロンでパツキンをさらさらストレートに伸ばして、アイロンの電源を切って外出。帰ってみると、アイロンからもくもく煙が出ていてあやうく火事になるところだったとか。電源を切っていても、コンセントにつなげていると、電気が通って熱が溜まるらしい。電源の不具合と思われる。また、ある女性は、風呂上りにドライヤーで髪を乾かしていると、ドライヤーが火を吹いたらしい。番組ではメーカー側の説明を紹介していたが、「新製品では直っているから大丈夫」。いや、そういう事じゃないと思う。その話を聞いて以来、私も怖くなって、湯沸しポットのコンセントをいちいち切っている。そのため、コンセントを抜いていた事をすっかり忘れて沸かないお湯を１０分ほど待ったりと、不便をしいられている今日この頃である。

  2007年01月08日

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• お餅

  家族と過ごす厳粛で静かなクリスマスから開放され、イギリス人にとって大晦日は、今度こそ気の合った仲間やご近所の気の置けない仲間達と過ごす一大イベント。テレビで小耳に挟んだ情報によると、「一年の締めくくりであるからこそ、最高に楽しくなければならない」的な若干の脅迫観念にかられて、街に繰り出す人、ライブに出かける人、ホームパーティーで一晩中踊り明かす人等、それぞれに楽しい計画を立てる。大晦日に地元のスーパーに行ったところ、これがクリスマス顔負けの大変な混雑。大抵のカートには数本のワインかケース単位のビールが収まっている。年越しパーティーは、心おきなくアルコールを楽しむ機会でもあるらしい。そういう私は大晦日の夕方から風邪で寝込んだ。ま、これも2006年を力一杯生きた証ねと､納得。いつも妙にポジティブな私だ。そして、鼻水ダラダラの元旦、正月と言えばやはりお餅を食べなければ気が済まない。風邪で匂いも味も全く判らない状態なのでお雑煮を作る元気はなかったが、冷蔵庫の奥にひっそり眠っていた去年のお正月の残りのお餅(若干賞味期限切れ)に、これまた去年のお正月の残りのきな粉（これまた若干賞味期限切れ）、プラス2－3日前に日本食料品店で買った森永の「ゆであずき」の缶詰のあんこを足して、安倍川餅（でしたっけ）もどきを作った。ちょっとだけお正月気分が出て嬉しかった。余談だが、この「ゆであずき」の缶詰、一缶1ポンド(約230円)ながらも、これがなかなかのスグレモノ。普通のアイスクリームに載せるだけで懐かしい「小倉アイス」の完成、アップルパイに載せると「小倉アップルパイ」(結構いける)。スポンジケーキに添えると（ちょっと甘すぎるが）あずきカステラの出来上がり。森永製菓に感謝、謝々。今日会社に行って、日本人同僚の女性とお正月の話をした。聞くと彼女、お正月前にやはりどうしてもお餅が食べたくなったが、ロンドンの日本食料品に行く暇がなくて、地元のタイ食料品店に駆け込んだらしい。残念ながら餅は売り切れ。切羽詰った彼女、タイの餅米を買ってお餅を自分で作ったとか。もち米をお釜で炊いて、ハーブをジョリジョリ砕く時に使う石の臼の中で、スリコギを使って餅をついたらしい。ま、石の臼を持っているのも凄いと思うが、成せば成る、彼女はめでたく元旦にお餅を食べる事ができた。おめでとう。（但し、もち米はお釜で炊くものではなく、水に一晩つけて翌日蒸らすともっとモチモチ感が出たはずだと悔しがっていた）。この同僚ちゃん、もっと前に無性に梅干が食べたくなって、生のPlumを買って梅干もどきを作った経験もあるらしい。Plumと言えば、英語の辞書によれば「西洋すもも」。日本の梅は「Japanese apricot」。それでも、Plumをお酒で消毒して、梅の汁を捨てて部屋で3日干して(梅干を猫から守る為、その間、外出できず)塩漬けしたら、本当に「梅干」の味がするものができたというから、もうこれは凄い。「そういえばこの間、韓国人街のニュー・モルデンで生のたらこ売ってるの見たよ」と教えると、彼女の目がキラッと光った。本当に目が光ってたよ、み○ちゃん。そのうち、生たらこを自家製の秘伝ダレで熟成させて明太子まで作ってしまうかもしれない。もし成功したら、在留邦人に高値で売れる事間違いなしである。いつか是非作って欲しい。

  2007年01月03日

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  フラメンコ　クリスマス・コース

  今年も12月27日から大晦日31日まで恒例のフラメンコ・クリスマス集中コースに参加した。年末の慌しい時期に開講されるこのコース。しかし、いつもながら大勢の生徒が集まった。普段のクラスで熱心に練習している生徒達のほとんどが参加している。実際、クリスマスが終わってボクシング・デ－(12月26日はイギリスでは祭日)にゆっくり寛いだ後はニューイヤーズ・イヴの31日まではショッピング以外にはとりたててやる事がない。毎朝8時前後に起きて、本当ならもっと寝ていられるのにと機嫌悪く車を走らせてスタジオに行くも、スタジオでクラスメートと昨日の復習なんかやり始めると、「やはり来て良かった」と思う。昼過ぎにはクラスが終わるので、午後は(若干汗臭いが)そのまま買い物に出かけられるのも嬉しい。今年のゲスト・コーチはCadiz出身のPilar Ogalla。(下の写真)過去にはCamarón de la Isla、Manuela Carrascoとのパフォーマンスや、Cristina Hoyosのカンパニーの団員としても活躍、最近は自身のカンパニーを設立したとか。今回のIntermediateクラスではソレア教えていただいた。ステップ自体は余り難しくなく、かなりトラディショナルなソレアだったが、腕や体の向き、足の開き方等、全体的なコーディネーションに重点が置かれていて、内容の濃いクラスだった。(勿論休憩なし)。生徒のレベルにあわせてか、先生のお手本のスタイルはかなり典型的フラメンコ。鏡を睨みつける目線も迫力一杯。振り付けも(先生のように踊れれば)うまくキレや盛り上がりが配分されていて、とてもノリ易かったと思う。生徒のステップがバラバラになると「ああ、もう全然ダメ」と容赦なくダメ出しをしたり、通しで踊る前にもう一回新しい部分のおさらいをしたいという生徒の希望を却下したりと、結構厳しい部分も垣間見せる先生。そして、私は最終日、名指しで最後の所は「ターン禁止」令を出されてしまった。（！）。(「ターン禁止令」を出した後、私がターンをしないかずーっと怖い目で見張られた。。)そんな厳しい部分もあったけど、皆ができるようになるまで喉をからしてカウントして、根気よく繰り返し練習をされせてくれて感謝。最後のクラス全体の仕上がり具合を見てもその指導力が証明されたが、人柄も、教えるテクニックも文句なしの、とーってもいい先生だった。私自身は、数年フラメンコを続けてきて12拍子系のコンパスは結構判っているつもりだったけど、腕や腰を動かすタイミングを丁度コンパスのアクセントにあわせる事ができず、まだまだ全然ダメねえと反省。最後に、ロンドンのクラスの伝統で生徒がカンパをして先生にプレゼントをするが、イヤリングとネックレスのペアを貰って涙ぐんでいた。これに懲りずまた来て欲しい。もう一つ受講したブレリアのクラスは、無理をせずVickyの2番目のレベルを選択。テーマはJerezのパーティーで踊るブレリアとか。Jerezでパーティーに呼ばれる事は一生無いような気もしたが、パーティーモードで相手を取り替えながら繰り返し同じステップを踊ったおかげで、タイミングの感じはかなり掴めた気がした。後は、嫌な顔ひとつせず、繰り返しいろいろなブレリアの曲を歌ってくれたギタリストさんのお陰で、踊り始めるタイミングも随分練習した。最終的には､自分なりにブレリアステップが少し上達した気がした。こちらもやはりいいクラスだった。最終日の31日は、とりあえず自分で納得のいく形で集中力が保てて、満足。来年に向けて、また頑張ろうと思えたいいコースだった。あー、気持良かった。

  2006年12月31日

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• クレジット・カード

  昨日ガソリンスタンドに行った。いざ支払いをしようとしたところ、ない。クレジット･カードがない。ない。お財布をひっくり返すようにして探してみたが、ない。ついに大殺界の不運がこんなところに現れたかと私は真っ青になった。運気が低下すると集中力が落ちていろんなところに弊害が出るって細木先生も言ってたなあなんて思いながら、最後にクレジットカードを使った場所は近所のスーパーだったとトレース完了。そう、あの時はチキンの事でパニックになっていたし、キャッシャーで忘れたに違いない。クレジットカードをレジの品物が流れてくる所に置き忘れていた場合はきっと今頃悪い奴に拾われてセール真っ只中のショップで何千ポンドも使われているかもしれない。いや、カードは暗証番号が必要だからショップではなくインターネットで、あり金全部使われているかも。それか、カードを慌てて買い物袋に突っ込んでそのままビニール袋ごと捨てていた場合は生ゴミ漁りも持さない覚悟も決めて、とりあえずスーパーのカスタマー・サービスに行ってみた。スーパーに忘れた確証がなかったので、英語で言う時「I must have left」にしようか「I may have left」にしようかなんて、こんな時にグラマーの事なんか考えている自分の神経質さにちょっと呆れながら、カウンターで「カードを忘れた」旨を告げると、やたら冷静な係りの女性がレジから取り出したのはクレジットカードの束。厚さにして約１０センチ。この鉄の係員は、後ろに並んでいる人に「短い質問の人は先に言って。(探すのに時間がかかるから)」一声かけると、皆、声を揃えて「No」。事の成り行きに興味津々の模様。忘れた日やカードの種類や名前を聞かれて数分後、ありました！！あ――――――、よかったあ。「Thank you so much !」ってたぶん5回はお礼を言ったと思う。しかし、結構な人数の人が忘れてるのねえ。あれは40-50枚はあったな。イギリスでは不便な事もたくさんあって、例えば手違いで住民税が引かれてなくて後からドッと請求が来たり、風呂を改装したと思ったら変わりに何かを壊されたり、ボイラーひとつ直すのに4ヶ月かかったり、何かあるたびにイギリス人に話をすると、「あ、私も」と必ず同じ体験をした人がいて、自分の逸話を披露しつつ最後には笑い飛ばせる。皆が結構ぼんやりしているせいで、自分のミスや不幸が目立たない。この変な安心感にどっぷり浸かってはいけないと思いつつ、なんだか居心地がいい今日この頃だったりする。

  2006年12月28日

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  クリスマス・ディナー

  友人・会社・各種グループのクリスマス・パーティーも終わり、イギリス人の皆さんもいよいよ家族とのクリスマスにフォーカスする時がやってきた。22日と23日、夜8時のスーパーは、クリスマス・ディナーの準備に追われる家族連れで大変な混雑。子供達も冬休みに入ったため、カート係りとして駆り出されて来ている。メモを片手にあちこちの棚から商品を取ってきては、次々とカートに投げ込むお母さん。お酒売り場の棚の前に座り込んでワインのラベルに読みふけってしまって身動き一つしない(ちょっと役立たずの)お父さん達など、家族がそれぞれの役割を果たしつつ、商品棚は次々と空っぽになっていく。そう言う私も、今年は友達をうちに呼んでクリスマスディナーをやる事にした。今まで、クリスマスディナーに呼ばれてご馳走になった事はあるが、自ら料理するのは初めて。友達が野菜・デザートを調達、私はチキンと、サイドディッシュとして5年ぶりにキッシュを焼く事にした。こちらのクリスマスは、ターキーまたはチキンにスタッフィングという元々はパンくずにハーブや卵、野菜を刻んだものを混ぜたものをお腹に詰めて焼くローストチキンまたはローストターキーに、ベークドポテト(ポテトをオーブンで素焼きしたもの)に、芽キャベツ(直径1.5センチくらいのミニキャベツ)を茹でたものを添えていただく。23日夜、既にスタッフィングが詰めてあるチキンを求めてスーパーに行ったが、これが品切れで、スタッフィングがどのようにして作られるか全く知らない私はスーパーで途方にくれた。すぐそばをウロウロしている一般主婦達に聞いてみようかとも思ったが、彼女らも自分の買い物で殺気立っている。うっかり話し掛けると殺されそうな気がして、結局、カスタマーサービスのカウンタ－で質問する事にした。化粧っ気の無い顔で（かなり切羽詰って見えたはず）「ローストチキンを作りたい」と訴えたところ、スタッフィングは「スタッフィングの素」なるものにお湯を注ぐだけでできると教えられた。なーんだ、やっぱり「素」があるんだ。25日当日、朝10時に起きて早速5年間の沈黙を破ってのキッシュ作りを開始。オーブンものは生地を冷やしたり、やれ土台のペストリーだけ先に焼けだのと時間はやたらかかるが、調理自体は非常に簡単。しかし今回はパイ生地に水を入れすぎて、外側のペストリーだけ先に焼いた段階で淵がダラーリと内側に垂れてしまった。「やり直しか」と焦ったが、ふきんを使って根性でフチを持ち上げてそのまま勢いでキッシュの中身自体を流し込んで誤魔化した。そしてこれ↑が素直に焼かれて下さったチキン様。今回はオーガニック・チキンにしたせいかなかなか美しく焼けた。（ヨーロッパでは異常に身が柔らかいチキンが非常な安値で売っているが、昔、スペイン人からニワトリ農家の話を聞いて以来、ふわふわチキンは食べるのが怖い）そして、これ↓がクリスマスのプレート。しかしね、いやあ、喰った、喰った。意外に美味しかったので、たくさん食べた。明日からのクリスマス・フラメンココースで脂肪を燃焼しつくさなくては。

  2006年12月25日

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  霧

  ここ数日、イギリスは深―い霧に包まれている。この国にはもう4年半ほど住んでいるが、こんなに昼間も晴れない霧なんて初めて。視界は約300から400メートル。ちなみに下の写真はうちのアパート前、朝10時頃の様子。おまけに木の葉のついてない木の周りなんて、まるでドラキュラも出そうな雰囲気。これも朝10時頃。↓この霧のおかげで、クリスマス帰省ラッシュで一番忙しいこの時期にヒースローやスタンステッド空港ではフライトのキャンセルが相次いでいる。まず、国内便、パリ行き、ブリュッセル行きが全てキャンセル。理由は「車か列車で行けるでしょ」って事らしい。いや、列車で行きたくないから飛行機予約したんじゃない。しかも国内便は旅行保険に加入しないから飛行機代の払い戻しもないとか。そんな中、木曜日にアメリカに帰省するはずだった同僚のフライトもキャンセルされたらしい。空港で4時間待って、次の日のシカゴ行きになんとか乗せてもらえる事になったらしいが、それから彼の故郷・デンバーまでは自力で何とかしろと言われたとか。ただでさえクリスマス帰省ラッシュで込む道路が、霧の為にノロノロ運転は必至。土曜日にパリまで帰る同僚も、空港まで行く道の混雑を考えて早朝6時起き、しかも飛行機が出る保証もなく、楽しみなはずの帰省がとんでもないストレスだ。そして今日は土曜日、どこからか風でも吹いたのか霧はすっきりなくなった。フランス人の同僚ちゃんは無事に飛行機に乗れたんでしょうか。

  2006年12月22日

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• 電話魔

  先月日本に帰っていた間にバスルームを全面改装してもらった。こっちに戻ってくると確かにバスルームはピカピカに生まれ変わっていて、大変気持ちいい。バスや便器の形もここ10年ほどの研究で進化したのか、バスの淵に変に水が溜まる事もなくなったし（ヘリに十分な角度がつけてある）、トイレもなんだかお掃除の回数が減らせそうなくらい汚れがつきにくい形状へと進化していた。いわゆる人間工学ね。(違うか)。しかーし。工事する前までは完璧だったシャワーの様子がおかしい。お風呂とシャワーに出てくるお湯の水圧が低くて、シャワーのノズルからお湯が直角を描いて出てこなくなったのである。この水圧の弱さは、お風呂好きの私としては大問題。まず、髪を洗う時に水圧が若干足りない。それから、バスにお湯をためるのにやたら時間がかかって、お湯が溜まる頃にはせっかくのバスフォーム（泡の入浴剤）の泡が全部消えて、ただの濁ったお湯になってしまう。タンクのお湯の温度が低くなっているときはお湯の蛇口のみを全開にしてシャワーするが、その時の放出角度は多分60度くらいで、シャワーにやたら時間がかかる。すぐ大家に電話して、直して欲しいと訴えた。早速連絡をしてきたのは、このバスルーム工事を請け負った事務所のコーディネーター。20歳半ばのお兄ちゃんだが、まず連絡開始初日、仕事場で会議から戻ってくると、携帯に彼からのメッセージがすでに3件入っていた。「状況を聞きたいから折り返し電話くれ」って。大家が何故か私のフラットの合鍵を持とうとしない為、私の留守中に故障箇所を見つけてもらう段取りをするのも一苦労。このお兄ちゃん、例えば「今日1時に会社に家の鍵を取りに来る」とか言いながら結局来ないし、「今日は必ずPlumberの手配をする。」など言いながら、夕方には｢ご免ねえ｣と電話が入る。「今日こそは、今日こそは」と約束を一日延ばしにするこのコーディネーター君には、ここ一ヶ月ほど振り回されっぱなしだった。大抵朝起きると、朝7時とかものすごく早い時間に寝ぼけ声で「おはよう！」とメッセージかテキストが入っている。「今日は絶対見に行くから。また昼ごろ電話するよ」って。午後になるとやはりテキストか電話で、まず「こんにちは！」。「いやあ、Plumberが病気になって、今、別の2人を当たっているから」とか「今日は忙しくて無理そう」など何らかの報告をしてくる。夕方は「じゃ、また明日連絡するから」って、平均一日2-3回は電話かテキストが入る状態が続いた。で、例えば前の日の午後に進捗状況の報告がないなあと思っていると、翌早朝、また「おはよう！昨日は電話できなくて、すまん。」と一日が始まる。君は私の彼氏か。私のいる部署は結構忙しい人が多いし、ちょくちょく電話をかけられるのは廻りにも私も正直迷惑。その「その日暮し」的な無計画性がすべての原因だ。私にしてみれば例えば５日先でもその日にきちんと仕事をしてくれれば文句はないのだが、彼は「As soon as possible」ベースで解決しようとして失敗している 。ここイギリスでは、確かにPlumberの予約をするのはかなり難しい。水廻りを筆頭に、家の設備の修理には常に異常に時間がかかるが、中でも最も評判が悪いのがplumber（水道・パイプ関係の工事をしてくれる人）。昔ダブリンでホームステイしていた時にそこの家族から聞いた話では、例えばその家の一階のトイレが壊れた時なんか、半日働いてはどこかにバックれて2-3日休む。ある日床の板を半分はがした状態で突然来なくなったかと思うと、半年後に戻ってきて工事の続きを始めたとか。このコーディネーターのお兄ちゃんも確かにPlumber相手で大変そうだけど、もうちょっと計画性があるとねえ、電話代もかさまなくて済むのに。またさあ、こいつがちょくちょく嘘つくんだよね、まったく。故障状況については散々話し合ったのに、いざ家に来てチェックすると「どこも壊れてない」と言い出したり、「パーツを注文した」、「パーツが月曜日に来る」、「いや、パーツは火曜日」なんて言いながら、パーツなんて買っても無くてまた一からチェックしに来たり。もう訳が判らない。最終的に「パーツが火曜日に来たんだったら(嘘だと知ってたけど知らんぷり)、クリスマス前に直して。今度直さなかったら大家に言いつけるから」と、大家に頼んで、この件が修理されるまでもともとのバスルームの工事代も支払い保留にして貰う勢いで臨んだら、2－3日前の夜、やっと来た。結局お金か。ま、最終的には圧力を調整するタンクが壊れていた事が判明。車のタイヤの空気入れに使うポンプ(私の自前)を持ち出して必死で空気を送り込む作業員を「原始的っ」と冷たい目で眺めながら、たったこれだけの事に一ヶ月かよと空しくなった。クリスマスで大家がインドに帰っているから、結局修理は年明け。職人君は、「この付け替え工事は是非うちに発注を」とばかりにタンクのスペックをいそいそとメモして帰っていった。翌日、例のお兄ちゃんから「ハッピー・クリスマス！」と電話がかかってきたのは言うまでもない。お調子者めっ。

  2006年12月21日

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• Harrods sack 'bad Santa' 　(悪いサンタがクビ)

  これはさっき日本のヤフーのニュースページで発見した話題。イギリスの老舗高級デパートHarrods内のクリスマス特設コーナー「サンタの国」でサンタ役として働いていた男が、通りかかったアジア系の家族（インド・パキスタン系ではないかと思う）に、「こんなところで何やってんだ。ＴＥＳＣＯに行け」と暴言を吐いたらしい。ちなみにＴＥＳＣＯとは、廉価のスーパーマーケットチェーン。私は立地条件からSainsburyにいつも行くが、たまに週末にＴＥＳＣＯに行っていつもと同じような量の買い物をすると、確かにかなりの割安感がある。ただし店にもよるけど、野菜などの生鮮食料品は、例えばネギは筒の内側まで泥がついていて食べようがなかったり、Sainsburyに比べて鮮度がかなり落ちる。ＴＥＳＣＯと言えばありとあらゆる加工食品（レンジでチンするタイプ）を自社工場で作って売っているが、何が入っているかわからないイメージも強くて私はほとんど買ったことがない。前述の人種差別なサンタさん、そのＴＥＳＣＯを的確に持ち出すあたり、そのユーモアのセンスはかなりブラックで例えばLittle Britainあたりのコメディードラマだったら大爆笑必死だが、本物の家族に実際のシチュエーションで言うなんて、これはクビになって当然ね。記事の中では10代の女の子が家族の中に居たとだけ書いているけれど、こんなフェスティバルシーズンの真っ只中、子供達の心が傷いていなければいいが。私はイギリスではあまり道を歩かないので幸い酷い目にあったことは無いけど、ダブリン時代なんて、ガラの悪い兄ちゃん姉ちゃん達が向こうから歩いてくると身構えたもの。本人はそれほど人種差別の考えは持っていなくても、友達と一緒だとウケ狙いでからかってくるパターンが多かったから。それと同じことを夢を売るのが商売のハロッズのサンタがやっちゃいかんよ。記事を読んでいて、彼は他の買い物客のウケを狙っただけのような気がしている。しかしこの時期、あらゆる人と別れ際に「Happy Christmas」と挨拶する機会が多いが、中には、私の顔をしげしげと眺めて「日本ではクリスマスは祝うの？」と、挨拶の言葉を選ぶ人も多い。最近は人種・宗教上のニュートラル感を出す為に「Seasoning Greeting」とだけ書かれたクリスマスカードも多いが、私みたいな無宗教の日本人には心配御無用。いちいち、日本人は生まれると神社でお祝いして、結婚式はカトリック、葬式は仏教、お盆もやればクリスマスもやると毎回説明するのは少々疲れるけど、「あまり気にしてないから」と締めるとたいてい納得してくれる。クリスマスまであと数日、宗教的にはあまり関係ないけど、スーパーにはパーティーフードが並んでいて珍しいものが食べられるし、街はイルミネーションで綺麗だし、みんなが楽しく過ごせるといいなあと思う。

  2006年12月19日

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• 視聴者投票番組

  土曜日は視聴者投票番組のオンパレード。例のStrictly Come Dancingの投票結果を待つ間にたまに数分チャンネルを止めるのがITVのX-Factor。大手レコード会社との一億円の契約を目指して、出場者は毎週違うテーマの歌を歌う。この間は違うアレンジで全員ABBAの歌を歌っていた。その次に見たときは確か「誰かに捧げる歌」シリーズだったような。自分の家族や親戚の子供に歌を捧げていたような。なんだ、私も結構観てるな。で、視聴者の電話投票で最低数しか獲得できなかった出場者が毎回落とされていって10週間か11週間勝ち抜いてチャンピオンになると、前述のご褒美が貰える。この番組、趣向は面白いのに、もうとにかく出場者が全員私の嫌いなタイプなのがとても残念。妙に自信満々でやたら挑発的なタイプか、「自分に起こっている事が信じられないー」と地に足の着かないタイプ、または過去のつらい出来事でも振り返っちゃうのか観客から拍手を貰って泣き出すタイプ。何かもっと自信があってクールで小奇麗な人が出てくると投票で番組参加するのに。で、先週はその同じチャンネルでExtinctという別の投票番組をやっていた。世界で絶命の危機に瀕している動物達に対する募金をテレビを通して行う手法で、電話代の半分くらいがサポート団体に支給されるという趣向。北極熊　－　地球の温暖化で北極の平均が5度も上がってしまい、現在2万から2万5千頭いる北極熊は後35年たつと生存数の30％減が見込まれているとか。暑いのね、かわいそう。ジャイアント・パンダ　（日本語で書かなきゃと思い一瞬「大熊猫」と書きそうになる。それは中国語っ。）　－　もうたったの1600頭が20グループくらいに分かれて奥地で細々と生活しているらしい。自然破壊、森林伐採が原因。新鮮な笹なくて困っているとか。Hyacinth　Macaw（オウムの一種か）　（中南米）　－　50年前に10万羽いたのが乱獲で今では6300羽しかいないらしい。捕獲すると一羽250万円で売れるらしい。可哀そう。。おらうーたん　（マレーシア・インドネシア）　－　ここ100年で一割にまでその数が減っている。山火事や、餌を探しに行って近くの村人に殺されたり、違法売買の対象にもなっているとか。マウンテン・ゴリラ　（ルワンダ・ウガンダ）－もう720頭しか残っていない。戦争で居住地である森林を追われ、人間との共存をする現在、今度は人間の感染症にかかっているらしい。アジア象　（インド象かな）　－　これも環境破壊で1900年には10万頭いたものが今は3万頭に。亀　－　漁船の網に引っ掛かって死ぬケースも多いとか。トラ　－　住むところが無くなって過去100年でその生存数は６％にまで落ち込んでいる。ま、全部説明しちゃったが、番組では自分が一番救いたい動物に投票をして、一番投票の多かった動物のサポート団体に電話代で集まった募金の５０％、残りの５０％はその他の動物で均等配分だって。動物の人気投票じゃないんだから、素直に救いたい動物の電話番号にかかってきた募金を渡すだけでいいんじゃないのかしらねと思った。後、ベスト３に選ばれた動物のサポート団体の代表、ニヤニヤ笑いが目障りだったわねえ。本当にちゃんと助けてあげて欲しい。

  2006年12月18日

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• Strictly Come Dancing - さよならEmma

  回を追うごとに激しい盛り上がりをみせるStrictly Come Dancingも、今夜はSemi Final。Jimmy Tarbackというテレビの司会なんかをやってるらしいおっさんが2回目くらいでリタイアした為（ドクターストップがかかったとの事）、来週のファイナルは異例の2組による一騎打ち。今週のSemi FinalはラグビープレーヤーのMattとクリケットプレーヤーのMark、そして大本命の元Spice GirlsのEmmaがその最終2組の決勝戦のポジションをめぐって大接戦だった。今週はここまでの道のりを振り返るようなスポットが多く流れて、しがないフラメンコ練習生とは言えダンスに少なからず思い入れのある私は感情移入しっぱなし。男女ペアで踊る社交ダンスの大会では、勿論ペアのチームワークがとても重要。初対面の人間に、演技とはいえ情熱的な感情表現を出していかなければいけない事に違和感を感じるスポーツ系の選手達や、練習の厳しさから険悪なムードに陥ってしまうカップルなどそれぞれのドラマが紹介されると、ただのダンスの発表大会には思えなくなってしまって、私はまさに演出者の術中にはまっている。特に素人のセレブリティー相手に、毎週2曲の違う種類振り付けを考えて、根気強く技術指導をして、テレビに出せるくらいの内容のダンスを発表しなくてはならないプロ・ダンサーの努力は相当のものだと思う。また審査員も「つまらない振り付け」なんて平気でコメントするし、プロダンサーにかかるプレッシャーは大きい。セレブリティーが審査員からテクニック上の注意を受ければ、それもまた先生であるプロ・ダンサーの責任になってしまう。Markとペアを組んでいるラテンダンス・チャンピオンのKarenはその豪快な明るいスタイルで私の好きなプロの一人だが、ここ3ヶ月で6キロ程体重が落ちたとか。そのKaren、Markが今日2曲目のアルゼンチン・タンゴで満点の10点を3個も貰って合計39点（40点中）出して、大泣きした。努力が報われて良かったね、と、テレビの前の私も思わず号泣。結果、Spice GirlsのEmmaがやはり視聴者からの投票が貰えず、今夜敗退した。プロの審査員からの評価はいつも最高で、審査員達も大会のレベルをキープする為か、機会ある毎にEmmaを褒めちぎりなんとか決勝に残そうと努力していたが、やはり彼女はどうしても人気が出なかった。今日のEmmaはやっと本気を出し始めたのか投票欲しさの演技か、「闘争心が上がってきた」とオウムのように同じ台詞を吐いていたけど、3組の全てのダンスを見終わって、他の2人のスポーツマンの真摯な態度に比べてやはりEmmaのダンスはどこか嘘っぽい気がした。Emma落選の発表を聞いて、審査員達の中には「一般視聴者の意図が判らん」的な不満を現している人もいたが、踊りはやっぱり魂がこもってナンボ。スポーツ選手に妙に肩入れをするイギリス人達の偏りはちょっとアホっぽいけど、実はある意味本質を見抜いているのかもと思った。最後のインタビューでも「このショーに出たのは視聴者の電話投票が子供達への募金につながるから（２５ペンス（約100円）の電話代のうち１２ペンスは救済が必要な子供達の為に使われる）」と、またまた「私はこんな番組に出るほど落ちぶれてはいないのよ」的にニュアンスを出していたEmma。最後まで魅力がなかったなあ。それから、ちょこちょこインタビューで出てきたEmmaのボーイフレンド。かわいい顔はしてたけど何かノータリン的な風貌で、しかも歯が一本抜けているのか歯並びが悪いのか、結構目障りだったな。Emmaは負けてよかったかも。番組がすっきりする。ああ、来週の決勝戦が楽しみだわア。

  2006年12月16日

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• お手洗い

  2-3日前に会社でトイレに行ったところ、5個ある（6個だったかな）個室のうち3個にうん○が付いていて入れなかった。流した後に残ったものをトイレットブラシで掃除しなかったようだ。ま、昼ごはん食べた直後にこんな事書いてる私もどうかと思うが、日本ほどトイレが綺麗に使われているは国はないのではないかと思う。イギリスは他の欧米諸国に比べる（ま、比べる国にもよると思うが例えばスペイン）と、まだマシな方だとも聞くけど、アクロバットのような座り方を想像するしかないような汚れ方（例えば便座の上でブリッジしてるとか）のトイレに割と頻繁に遭遇する。劇場に行っても、パブは勿論レストランでも、フラメンコのスタジオ併設のトイレでも、トイレを使う前に便座のチェックは必須で、ある意味かなり落ち着くべき場所であるのに、どうも居心地が悪い。公共の場所ではともかく、会社のトイレでさえ汚いなんて言語道断。昔、金融街シティーで働く日本人女性もフロアによって汚いトイレが多い確率が違うって言ってたので、これはどうも私が働く会社だけではない模様。ちなみに私は2階に居るが、面接を受けにきた人達や来客など、社外の人が使うことの多い1階のトイレは40％の確率で汚れている。（MariaGarcia調べ）。まず、入るなり床にトイレットペーパーの破片が落ちているのがまず不潔。2階は私がいる部署とファイナンスやリーガル及びマーケティング系の人が使っているが、ちょっとうるさい人事部・設備関係のお局マネージャー（「お局」なんて古い表現？）が同じ階にいるせいか、いつも比較的綺麗なのに。この間みたいに3個も汚れているのは珍しかった。たまーに日本人同僚と「誰がトイレを汚く使ってるのかしらね」なんて話し合ったりするが、どうしても国籍を元に分析してしまう。意外に、そういったことには豪快なドイツ人が結構怪しい。今の2階では、多分最近入った契約社員達ではと私は睨んでいる。フラメンコの公演に行った時なんか、トイレで自分の前に入っていた人が日本人だとホッとして喜んで入る。お婆さんだとちょっと警戒。外国人だと必ず便座を2回3回と拭いたりするなあ。（偏見あり）。日本の海外旅行用品売り場で見かける便座除菌クリーナー。昔は「日本人って神経質ねえ」なんて思っていたが、これはやはり必需品。海外にお出かけの際は、是非予備のティッシュ数個と除菌クリーナーをお持ちください。

  2006年12月15日

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• 聞いてないっ。。

  さっきスペインオフィスに「この仕事を月曜日の午後から始められる？」ってリクエストを送ったら、「Ｇｅｎｋｉ－ｄｅｓｕ」ってひと言返事が返ってきた。いきなり「元気です」って、聞いてないっちゅうねん。どうも彼が使った辞書では「Fine」=「Genki desu」と紹介されていて、仕事を引き受ける時に使う「Fine」（「できます」または「都合がつく」）と混同してしまった模様。どうせ使うんなら正しい使い方を覚えて欲しくて、くどくど説明して返信したら、「どうせ自分の日本語は変だから」って拗ねられた。自分も外国語では苦労しているだけに、外国人が使う日本語にもどうも厳しくなりがちな私。挨拶程度に捉えて軽く流しときゃ良かったな。でも「元気です」だけじゃ、仕事やってくれるのかくれないのか判らないし。今は暇だから笑顔マーク付でお返事書く余裕があるけど、忙しくて気が狂っているときだったら「中途半端な日本語で返事するんじゃねえ」ってキレてたかも。

  2006年12月15日

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• 早起きブーム

  明日できることは今日やらない、間違えると嘘の言い訳をするか責任転嫁、挙句の果ては「知らない」で乗り切ろうとするイギリス人達。次の仕事もイギリスでと思っているが、どうせまた同じような無責任タイプの同僚と仕事をすることになるのかと思うと、何が自分にとって良い事なのか判らない。いよいよ帰国か、欧米か。（遅まきながら近頃タカアンドトシにかなりハマっている）。ま、それはさておいて労働力の質としては一般的にイマイチな欧州人（ま、イマイチな人しかいない会社にしか勤めた事がないだけかも）であるが、彼ら、朝起きるのだけは早い。特に高いお給料を貰っているに違いないお偉方は、毎日、一般民衆が出社する30分から1時間くらい前には出社する人が多い。きっと朝9時くらいからミーティングがバンバン入っていて、自分の仕事ができる時間は早朝ぐらいしかないからなのかもしれない。一般民衆社員のなかでも、同僚達は、多分家族や友達やパートナーとの時間を大切にしたいからなのだろう、仕事が溜まると夜遅くまでの残業よりは早朝やって来て誰にも邪魔されない時間帯に仕事を片付ける人も多い。「朝10時までは昨日の続き」、「午後3時過ぎからはもう明日」と自分に都合のいいように期限を解釈する人が多いせいもあるかもしれないが。いずれにしても、ダラダラ遅くまで残業していると、なんか「夜する事がないのね」と思われるケースもあるし、前の日に遊んで次の朝遅く出社なんて、とっても恥ずかしいこと。一般的には、月曜から金曜まではとりあえず会社の日とわきまえている人が多い。前置きが長くなったが、さっき日本のニュースをチェックしていたら「ビジネス街で早起きブーム」という見出しが目に付いた。日本のオフィス街で、「早起きして趣味の時間に当てよう」というキャンペーンが行われているとか。記事の中では、朝っぱらからフラダンスをやっているグループもあるらしいが、そこまで元気はないけど、朝早く家を出てカフェでのんびりコーヒーを飲んで出社、そんなのは気持ちよさそうだなあと思った。朝早く起きてやると、同じ事を夜するよりは達成感が高いとか。うーん、妙に納得。ま、そういう私はと言うと、元々夜型だし(言い訳1)、朝8時半から9時過ぎまで道が混んでたった5キロの通勤に45分かかったりするし(言い訳2)、仕事もアメリカのお客さんが多くて時差の関係で夕方遅くから対応する事も多いし(言い訳3)、遅く帰宅すると就寝まで少なくとも何か5つのアクティビティーをこなさないと満足して眠れないので早寝なんかできないし（言い訳4）などの理由で、出勤は9時半、ま、ここだけの話、最近は10時までに行けばいいかっていう状態。はっきり無責任な作業員色に染まっている。朝ごはんも食べたほうが絶対いいし、来年から早起き、朝ごはんを始めてみようかなあと思う。アメリカのお客さん云々と言いながら、自分の出社が遅いせいで逆にアジア地域のローカルオフィスの人には彼らの時間で夕方6時ごろにリクエストを送ったりと、ちょっと迷惑を掛けているし。じゃ、来年からと言う事で。

  2006年12月13日

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• シークレット・サンタ

  クリスマスシーズンもたけなわ。外国人の社員が多いこの会社では一時帰国する人も多く、今週辺りから一人また一人とクリスマス休暇に入る。私も仕事も忙しくないことだし、後10日なんて蛇の生殺しみたいな事を言わずに、いっそ明日からでも休みにして欲しい。家族や親戚が多い人は昼休みの時間をクリスマスショッピングに当てたりと、仕事どころの騒ぎではないようだ。と、お祭り気分も盛り上がってきたところで、今年も事務室では恒例のシークレット・サンタが催される。社員の誰かの名前が書かれた紙をくじ引きみたいに引いて、その人の為のプレゼントを用意、で、一斉に皆でプレゼント交換をやる。プレゼントの金額の上限は5ポンド、誰が誰のプレゼントを買うかは秘密にしなくてはいけない。去年は、当時のボスがくじを引いてすぐ、隣の部屋の別のボスのところに直行、大声で「何が欲しいんだ」と質問して「Ｓｅｃｒｅｔ Santa」ではなく「Slight Secret Santa」(ちょっとだけ秘密のサンタ)だと大笑いした。その年、私は新入りのドイツ人同僚の名前を引き当てた。同じグループと言っても何の交流もないので好きなものも趣味もわからない。隣の席の同僚に何気なく探りを入れてもらったところ、彼女の好物はＲｉｃｏｒｉｃｅ。こんな食べ物見た事も聞いた事もない。おまけにこの情報を教えてくれた同僚が「リコライス」と間違った読み方で教えてくれたものだから(本当はリコリシェとかなんとか言うらしい)、「リコライス、リコライス」と唱えながら何件も店を廻って結構大変だった。結局このＲｉｃｏｒｉｃｅ、漢方薬みたいな味がして真っ黒でお菓子屋や自然食品の店でグミ状になって売っていた。ちょっとウェブで調べると、「ラクリッツ」という甘草（かんぞう）植物の木の根より抽出した味らしい。バリエーションとしてチョコと混ぜたチョコ味なんかもあったぞ。うげえ。常々変わった人だとは思っていたが、こんなものを好きだなんて。結局5ポンド分、紙袋いっぱいに詰めてプレゼントにした。私には、普段私が羽根毛のついたボールペンを愛用している(普通のボールペンだが、先に羽根で作った大きな鳥がついていたり、フワフワの中からいきなり大きな花が咲いていたりする系統のペン)ので、ラメ付きのボールペンを貰った。3月くらいになって、隣の席の女の子が「実はそのボールペンは私からだったのよ。使ってくれてるのね」言ってきた。と、まあ、ギスギスしたオフィスのちょっとした話題作りには最適。会話も弾むというものだ。それに5ポンドって結構色々買えるのねえなんて発見もあったりして、社内の人付き合いには余り積極的でない人も結構楽しめる。今年も一週間ほど前に、くじが廻ってきた。同僚の女性がくじを引いた直後、無防備にもボーイフレンドか友達に「今、シークレットサンタで○○さんを引いた」と話しているのが周囲に漏れて、またまたＳｌｉｇｈｔ Secret Santaになっちゃった人もいたが、プレゼント交換は今度の金曜日。これを口実に金曜日は仕事しないんだろうな、みんな。

  2006年12月12日

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• ロンドン・フラメンコフェスティバル　2007

  最近どうも調子が悪い。気力が湧かないっていうかものすごい脱力感。ここ一年近く、５分刻みで別のことが起こる嵐のような毎日を過ごしてきたのが、ここ数週間でそれぞれのプロジェクトが終了間近。動いていないと死んでしまう鮫君でもないだろけど、なんだか追い立てられないとヤル気がでないなんて情けない。という事で、ちょっと自らを活気付ける為にロンドンフラメンコフェスティバルのチケットを予約してみた。今回のショーのラインナップは下記の通り。２月２４日、２５日　(土曜日、日曜日)Ｂａｌｌｅｔ Ｆｌａｍｅｎｃｏ Eva Yerbabuena２月２６日　(月曜日)Estrella Morente　(カンテですよね)２月２７日　(火曜日)Ｍａｌａｇａ en Ｆｌａｍｅｎｃｏマラガ出身の２０名以上のアーティストでお送りする、マラガのフラメンコのパフォーマンス。歌手Rocio Bazan、マラゲーニャ・ファンダンゴのグループPanda de Verdiales、そしてRocio Molinaなんかも出演するらしい。２月２８日　(水曜日)Isabel Bayón Campania Flamenca with guest artist Miguel Poveda3月１日(木曜日)Gerardo Nuñez Quintet with guest artist Carmen Cortés(どうもギターの日らしい)３月２日(金曜日)Campania Carmen Cortés（また出るんだ、カルメン・コルテス。連チャンじゃん。）３月３日(土曜日)Ｇａｌａ Flamencaこれは凄い、Joaquin Grillo, Isabel Bayín, La Moneta, Manuel Liñan, Olga Pericet, Marco Flores等が一気に出演。今年で４回目のフラメンコフェスティバルだが、今回はいつもに比べて期間も一週間と短め。昨日ウェブで見たときは、なんだか迫力に欠けるメンバーかしらなんて思っていたが、こうやってつくづく書いてみると、なかなかいいんじゃないでしょうかね、うへへ。私は、エバは多分３月にスペインで見れるので今回はパス。あの小学生のようなＲｏｃｉｏＭｏｌｉｎａをもう一度見たくて、２７日のＭａｌａｇａ en Ｆｌａｍｅｎｃｏを予約。よくよく説明読んでみると２０人も一挙に出演なんて（しかも全員マラガ出身でしょ）、もしかしたら良い選択だったかも。それからMulti-buy Discount（２公演以上のチケットを買うと２０％オフ！）につられて、水曜日のIsabel Bayónも予約した。この人よく知らないんですけどね。ああ、でも最終日のＧａｌａ Ｆｌａｍｅｎｃａ見たかったなあ。私は行けないけどJoaquin Grilloが本気で踊ってくれる事を願う。後、久しぶりにＭａｒｃｏ Ｆｌｏｒｅｓも見たかった。昨日見た感じじゃあ、まだまだ良い席とれそうでしたよ。予約まだの方、今がチャンスかも。：）

  2006年12月11日

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• シリーズ3回目、Strictly Come Dancing

  クリスマス直前の今日この頃、週末はちょっと近所のスーパーに出かけるにしても駐車場に入るのに30分近くかかったりと、うっかり外へも出られない。昨日も夜9時ごろ、人目を忍んで（ノーメイクの為）スーパーに出かけたが、「今日はとりあえず今必要なものだけ買うんだ！」なんて声高に言い合いをしている家族連れの客がいたりと、まったくたった一日のクリスマスの為に皆ストレス一杯である模様。家族には一人あたり3－4万円のクリスマス・プレゼントを渡すイギリス。買い物客でごった返しているロンドンへは近寄りたくても近寄れないでいる。外も寒いし、パーティーに誘われてもなんだか出かける気も起きず、週末は家でじ－っとしている。そんなまったりとした週末の楽しみは、毎週土曜日の夕方放送、今年でシリーズ3回目のStrictｌｙ Come Dancing.。今回はEmmerdaleというソープ・ドラマ（連続ものの庶民派ドラマ、ちなみに私は見たことない）で悪女役をやっているらしいClaire Kingとペアを組んだNewzealandのプロ・ダンサーBlendanが、Claireの毒気にやられちゃったのか、審査員の評価を不服として揉めに揉めて、生放送中にスタジオを飛び出したりと、かなり険悪かつエキサイティングな展開。Claire＆Blendanのペアに触発されて、審査員は絶対とばかりに貝のように口を閉ざして批評を聞いていたプロ･ダンサーが「評価が不整合」と審査員批判を公言し始め、雰囲気は番組史上最悪、言い方を変えれば、番組史上最もドラマチックな内容となった。シリーズも3回目ともなると、常連のプロ・ダンサーも審査員のクセのある採点振りに長年の鬱憤が出ちゃうのかしらね。今回私が応援していたのは、元マンチェスター・ユナイテッドのゴールキーパー、Peter Schimeichel。最近はBBCのサッカー番組で解説なんかをやっているが、その優しい語り口が大好きで、できるだけ長く残って欲しいと願っていた。「これだけの巨人の割にはよく踊れました」等と最後まで若干人間扱いされていなかったピーターだったが、私が日本から帰ってくるとすっかり落選していた。昨日の土曜日は、Eastenderというソープ・ドラマで不幸な少女役をやっているらしい若干17歳のLouisa、元Baby SpiceのEmma、クリケットの選手のMaｒｋとラグビー選手のMattが僅差の死闘を繰り広げ、結局、皆からかわいがられていたLouisaがEmmaと決戦の末、敗れ去ってしまった。元Baby Spiceは、さすがにかつて世界を風靡しただけあって、その腐っても何チャラ的なテクニックと、微妙な自信、それにパフォーマンス度の高さで、いつも審査員の評価では最高点。ところがこれに一般視聴者からの投票が加わるといつも最下位争いをしているところをみると、どうも視聴者からの投票はいつも最低ランクのようだ。何か変なプライドでもあるのかそれとも大人なのか、「振りを覚えてきちんと踊れるのは私にとってとても重要な事」だとか「今までで一番貴重な体験」など、ありきたりのソツのないコメントしか言わないEmmaは人形のようで、どうしても「優勝したい」という熱意が感じられなず、いまいち一般民衆の心を揺さぶれずにいるようだ。クリケットとラグビーという国民的スポーツの花形選手との一騎打ちが待っている来週、彼らには各スポーツ界からの固定票がついている。Emmaちゃんも、ここはもうちょっとくさい演技でもして、音楽ファンの票を集めないと負けちゃうぞ。

  2006年12月10日

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• 素朴な英語

  最近英語のネイティブでない人々の、シンプルかつストレート、しかも「ネイティブは言わないよねぇ」という英語を聞くことが多いが、これが結構、的確に感情を表しているのがかわいくて、ツボにはまって笑い転げてしまうケースが多々ある。数週間前にまた始まった恒例の、ＢＢＣの「Strictly Come Dancing」は今週セミ・ファイナルでここまで勝ち残った精鋭4組で佳境を迎えているが、その中の優勝候補のLouise&VincentペアのVincentはイタリア人プロダンサー。このＶincent君、先週、演技が終わって審査員から「私は今の振り付けは好きではない」等の批評を受け、「If you don’t like, I will leave the country」（「今の振り付けが嫌いなんて言うんだったら、「こんな（センスの無い」国、出て行ってやる。」の意）。ま、居てくれと頼まれてもいないのに「出て行ってやる」と言う拗ねた感じと、国を持ち出しての言い分が面白くて、大笑いしてしまった。後々よく考えると、そう言えば私も、ちょっとした距離感（引いた感じ）を出す為に「in this country」(「この国ではさあ」)なんてよく言うなあ。そしてつい昨日、帰りに同じ会社の日本人同僚をご飯に誘いに行ったところ、なにやらメールを書いている。最近彼女は所属変えがあったのだが、新しい所属先から「来年度は生産性100％以上を目指すように」とのお達しがあったとの事。その「何が何でもとにかく働け」的な言い方にカチンときた彼女がボスにメールを返信していた訳なのだが、ちょっと読ませてもらっていたら、その中で「I’m not a robot」(「私はロボットじゃない」。)と書いていた。もう素朴さとかわいさががたまらなく面白くて、今日も私の頭の中では「I’m not a robot」と繰り返し渦巻いている。

  2006年12月07日

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• 正論

  最近、非英系の友人・知り合い諸々と話す機会が多いが、なんだか最後は決まってイギリスの悪口になる。旧東欧系のフラメンコ仲間は「イギリス人って映画や政治に興味を持つ訳でもなく、日々他人のゴシップに明け暮れている。本当にレベルの低い人達ねっ」と散々に言い散らかす。続けて、「ま、でも国民が政治に関心がなくて大人しいってのは、暴動が起きる心配もなくて国にとっては都合が言い訳よ」とちょっぴり社会主義テイストの入ったコメントで締めくくる。最近帰国を決めた知り合いは、「この国にいると自分がだらしなくなるから」と言い捨てた。ま、周りにどんなイギリス人がいるかによって国に対するイメージは変わったりするものであるが、特にイギリスを愛している訳でもなく気が狂うほど嫌いでない私としては、「ふーん、そうかねえ」と聞いている。確かにイギリス人って覇気がないっちゅうか、とりあえず大人しい。私は最近スーパーで大人しく品物を選んでいるイギリス人たちを見て変な愛情が沸いたりしているが、人によっては「食べる事と飲む事と寝る事しか考えてなくて退屈」に見えてしまうのかも。基本的にガッツが全面に出ないタイプの人が多いので、何かにつけ達成感も責任感もないけど、ま、やらないといけない事はある程度いつかは終わらせてるし、お行儀もそんなに悪くない。やっぱり要は、どういう人と交流を持つかによるのかなあなんて思う。そんな事を考えつつ、そう言えばこの間私がイメージする正統派白人系イギリス人を見た。ロンドンの交差点で信号待ちをしていると、対岸に背が高くて顔が尖っていて、しかもメガネ。大きな黒のロングコートにスーツ、肩にはパソコン。ご多分に漏れず、金曜日の夕方だったこの時、携帯電話で彼女か奥さんか友達か、週末の予定について電話をしている。「はあ、典型的ねえ」なんて思いながら見ていると信号が青に変わった。金曜日の夕方で混んでいる道路では、横断歩道の上に平気で車が停車する。歩行者の信号が青でも自分の前の信号が青に変わると、前後の歩行者に注意せずやおら発進したりして危険だ。で、この時もその「典型」君が道を渡りだした途端に横断歩道の真上に停車していた車が走り出した。ちょっと気が立っていたらしいこの「典型」君、「Excuse me! It’s green!」(「ちょっとこらっ、信号は青だろ！？」の意味)と声を荒げて抗議した。短いSwear Word(Fなんかで始まる人前で言うと顰蹙を買う悪い言葉)ひと言で片付けず、きちんとした理由を述べるあたり、やはり見込みどおりの正統派、とちょっと嬉しくなった金曜日だった。

  2006年12月01日

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• リス

  リスと言えば、うさぎやペンギンなどと並んで私の好きな動物のひとつだった。最初に野生のリスを見たのは十数年前、旅行先のカナダだったと思う。川の傍で観光客から餌をもらっている姿は、漫画・キャラクター化されているリスよりはもう少しネズミに似ていて思ったほどではなかったけれども、確かにかわいかった。会社の裏の駐車場にリスがたくさん住んでいる。裏の家の林檎の木から、自分の胴体ほどもある大きな林檎を収穫しては嬉しそうに運んでいる姿を見ていると気持ちが和むが、こうして毎日彼らの行動を見ていると、リスは意外にも戦闘的で、仲間同士のいさかいが絶えない。キーキー声を出しながら追いかけっこは日常茶飯事、かわいい顔に似ず割と我儘そうな性格にも見える。そんなこんなでリスを観察し続けること早４年、現在、リス君達は私の好きな動物ではなくなってしまった。この間会社の駐車場をブラブラ歩いていたら、栗が落ちていた。栗園や山以外で普通に栗が落ちているのに驚いた。なんだかとっても珍しいので、拾って家で茹でて食べてみようかと思ったが、もしかしたらこれはあの攻撃的なリス君達の御昼食で変な恨みを買うのも嫌なのでそのままにしておいた。そうこうして時間潰しをしているうちに、名前も知らないけどよく話をする同僚が表に休憩に出てきて、あまりにも話す事がなかったので、「向こうに栗が落ちてるよ」と教えてあげた。その同僚、この情報に予想外に食いついてきて、それから暫くリス談義。リス君やキツネ君は、ロンドンの公園や住宅地にも割りと普通に住んでいるが、最近のニュースで、ロンドンのドラッグディーラーが公園の茂みに取引物を隠していたところ、お腹がすいた都会のリス君がこれにうっかり手を出してしまったとか。ラリってしまった可哀想なリス君、ちょっと頭がおかしくなって次々に人間に襲い掛かっているという話を聞いた。環境が破壊されたせいだかなんだか、都会暮らしの動物にまつわる話はいつも悲しい。私もたまにロンドンの公園の近くでゴミ箱をあさっているキツネ君を見たりすると、「本来の姿じゃないよねえ」とちょっと胸をふさがれる思い。駐車場のリスはうるさくて嫌いだけど、都会暮らしのリスよりよほど幸せ。これ以上不幸なリスを出さない為にも、もう少し温かい目で見守っていこうかななんて思った。

  2006年11月24日

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• 帰った早々、イギリスモード

  大学時代の先輩方や友人にも久し振りに会えてとっても楽しかった今回の一時帰国。イギリスへ出発当日、母が撮りダメしてくれていたビデオや日本食をスーツケースに力一杯詰め込んでJ○Lのカウンターに並んだところ、私の荷物は32キロ。「国際線は20キロまでになっております」と早朝勤務で融通のきかない係りのお姉さんが荷物を受け付けてくれない。超過料金払って持っていこうと思ったら、「5万円でございます。」5万円だったらさすがに航空便で送って貰った方が全然安い。で、「こんな事言われたの初めて」と文句をいいつつ（本当に初めて。いつもは30キロくらい平気で運んでくれる）、涙をのんでビデオを何本か減らしたり、日本で買ったヒラルロン酸（でしたっけ）入りのパックを減らしたり。文句を言うたびに杓子定規にマニュアルを確認するだけのお姉さん、もうちょっと客あしらいのお勉強なさったら？ま、そんなこんなで十数時間後、自宅に到着。実は今回私が帰国している間に、あのタイルがはがれてガムテープで止めてあったバスルームを全面改装してくれているはずでる。アパートの前で鍵を持って来てくれた大家と落ち合うと、「バスルーム、綺麗になってるよおっ」と自慢気な大家から嬉しい報告。で、次の瞬間、「でもね、今日はお湯がでないから」。ああ、やっぱりね。半分予想していた事とはいえ、12時間も飛行機に乗った後シャワーのひとつも浴びれないのはショックだ。私の部屋は土禁。私が（イギリス標準よりはいくらか）綺麗好きであることを知っている大家は、「部屋は汚さないようにして工事してもらったから」と何度も言って帰っていったが、部屋に入っていつもの定位置に座って部屋を見回したところ、なんだか白っぽい。しかも部屋に入ってから喉がイガイガして咳が止まらん。恐々、テーブルを指でツーッと触ってみたところ、厚さ１ミリ程の埃が積もっている。よくよく見ると、部屋が埃でちょっとした一面の銀世界になっていた。出かける前に干していった洗濯物も真っ白く埃を被っている。時間がないのに慌てて洗濯したのに、無駄だった。荷物をほどくのが先か掃除機をかけるのが先か、もう何から手をつけていいのか判らない。このままではただ座っていても汚れるばかりなので、寝不足でフラフラしながらとりあえず部屋中掃除機をかけ、棚の雑巾がけをした。それからスーツケースを片付けて、そんなこんなでちょっと汗かいて。そしてお風呂には入れない。だってお湯が出ないから。湯沸しポットでお湯を沸かして、濡れタオルで体をふく。江戸時代じゃあるまいし、こんなの生まれて初めてだ。一息ついて「何か食べようかな」と台所へ行くと、ミネラルウオ－ターのペットボトルが数本なくなっている。これらは、どうもバスルーム職人さんがお飲みになった模様。冷蔵庫を開けると、でっかい飲みかけの牛乳のボトルが入れてあったり、味噌の場所が変わっていたり。飲みかけで置いていったコーラもなくなってる。戸棚を開けると、コーヒー、砂糖もかなりの量使い散らかしている。その横に置いていた中国茶のコレクションに関しては、一旦飲んでみようと試した形跡はあるが、口に合わなかったのか量は減ってなかった。そしてさっき、そういえば台所に大判のチョコを2枚置いていたのだが、それも綺麗になくなっている事に気付いた。私も、出かける前に、「バスル－ムの職人さんに紅茶セットでも用意しておこうかな」と思わない事もなかったけど、こうしてあっちこっち戸棚を開けられて、飲み物だけならまだしもチョコまで食べられて、私はちょっと気分が悪いぞ。電話や家電製品を直しに来てくれたエンジニアにお茶を勧めると、当然のように「コーヒーがいい」とか「いや、自分は紅茶が好き」なんて注文してくるのを見ると、どうもイギリスでも家の修理をしてくれる職人さんには飲み物は振舞うのは習慣であるようだが、一度、ステレオを直しに来た民間の修理業者に変な色目を使われて、私は家にやってくるエンジニアにサービスするのは一切辞めている。それにしてもチョコまで食べるのは泥棒と一緒。大家にも口を酸っぱくして「貴重品は絶対残して行くな」と言われていたが、ま、チョコ程度ですんで良かったのかも。

  2006年11月19日

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• 

  阿蘇

  一時帰国中。両親と熊本県の阿蘇に旅行に出た。阿蘇登山中。（徒歩ではありません）。すすきが秋の日を浴びてキラキラ輝いていた。ああ綺麗。しかし、日本は日差しが強い。ヘタっていない秋の日差し。ああ、いい気持ち。そして、夢にまで見た紅葉。まだ早いかと思ったけど、黒川温泉では丁度もみじが見ごろでした。そう言えば、イギリスのホームセンターでモミジが一本20万円で売られていたのを思い出した。なんだかわからない木の実も。。温泉町、川、そしてモミジ。最高じゃあ。

  2006年11月09日

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• 荷物検査

  今日から2週間の予定で一時帰国。相変わらず出発当日の朝ばたばたと荷物を詰め、それでもとりあえず飛行機出発3時間前には空港に着いた。前回のテロ未遂事件直後は、バックの中身を透明なビニール袋に詰め替えて必要最小限のものだけが機内持込を許されていたようだが、2ヶ月程前に帰国した友人の情報によると化粧品や液体はまだ持ち込み禁止であるものの、バック自体は特に検査もされないとか。「喉元過ぎれば熱さなんちゃら」という諺のように、事件直後は大騒ぎをするが何事も長続きしない、妙に実際的なイギリス人達。さて今はどういう基準であるのか、ちょっと不安なまま、J○Lの受け付けカウンターへ行った。結局、化粧品も液体ルージュでなければ持ちこみ可。液体、ただクリーム、ゼリー状のものは何であろうと一切不可。私のパレット状の口紅は微妙なポジションだったが、検査に引っ掛かると捨てられてしまうという事だったのでスーツケースの方へ移し変えた。コンタクトレンズの洗浄液や化粧水はもともとバックには入れてこなかった。ひとつ困ったのは、持込バックがひとつしか許可されていない事。これは想定外だった。パソコンとショルダーバックをひとつにまとめるようにカウンターの人からアドバイスを受け、J○Lの紙袋までいただいたが、結局パソコンの方のバックにショルダーバックの中身を全部移してバック自体も折りたたんで突っ込んで、逆三角形の相当不恰好の形になってしまったが、1個にまとめた。「こんなの意味なーい」と思いながら出国の列に並ぶと、皆さん、変なお土産用の袋をひとつ持っていたり、用意のいい人はスポーツバックに全て移し変えていたりと、苦労の様子がありあり。私は、空港でよく見かける、身だしなみのいい白人金髪系のお姉さん達がどういう袋を持ってチェックインするのかが非常に気になっていろいろと探してみたのだが、この日はどうやらビジネストリップのパツキンはほとんど居らず。大抵が、カップルの男性の方の大きなバックに自分の物を入れてもらっているのか、見かけを損なう事なくおしゃれな小型バックひとつで優雅にチェックインなさっておられた。ああ、女性はやはりああじゃなきゃかしらなんて、不恰好な逆三角形のバックを持ちながらちょっと落ち込む。パスポートコントロールに続く列に並んでいる間、数人の空港職員が、搭乗客一人一人に「液体とライターはここに置いて行って」と声を掛けてくる。前に並んでいた北欧系のカップルはどうも二人揃って唇が乾く体質らしくリップクリームを塗っていたが、それも目ざとく発見され、「クリーム状のものは置いて行って」と注意をされていた。「あんたらがこのリップクリームを取り上げるから今必死で塗りダメしてるんだよっ」と、リップクリームを持ち込めない不便さにかなりお冠のご様子のこのカップル、荷物検査デ自分の番がくるまで、二人で必死でクリームを塗っている様子が面白くてずっと見ていた。荷物検査では新たに全員靴を脱ぐという規則が設けられていたのと、荷物検査の後にもう一度パスポートのチェックがある以外は大して変わった事もなく、私は、検査が終わるとそそくさと荷物を二つに戻した。荷物検査の機械がグレードアップしているのかどうかは知る由もないが、なんだか、手間ばっかりかかって、効果の方は如何ほど？って感じ。それにしても離陸後、上空からは無数の花火がフラッシュのようにピカピカ光っているのが見えてとても綺麗だった。花火もね、音さえなければ綺麗でなかなかいい。

  2006年11月05日

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• アタック

  ここ数週間、秋のフェスティバルシーズンで花火が手軽にスーパーで手に入るせいか、毎日毎日ドンドンドーンとうるさくて仕方ない。しばらく前の話になるが10月31日はハロウィーン、11月5日の週末はガイ・フォークスデーと、いよいよ西洋系が花火合戦に参戦。お祭り気分も最高潮である。ハロウィーンの本場はやはりアメリカのようであるが、ここイギリスでもスーパーに行くと大きなカボチャやフランケンシュタイン系のお化けのお面や骸骨セットなんか売っていて、子供へのエンターテイメントの為か、カボチャをバスケットに入れている30歳台位のカップルも結構多い。そんな10月31日、会社の白人系同僚がアジア系（この場合は主にインド・パキスタン系を指す）の若者数人に襲われた。後から聞いた話によると、ハロウィーンの夜はお祭り気分に乗じて悪事を企てる輩が多く、暗くなって道を歩くと危ないからと、いつもは電車通勤のOLさんもタクシーで帰宅する人が多いとか。襲われた同僚（男性）は、夜8時ごろ、会社から会社のすぐ近くに借りている家まで徒歩で帰宅途中の裏道で、狭い道の両側の壁にアジア系の若者が７－8人（誰かを襲おうと）たむろしていたところに行き当たってしまったらしい。彼のすぐ先を歩いていた女性の2人連れは、2人連れだったせいか無事通過。で、同僚が前を通り抜けようとした瞬間に、8人がワッと一辺に襲ってきたらしい。この同僚のハウスメイトが、私がたまに一緒に遊びに行ったりするこれまた同じ会社の日本人同僚で（彼とは働いている部署も同じ）、彼女は家の外で自分の名前を呼ぶ声が聞こえるのでドアを開けると、彼が血みどろで立っていたらしい。彼女の方は、「ハロウィーンだからってメーク懲り過ぎなんじゃないのぉ？」なんて最初はいたずらだと思ったらしいが、目の前で段々気が遠くなっていく彼の様子にこれは本物の怪我だと気付いたらしい。なにか棒のようなもので殴られたらしく、結局救急車を呼んで病院で見てもらったところ、頭部を数針縫う大怪我だった。なにしろ場所が頭なので、お医者様からも「本人を一人にしてはいけない」との注意が出ていて、その日本人同僚は数時間おきに電話をかけてあげたり、チームのマネージャーは、近くのGPで包帯を替えてもらえるように手配をしたりとなかなか大変そうであるが、なんだか会社のその部署一体となってサポートしている様子に心が温まる。テレビのニュースやなにかで、有色人種系の若者が白人系数名に袋叩きにあって死亡する事件をたまに耳にする。そういった事件への報復か何か知らないが、いずれにしても、何の関係もない人を意味もなくいきなり襲うなんてどんな目的があろうとも非生産的・非効果的だし、ちょっと頭おかしいんじゃなかろかと思うが、そういうメンタリティーが一部の若者の間で蔓延っているのを目の当たりにして、とても恐ろしい。たいした判断力もないティーンエージャー達を情報操作で洗脳したり、こうやって仲間内で冗長しあって行動がエスカレートしていったり。これじゃあ、テロ警戒レベルを４や５に引き上げて空港の荷物チェックを厳しくしたところで、何の対策にもなっていないような気がする。危険分子は国外からやって来ているのではなく国内にいる。

  2006年10月31日

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• 刻んでみたら。。

  大殺界の恐怖と戦いつつ、今年を何とか「転機」の年にしたいとあがいてみたが、諸般の事情によりとりあえずあと数ヶ月は現状維持をせざるを得ない模様。気を取り直して数週間前に来年３月までに予定している休暇の届を一気に申請したら、突発的な用事で私が自由に取れる休暇はあと一日。もし何かあったらズル休みかなあ。。なんて思っていたら金曜日に用事が入って会社を３時頃に出なければならなくなった。実は先週も、フランメンコの集中コースが６時から始まるので会社を一時間ほど早引けさせてもらったばかり。何やかやと言いつつこう見えて結構生真面目なところがあるもので、0.25日分の休暇届けを書いて出してみた。提出して２時間後、上司が慌てて「こ、これはどういう意味？２時間早く帰りたいの？」と聞きにきた。掛け算を指を使って行うこの上司の頭には0.25日という概念が存在しなかったらしく、ちょっとパニくっている。「そう、２時間早く帰りたいから」というと、またまた慌てて「あ、そんなのどうでもいいから、帰って、帰って。」と言われた。このきめの細かさと配慮、どうも欧米人（ちなみに上司はアフリカ人だけど）には伝わらなかった模様。

  2006年10月24日

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• あっちこっちボロボロ

  今日は多分数ヶ月ぶり（もしかしたら数年ぶり？）に6時半に帰宅。とりあえずテレビを見ていたらWatchdogという消費者のトラブルを扱う番組をやっていた。今日の事例は、冷蔵庫だか（洗濯機だったかな）が壊れて契約していた修理会社に連絡したところ、電話を受けたコールセンターの対応が最悪。本人曰く「どれだけお客に無礼な対応ができるかの競争をしているかのような」酷い扱いを受けたらしい。この人は電話を切った後、あまりの仕打ちに相当落ち込んで涙が止まらず、ついに修理を頼む事なく新品の冷蔵庫を買ったのだとか。実は私もこの手のコールセンターでは随分痛い目にあった。うちは大家がBritish Gasというガス会社が経営している修理会社と契約していて（多分月々5000円位払っていたと思う）、もし備え付けの電化製品なんかが壊れたら直接自分でBritish Gasに連絡して対応する事になっている。今年の4月、お湯を沸かすボイラーが半分壊れた。イギリスでは瞬間湯沸し機能のついている家はまだまだ少なくて、大抵、一家に一台大きなタンクが備え付けてあって、そこに溜まった水を温めて使う。うちのは温めスイッチが2箇所あって、ひとつは夜間の電気料金が安い間に自動的にスイッチが入って50度とか60度とかの設定温度に合わせて夜お湯を沸かして、それが翌日一日分のシャワーやお風呂、洗面台やお台所用のお湯の唯一の源となる。夏時間があったりする割にはアパート全体で電源の入切が制御されていてスイッチが入る時間を変えることもできないし、なにより、お湯を使うにつれメインの水道から冷たい水が補充されるので、暖かいお湯の分を使いきってしまうともう水しか出てこない。もうひとつのスイッチは、とりあえず好きな時にスイッチを入れると夜間用のスイッチほど威力はないものの食器洗いに不自由が無い程度の温度にタンクの水が温まる。で、4月にその夜間用の電源が壊れた。忙しいこともあってしばらくぬるいシャワーで我慢して、それでも数週間後に前述のBritish Gasに修理を依頼する為に電話したのだが、これがっ、修理が終わるまでなんと4ヶ月近くかかった。通算20回は電話をかけたし、通算7－8回、修理エンジニアの訪問を受けた。修理のためのアポイントメントをとるのは比較的簡単で、電話するとすぐに2－3日以内にエンジニアが来るよう手配してくれる。尚、連絡は常にコールセンターにフリーダイヤルで行う。で、この予約時間がなんと半日単位。「朝８時から午後1時までのいつか」か「午後1時から夕方6時までのいつか」の2種類の時間帯のいずれかを指定する仕組みで、約束をした日はいつ来るか判らないエンジニアを待ってボーっと半日過ごす事になる。一回、このシステムに納得がいかなくて、「どうして来る時間を指定できないのっ？！一日の計画はきちんとたててるのっ？！何事もplanningが基本でしょっ？！」と食ってかかったら、「交通事情で何時につくか判らないし緊急の仕事がはいったらそれを優先させなければならないし」とゴニョゴニョ説明されて、なんだか大変空しくなった。そして。予約をしていても来やがらないっ。そう、来ないのだ。確か一回目のアポイントメントの時、日本と同じように一発で直してくれると信じて、半休まで取って自宅待機をしていたら、予約時間終了ギリギリの12時くらいに電話がかかってきて、「渋滞に巻き込まれていたら緊急の仕事が入って今日は行けないから」って言われた。そのときは、ま、British Gasだし、個人のボイラー1個なんかにかまっていられない様なガスタンクの大爆発なんかが起こったのかもなんてお人好しに相手の立場にたっていたが、その後の3ヶ月でこの「緊急の仕事」というのは、あまりにも修理がはかどらなくてお客の怒りが爆発した時の対応であると学んだ。現に、私のボイラーのケースも修理を頼んで2ヶ月を過ぎたあたりから「あなたのは既に「緊急事態」扱いにしてあるから」と言われた。一回目のドタキャンの後も、その夜間スイッチのタンク側の接続部位を直すのに4回予約を取らなければならなかったし（そのうち約束どおりに来たのは2回のみ。ヒット率５０％）、焼け付いて使い物にならなくなったコードを付け替えるのに、どうした間違いかなんとガスマン（ガス専門のエンジニア）が3回も送り込まれてきたし（全て違うエンジニアだったが、何もせずに帰るその帰り際に全員口をそろえて「自分はガスマンだから電気の事は判らない」と言っていたのが今考えると面白かったりするが、その頃はもう怒り爆発。最後に来たガスマンが、一旦帰ったものの余りの私の怒り具合に、「事務所と相談して」戻ってきてくれて、慣れない手つきでコードを付け替えてくれたおかげでこのステージをようやくクリア。最後にそのコードを壁がわに接続する段階で、毎回毎回余りにも時間を取られるし、私はついにギブアップ。「私はこの件から完全に手を引く。もともとあなたのアパートでしょっ」と大家にバトンタッチ。ま､大家もその後相当モメたようだったが、結局、修理が終わる事もなく、大家がいつもの自前のエンジニアを呼んであっという間に直った。気が付くともう8月になっていた。なんてことを思い出しつつ、実は2週間ほど前に何の前ぶれもなく、今度はバスルームのタイルが6－7個はがれて落ちてきた。修理を頼む為に大家に連絡して早2週間、これは私が時間がないせいもあるが、まだタイルの修理屋さんは来ていない。さて、いつ直る事やら。気が付いたら今度はもうクリスマスになっているかもしれない。

  2006年10月17日

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• 日本とのおシゴト

  よその部署のスタッフで社内で私とすれ違う度に「コンニチワ！！」と日本語で力一杯声をかけてくるイギリス人がいる。数ヶ月前に会社に入ってきたこの人、彼が前に務めていた会社を今私が担当していたりする関係でわりとよく話をするのだが、その前に勤めていた会社がなんだか携帯電話等のとにかく小さいデバイスに入れるチップみたいなものを売っているとかで、市場から言って日本はかなりの上得意先で、彼自身も前の会社ではたびたび日本に出張していたらしい。そんなこんなで、日本人である私に訳のわからない親しみを感じている模様。昨日も帰り際駐車場でバッタリ会ったところ、「ねね、Odunkodesuってなんていう意味だったっけ？」と聞かれた。「Odunko」って言われてもねええ、「うどん粉」なんて知ってる筈もないし、ま、語尾の「desu」とこの手の会話の定番から察して「あ、「お元気ですか？」ね。意味はね「How are you ?」よ」と勘で教えてあげると、「ああ、それそれっ」と、相好くずしてとても嬉しそう。（無邪気だ）ちなみにどこかで日本語習った事あるのか聞いてみると、なんでもロンドンにある翻訳関係の会社が日本にビジネスで行くイギリス人の為に、簡単な日本語とビジネスマナーを教える一週間の集中コースをやってるとかで、前の会社の社員はほとんど全員このコースを受講したらしい。先生は、きっとしばらく日本に住んでいたんだろうけど日本語の読み書きに堪能なイギリス人女性であるという。そうねえ、下手に日本人の講師が出てきて「わが国はこれこれこんな風」なんていうより、イギリス人はイギリス人同士、同じ感覚で情報交換しあった方がきっと役に立つ事が身に付くんだろうな、ああ、こりゃあうまいビジネスだわねっと感心した。ま、時間がなくてあまり詳しく講座の内容は聞けなかったが、日本語の時間では、顧客訪問の際の挨拶やサバイバル関係でとりあえずレストランに入って注文できるくらいになるのがゴールだったとか。この同僚、「ビール」は、最後の音をちょっと変えるだけでいいからすぐ覚えられたと言っていた。面白かったのは、レストラン編で「これは生ものか調理済みか」という質問文を覚えたとか。生ものが食べられないイギリス人にとってはこれは大変大変重要な質問。ちょっと目から鱗が落ちた。ビジネスマナー編では、会議室での席順なんかを教えられたらしい。「ドアの近くに座っていて一番距離が近いからと言って、真っ先に挨拶してはだめ。その人は下っ端よ」。実際の説明では「下っ端」と言わず「一番新しく採用された」という表現だったというのが、実際的な欧米人らしくて面白い。それから日本人に「Do you understand? （判った？）」と聞くと大抵の場合は「Yes」と返事が返ってくるけれども、これは必ずしもどうするか判ったとか指示に従うなんていう意味ではなく、考え方・コンセプトが理解できただけでやるかやらないかは別だったりするので、「私の言っている事がわかる？（英語わかった？）」とか、もっと範囲を狭めて質問するようにいわれるらしい。ま、英語わからなくても、面倒くさいし適当に「Yes」って言っちゃう事あるもんね。ま、外人は日本人をそんな風に見てるんだなと思うと面白かった。日本人には日本人なりの意見や理由があるんだけどね。そんな話を聞きながら、そういえばその会社で私が今担当してる人も私宛のメールは、「苗字＋さん」って書いてくる。あれってやっぱりそのコースで習ったのかしらと思って聞いてみると、「でも日本人の人は欧米人に宛てるときには「下の名前＋san」って書いて来るよね。あれってどうして日本でと同じように苗字＋sanにしないんだろうかね」と突っ込まれた。そうそう、私もアレは常々おかしいと思っていたのよ。この点に関しては、私もこの人の意見に賛成。どうせ「－さん」をつけない事に抵抗があるなら、なんで日本人の人にするみたいに苗字につけないんだろう。ちなみに、もうひとつ名前関係で気になるのが、知り合ってほぼ初期の段階の連絡メールなんかで本人に断りもなく勝手にアメリカ様式の短縮形で人を呼ぶのはやめた方が良いと思う。この間、短縮される事が嫌いなAndrew君を勝手に「Andy, Andy」と呼んでいた日本人の人がいたな。イギリス人は名前に関しては偏屈な人が多いので、アメリカと何でも一緒にはしない方が無難かもです。

  2006年10月13日

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• コンプレックス

  昨日の昼休み、ネットで日本のニュースをチェックしていたら「英国人もフランス好き」＝世論調査というニュースが目に付いた。５０歳以下のイギリス人の32％がフランスに住みたがっていて、本国を理想の故郷と考える人達30％より多いという結果が出たとの事。やっぱりねえ。イギリス人のフランス好き、っていうかこっそりかなり憧れている感はひしひしと日々感じる。昔、フランス人女性が同僚にいたが、典型的な（たいして上品でもない）一般イギリス人の代表のようなイギリス人同僚なんかは「ボンジュール、ボンジュール」なんていつも愛想良く声をかけていたし、「フランスではこうなんだろう」なんて憧れ感たっぷりに興味津々いろいろと質問したりしていたなあ。二人とも会社にはもう５年以上勤めていてずーっと同僚同士だった訳だが、５年以上たってもまだまだ聞きたい事があるなんてやはり相当フランスの事が気になっていたに違いない。自分のことはさておいて妙にプライドが高くて冷たくて人種差別テイストがちょっぴり入ったこの同僚がフランス人に謙っている姿はとても印象的で今でも鮮明に思い出す事ができる。イギリスは島国で大陸ヨーロッパと隔離されているせいか、どうも文化や人の気質が他のヨーロッパ諸国とは異なる独自性があるように思う。どうひいき目に見ても、寒い気候の中で細々とジャガイモ作って食べていたイギリスと違って、食べ物は断然材料が豊富な大陸の方が美味しい。ファッションセンスも、四季の区別が大してなくて寒いばっかり、衣替えさえせずマークスアンドスペンサーで服を買い続けてきたイギリス人と、地続きの為か感覚にも多様性があって各国一丸となってセンスを磨いてきた感のある大陸系ヨーロッパ諸国ではちょっとした雲泥の差がある。近年イギリスでも、大陸系の真似をして道端に椅子を並べるオープンカフェはかなり一般的だし、金曜日の夕方のスーパーでは皆判で押したように必ずワインのボトルをバスケットに入れる。（あなた、スコッチウイスキーやビールどうしたの？）。レストランでラテン系の従業員に料理の説明を受けるとちょっと不自然に居心地が悪そうだったり。仕事の合間にも紅茶をすするのではなくミネラルウォーターのペットボトルを誇らしげに置いている同僚も多い。尚、前述のイギリス人同僚は私がしょっちゅうコーヒーを飲むのを見て、「今の時代はミネラルウォーターだよん。ね、そうなんだろ？」と語尾はちょっぴり自信なさげなトーンながらも、グローバルな自分をアピールしてきた事がある。ちょっとした雑談なんかでは、オープンにフランス人絡みのジョークを持ち出しては笑いの種にしたりと平静を装っているイギリス人。あの二重の精神構造に最近とても興味を引かれる。イギリス生活早４年、ま、嫌な事もあるけど、イギリス人って結構面白い。まんざら嫌いじゃありません。

  2006年10月12日

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• SUDOKU

  今かなりハマッてます、SUDOKU。日本で開発された数字パズルSUDOKU（数独）がイギリスに入ってきたのは友人の記憶によれば２年程前であるとか。当時はこちらのニュースでも取り上げられたようであるが、以来、新聞には必ずSUDOKUが付いていて、新聞を買うと記事は斜め読み、でもSUDOKUだけは欠かさずしっかりやるという知人も多い。聞いた話によるとYAHOO（UK版）にもSUDOKUがアップされているとか。私もこのSUDOKUの超人気振りはニュース等で知っていたが、日本でできたパズルっていっても「数独」なんて日本では聞いた事もなかったし（日本にお住まいの皆様は聞いた事ありますか？）、新聞も買わないし、パズルよりも、映像や音楽で暇つぶしはをしたい私には無縁の世界だと思っていた。なんかパズルってちょっと陰気くさいし。（パズル好きの皆様すみません）そんな中、２週間前の土曜日、スーパー（TESCO）に買い物に行ってハタと目に付いたSUDOKU　Book。TESCOブランドが出しているポケットサイズの問題集で１００問入っててお値段は１．８７ポンド。その週末は、ほーんとにまったく予定が入ってなくて「ま、安いし、好きじゃなかったら捨てれば良いし」と、TESCOブランドなので品質が気になりつつも買ってみた。ところがこれがっ。家に帰って一問目を解き始めて、一発でハマりました。なんかものすごーく懐かしい感じがしたって事は、いつか昔にやった事があるんだと思う。もともと数字は嫌いじゃない（というかかなり好き）なのと、頭を大して使わない単純作業にハマりやすい体質である事（忙しかった日本でのOL時代にも一時期パチンコにハマッて、御花のお稽古の帰りに同僚とちょくちょくパチンコ屋に寄って帰っていた）、まいろいろ最近考える事が多くて現実逃避願望があった事などを思えば、当然と言えば当然。その日は買い物から帰ってきて連続4時間ほど、問題を解き続けた。一問目はまぐれ当たり。ま、ビギナーズ・ラックというやつでしょうか、勘で入れた数字が当たって大正解。（大袈裟ですね）これに大変気を良くして、答えがひとつしかないという事に気づかないまま２問目も勘で数字を入れてみたらこれが間違っていて、一箇所数字を入れ間違えると後からの修正は不可能に近いと言う事も学んだ。最初はしらみつぶしに一マスずつ可能性を考えたりしていたのだが、そのうち１０問目あたりで、おやおや？ともっと効率的な方法を発見。それからは、いかに書き込みを少なく紙面を美しい状態に保ちつつ正解して行くかと、ゴールのレベルを少しづつ上げつつ解き続けて早２週間。今日まで５０問くらい解いたので、一日平均３．５問も解いている。最近はリビングに置いているとつい手にとって解いてしまうので、ベッドルームに移した。雑誌や本を読む替わりに、夜寝る前に１－２問解いておやすみなさいというのが理想だが、ついつい辞められなくなることも多くて、最近はかなりの寝不足である。私みたいにコントロールが効かないのも考えものだが、しかし楽しい。余計な事や考えてもどうしようもない事を考えなくても済むし、数字って裏表がなくていいなあなんて。もう少しSUDOKU様のお世話になる事にする。

  2006年10月06日

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  新しい靴

  7月にマドリッドのガジャルドで注文していた靴が昨日届いた。うれぴー。（表現が古い）。今の靴はエバ・ラ・ジェルバブエナモデルだけど、靴紐がいちいち解けてしまうのが難。去年、デパートで、解け難いかと思って登山用の靴紐を買ってつけてみたが、それでも解けるし、あげくにはクラスメートから「なんか紐が靴に合ってないみたいだけど。。？」と聞かれる始末。その点このメルセデスなら足元しっかり。私が靴紐を直す間、もう先生に待ってもらわなくても済む。靴が届いても箱から出したり入れたり、眺めたり、写真を撮ったりしながらも、まだ試着もしていない結構貧乏性（というかある意味淡白）な私。早速練習で使う訳もなく、しばらくテレビの横に飾って、来年からでもボチボチ履いていこうかしらね。

  2006年09月24日

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• ウエスト・エンド

  私はミュージカルは大好きであるが、どうもミュージカル＝ブロードウェイじゃなきゃなんていうコダワリがあったりして、ロンドン近郊に住んでいながらウエスト・エンドに足を運んだ事が殆どない。劇団四季のミュージカルは日本語なだけにとても判りやすいのでこれは別としても、ブロードウェイ・ミュージカルに出ているスター達の、いっぱいイジったんだろうなあと思わず邪推してしまうあの完璧な美しさと鍛え上げられた肉体、素晴らしい身体能力、高い歌唱力。いくら同じ英語を喋るからってロンドンで真似してやってんじゃねえっと心の中でウエストエンド・ミュージカルをこっそり馬鹿にしてきた。そんな訳で、過去ロンドンで観たミュージカルといえば、こっちに引っ越してきて２ヶ月目に大のQueenファンである友人に連れられて行った「We will rock you」のみ。これがまた、Queenファンなら文句なしに楽しめる内容かもしれないが、歌やダンスを見に来ている私としては、ストーリーも幼稚だしやはりイマイチの印象。ますます高いお金を払ってまで観に行く気がしなくなった。もう数週間前に終わってしまったのだが、Strictly Come Dancing等のコンペティション番組で最近調子に乗っているBBCが、今度は「How to resolve a problem like Maria ?」という、新しいウエストエンドミュージカル「Sound of Music」の主役を選ぶオーディション番組を数週間にわたってやっていた。視聴者の電話投票でウエスト・エンドの主役を選ぶなんて、客集めの意図がミエミエでありながらもその企画の賢さに興味を惹かれて後半の数週間観ていたのだが、これがいつものダンス大会とは一変して、ものすごい歌唱力のある女性達が、演技をしながら踊りながら主役獲得を目指して力一杯歌っている姿が非常に新鮮。マイクが小さいせいもあるが、男性ダンサ－と絡んだり踊ったりしながらも、「歌はテープじゃないの？」と疑う位、全くブレることなく軽々と歌いつづける彼女らのパフォーマンスにすっかり感動してしまった。勝手な意見を言わせていただければ、日本人は平べったい声を張り上げる感じで歌がうまいと評されている歌手が多いような気がするが、西洋系の人は、ショップの店員の鼻歌なんかでも前に思ったのだが、体力があるからというのもあるんだろうけどなんだか声自体が深いというか幅があるような気がする。結局、決勝には、数々のオーディションを受け続けちょっと顔に苦労が滲み出ている実力ナンバーワンでセミプロのConnieと、とにかく背が高くて美人でスターの風格はあるがイマイチその若さからくる経験不足で表現力に欠けるSibhan、そして声はダントツに綺麗だがちょっと顔が陰気くさくて明るい芝居が苦手、視聴者ウケの悪いHelenaの３人が残った。結局、結果発表の翌週からすぐに１１月３日のプレビューに向けてのリハーサルが始まるというタイトな日程からか、Maria役には、経験者でコンスタントに歌にも演技にも力が出せるConnieが決定。長年の「夢」がまさにかなっってしまった彼女がとても羨ましい。今ちょっとウェブでチェックしてみると、今現在売り出されている１月半ばまでの公演のチケットは既に１月以降の数日しか残っていない模様。こりゃ大当たりである。私もConnieちゃんがもうちょっとウマくなった来年春くらいに観に行こうかなあと思っている。

  2006年09月16日

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• Blue

  昔は一週間の中で苦手な曜日は木曜日だった。月、火、水と３日間働いて疲れがでるのか、朝も起きられずグッタリという状態になっていたものだが、最近は何故か月曜日がとてもつらい。雨なんか降っているとさらに落ち込む。ちょっと自分で分析してみたが、これは週末に何をやったかにはあまり関係がない模様。週末に出かけたら疲れてもう一日休みが欲しくなる。→会社に行きたくない→忙しいの判ってるし、次の日が怖くて休めない→機嫌悪。週末家でじっとしていた時は、動いてないのでなんだか体がだるい。→会社に行きたくない→忙しいの判ってるし、次の日が怖くて休めない→機嫌悪。ところで今日、地下の駐車場でファイナンスのお姉ちゃんとバッタリ会って「元気？」と聞かれたので、「あまり元気じゃない。Blue Monday」と言ってみたところ、きょとんとされた。私の記憶も定かではないが、昔日本には、月曜日会社に行きたくない病を指してBlue Mondayという表現があったような気がして使ってみたのだったが、どうやらハズレだったようだ。確認の為、「Maternity Blueなんて、産後の子育ての大変さに圧倒されてノイローゼになる人の事言わない？Blueって悲しみとかつらい感じを出すときに使うよね」と聞いてみると、「イギリスでは言わない。（きっぱり）」らしい。へえ、そうなんだ。これも和製英語か、はたまたアメリカ英語か。同僚のアメリカ人に後でちょっと聞いてみよう。そのファイナンスのお姉ちゃんとは「Japanese invention of English」とかなんとか言って笑って終わったが、そういえばイギリス北部ではBlueは「紅茶またはそのフレーバー」を表わすのに使うのだそう。「Make a blue」　＝　紅茶を入れる「Put a blue in tea」　＝　紅茶をちょっとねかしてフレーバーを出す等のように使うとか。やっぱ変わってまんな、この国は。紅茶は茶色でしょう？そういえば今思い出したが、アイルランドのコーク地方では「お元気ですか？」の「How are you?」の代わりに、「How are you cutting grass?」(「芝刈ってる？」)を略して、「How are you cutting？」って言うんだって聞いたことがあるなあ。なんか自然の香りいっぱい。。。それにしても久々に遭遇した和製英語の恐怖。やはり人が使っているのを聞いた後でないと、安心して雑談もできない。ちょっと基本に返る出来事だった。

  2006年09月11日

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• Jeroen君

  私が勤めている会社のオランダオフィスにJeroen君という人がいる。今日、お客さんからオランダ語の質問があってリクエストを廻したところ、早速、返信があった。「Will do.（「よっしゃ、引き受けた」の意味）ありがとうJeroen」といきなり日本語で「ありがとう」とお礼を言われて大笑いした。次のメールで回答が帰ってきたが、今度は「XXXXXXXX.（回答）どういたしましてJeroen」とお礼を言う先から「どういたしまして」と日本語で言われてまたまた大爆笑。「いやあ、今のメール面白かったよ」と返事を出すと「どうして可笑しいんだ？」と聞かれてしばらくメールで雑談していたら、「Jeroenってどうやって日本語で書くのか教えて」と頼まれた。日本の漢字がプリントされたTシャツを着ている人が結構いるのでもわかるように、漢字は結構ファッショナブルにでも見えるのか、自分の名前を日本語で書いてもらいたがる外人は多い。そういえばこの間Madridに行ったときも、日帰りツアーのことを聞きに行った旅行社のオフィスのお姉ちゃんに、こっちの質問そっちのけで「ねえねえ、私の名前、漢字で書いてっ」って頼まれたっけな。このJeroen、私は電話なんかでは「ヨルン、ヨルン」と勝手に読んでいたのだが、漢字で書くとなると、「ヨル」は「夜」だけど「ン」に当たる文字がないし、「ヨ」の漢字は結構あるけど「ルン」と読む漢字は無い。困って、「ヨルン」とカタカナで書いて送り返すと、実は彼の名前は「ヨルン」ではなく「イェルーン」と発音するらしい事が発覚。これはもっと無理。仕方なく「イェルーン」と書いて送ると、あちこちのオフィスで外国人と話す機会があるたびにその国の言葉で自分の名前を書かせているらしいJeroen君、「僕の名前は、中国語では「XX」、タイ語では「（にょろにょろにょろ）」と自慢気に送ってよこして来た。日本語での「ありがとう」や「どういたしまして」も日本オフィスのマネージャーに教わったらしい。日本人のスタッフは「優しいから好き」との事。（同感）真面目に仕事してんだか、小さな楽しみを見つけてこまめに各国オフィスと交流しているJeroen君。ま、これくらい気楽な姿勢で仕事に臨めばストレスも少ないかも。私にとっても何だか心和むひと時だった。

  2006年09月07日

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• 大使館

  新しいパスポートを取りに、ピカデリーロードにある日本大使館に行った。ロンドンの言わば目抜き通りに大きくはためく日の丸。重厚な石造りのビルに入っている日本大使館は､入り口のセキュリティーもばっちり。静かで上品な雰囲気の待合室なんか見てると、やはり日本は先進国。経済大国の名に恥じない大層なお金使ってまんなあという印象である。家賃はかなり高そうである。むかーし、どこかネットかなんかの記事で大使館員の冷たい対応がどうのこうのなんて読んだ気がしていて、行く前はどんな高飛車な対応に出られてもじっと我慢の心構えで出かけたところ、大して待たされる事もなく進んだカウンターで対応してくださった職員の方は「スマイル０￥」（日本のマクドナルドではこの「スマイル０￥」っていうのがキャッチフレーズらしいですね）ばりのニコニコ対応。パスポート更新のお願いをしているのは私の方なのに、あの大袈裟な作り笑いの徹底振りは、ちょっと痛々しい感じさえする。パスポートの受け取りに行った今日は、係員の対応に関するアンケートまで用意してあって、過去に何か大きなトラブルでもあったのかと思わず勘ぐらずにはいられない。ところで、用事が終わってトイレに並んでいると、真横のカウンターにTシャツに手ぶらという軽装の若者が現れ、「先ほどパスポートを失くしたと連絡したものですが。。」と自己紹介しているのが耳に入ってきた。おお、これがあのドラマなんかでよく出てくる海外旅行の旅先でパスポートをなくした旅行者か。。と非常に興味を掻きたてられてトイレに並びつつこっそり話を聞こうと耳をそばだてていると、この青年、どうも今日９時の飛行機に乗る予定であったらしい。どういう事情で無くしちゃったのかは不明だが、知り合いが携帯電話を引ったくられたとか、遊びに来ていた友達を案内していたら知らない人に時間を聞かれて話しているうちにバックを取られたなんていう話を聞く事の多い今日この頃、安全そうに見えるロンドンでもやはり旅行者は注意が必要のようである。結局、その時の青年は、やはり申請からきちんと手続きをとらなければならないようで、係員に言われて慌てて写真を撮りに街へ出て行った。いくら旅行者で、今日の９時に飛行機に予約がしてあったってその日のうちに再発行はして貰えないような気がしたが、ま、トイレも終わって用もないのに事の成り行きを見届ける為にウロウロする訳もいかず、どういう対応になるのかは判らずじまい。私達居住者は、申請から一週間後にはパスポートが発行されるが、もしかしたらあの青年も規定どおりロンドンで一週間過ごす羽目になったのかもしれない。

  2006年09月05日

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• Sorry

  今、あるお客さんへの納品が期日より遅れて大変ご迷惑をおかけしている。プロダクションには直接タッチしていないが、日本のお客さんなので謝るのは私の仕事だったりする。（ああ、やだやだ）つい数日前、やっとファイルの一部を納品したところ、今度は客先のミスが発覚。「口頭で確認したい」とメールをもらって早速電話したが、最後はお互いに「すみませんでした」「いえ、こちらが悪いんです」の応酬になってしまった。一見無駄のように思えるこのやり取り、私には「やっぱり日本人っていいなあ。優しいなあ」と感慨深かった。そしてまた今日、昨日もらった客先からの指示にまたミスがあって、またまた日本に電話してみると、今度は担当者とその上司の意思の疎通に問題があったとか。一通り担当者と打ち合わせが終わったところで、「上司がお話したいと申しております」とか言われて、その上司が電話に替わって出てきた。何を言われるかとちょっとドキドキしていたら、事情の説明とお詫び。イギリスだったら部下任せで、いくら意思の疎通に問題があったにしても上司がわざわざ出てきて責任の一端は自分にあったなんて謝ったりしない。「ああ、男らしくて立派」と、またまたこの正直な対応に感動した。こんな事があって突然思い出したが、先日会社の食堂で日本人の同僚が声高に「一生懸命やったんだからＳｏｒｒｙなんて謝る必要なんてない」と力説しているのが聞こえた。（同僚がこれを読まない事を祈りつつ）、イギリス滞在数年ぽっちで若干外国かぶれしている感のあるこの同僚、謝罪に関してもすっかりこちらの文化に洗脳されちゃっているようである。前に何度も書いたがとにかくイギリス人は謝らない。前述のこの客先への対応で、「お客さんになんて謝っていいのか判らない」と私がちょっと落ち込んでいると、実際プロダクションの管理をしている同僚（手際が悪すぎて遅れの原因をつくったイギリス人同僚）に、「これはあなたのせいじゃないから。私のせいでもないけど」と慰められてますます落ち込んだ。「謝ると、それに一生付け込まれる」と信じているかのように絶対に謝らないアイリッシュとイギリス人。（何を怖がってるんでしょうか）「ミスした相手も責めないけど、自分がミスしてもケロっとしている」アメリカ人。彼らには何となく明るい雰囲気でいつも誤魔化される。「人間はミスをする生き物」がキャッチフレーズで10回に３回は間違える大陸系ヨーロッパ人。ま、いろんな人がいるが、私的には、謝らないというのは、ある意味、どこに原因があったのか分析していない、またはする習慣がないから。だから「結局毎回間違えてるじゃん、こいつ」なんてことも起きる。「一生懸命やったから謝らない」なんて、「謝る」という言葉を知っていながらそうしないのは、ちょっと意味不明。じゃ、忙しくてうっかりだったら今度は忙しくてもちょっと気をつけようとか、何かあるんじゃないかしらね。私は「一生懸命」というある意味日本人特有の概念プラス「謝らない」イギリス人的考え方が融合したこの同僚の意見、大嫌いである。あー、すっきりした。

  2006年08月30日

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  Toledo

  買い物三昧をしたMadridを離れ､今日はToledoに日帰り観光。観光案内所のお兄さんにToledoになら列車も１時間に一本あるし所要時間は３０分と聞かされ、気軽にAtocha駅に出かける。駅に着くと切符売り場の窓口には長蛇の列。しかしToledo行きの切符はここでは買えず、みどりの窓口風の発券カウンターに廻される。整理券を取って自分の番が来るのを待つ仕組みだが、私達の前にはかれこれ５０組ほど並んでいるというのに開いている窓口はわずか２箇所。順番を待っているのは明らかに旅行者が大半で、自分の番が来ると係りの人に数々の質問をあれこれ投げかけている模様で、ひとり５－１０分はたっぷり時間を取っている。ありゃありゃこの様子では私達の順番がくるのに２－３時間はかかりそうな勢いだ。暇にして待っている間、窓口に座っているスペイン国鉄職員の執務態度を見るともなしに見ていると、一人はテキパキと客をさばき、一人客を片付けてはすばやくボタンを押して次の人の対応を始めるが、もう一人の年かさの女性の方は会社に不満でもあるのか、それとももうこの仕事に飽き飽きしてしまっているのか、一人終わると今やらなくてもいいような書類の整理を始めたり、さあいよいよボタンを押して次を呼ぶかと思うと１０秒くらいぼんやり時間をとるというフェイント攻撃をかけてくる始末。そして、こっちが「ちょっと早よせんかいっ」とキレそうになる直前にボタンを押す。時刻表を取りに行っていた友人が次の列車は５０分後に出るという情報を持って帰ってきた。この進み具合では、これは間に合うか、かなり微妙な時間だ。じっと待っていてもイライラするので、今度は私がSegovia行きの時刻表を貰いに行く。で、戻ってくると、なにやら友人がいつのまにかスペイン人のおばさんと旅行者風の親子連れで４人グループを形成してなにやら大声で話が弾んでいる。聞くと、その前から再三「スペインは初めてか？」等と私達に話し掛けてきていたこのおばさん、うっかり友人が「（今まで）バルセロナとかグラナダ（に行った事がある）」と言ったのを、これからバルセロナ経由でグラナダに行くと勘違いして、そのバラバラな方向の２箇所を廻るのは無謀であると、友人に旅程の変更を説得しようとしているらしい。で、たまたま隣に座っていた、英語の喋れる北欧系とおぼしき母親と息子の２人連れを間に入れてこの大騒ぎとなったらしい。今日はトレドに行くだけということをようやくおばさんに伝えると「あ、それならいいわ」とやっと納得してもらえたが、今度は私達が遅い番号の整理券しか持っていないのに気付いたそのおばさん、その親子連れと４人グループになって一緒に窓口に行くように世話をしてくれた。結局、窓口に辿り着いたのは列車の発車５分前。（例のやる気のない職員はとっとと休憩に行ってしまい、この段階で開いている窓口はひとつ）。切符を買ってすぺりこみセーフで列車に乗ろうと勢い込んでカウンターに行くと、なんと目的の列車は既に満席だと言う。次の列車はほぼ２時間後。日を改めたがる友人を押し切り、とりあえずその遅い電車の切符を買う。急に暇になった私達、「それではコーヒーでも」と近くのバーに入る。窓口での出来事をあれこれ話しながらコーヒーを飲んでいると、いきなり外から入ってきたオヤジが「いやああ、英語が喋れる人に会えて嬉しいよぉ。なんせスペイン人は英語が喋れないからね」と言いながら、私達めがけてやって来た。別に普通に日本語で喋っていただけの私達はちょっとビックリしたが、相手はお構いなし。確かに英語があまり通じないことに疲れを感じてきていたし、別に暇だったので話に乗ってやると、「ちょっとあっちのテーブルで話をしようよ」と誘われた。こっちは２時間も時間潰さなきゃなんないし、ま、いいかと思って席を移ってやると、そのオヤジ、自分はアメリカの大学で講師をしていると自己紹介。研究会かなんかでスペインに来ていて、今日は友人に会う為ここマドリッドに来ているらしい。なんでも息子はロンドン在住の医者でロンドン東部で開業しているとか。その、いかにも悪い事を企んでいる時に使いそうな肩書き、イタリア生まれ、医者や大学教授。それに「あんたそのレベルで口が達者なアメリカ人に講義なんかしてるの？」というようなたどたどしい英語。その程度の英語じゃあ、英語が喋れなくて寂しくなんてならないんじゃないの？と疑惑がふつふつ。そのオヤジ、そのうち「いやあ、お二人にコーヒーでも奢りたいんだけど実は財布をホテルに忘れてきて」。出たっ。出ましたよ、ついに。そのいかにも「だからコーヒー奢って」的な物言いに、私達は自分達のバッグを体の前に引き寄せ、貴重品死守の体制に入る。ま、結局私達がコーヒーを奢らなかったので「Have a nice day!」とかなんとか言いながら出て行ったオヤジ。そのの背中に、「こちとら素人じゃネエンだヨっ」と友人が浴びせ掛ける。切符を買うのに始まって、結局何時間もかかって列車に乗り込んだ割に、トレドには本当に３０分ほどであっけなく着いた。気温３７度。酷暑の中、列車の駅から城壁に囲まれた町まで、丘を登り歩く事３０分。（Lonely Planetの嘘つきぃ！！）。ガイドブックに書いてあった通り、中世の佇まいを残す街並み、曲がりくねった細い路地などは一見の価値あり。ここの見所は、１６世紀の画家El Grecoの家とその名画が至るところで見られること。まるで会ったことでもあるかのようにイエス・キリストや聖人達を生き生きと描いている。当時の彼の家は美術館になっていて、涼しくて気持ち良かった。（それだけかいっ）。教会の修行者によって作られていたという伝統あるお菓子なんか買って、もうちょっとゆっくりしたかったがきれいな所だった。帰りはまた列車の駅まで埃まみれになりながら徒歩で戻る。冷房のきいた車内に落ち着くとすぐに眠ってしまった。

  2006年07月19日

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  タブラオ in Madrid　（その一）　Cafe de Chinitas

  今回の旅の目的のひとつは本格的なフラメンコのタブラオに行く事。３０分から１時間程度のショーを見せるタブラオはカジスやヘレスにもあるし（時間は短いがしかし、これらの地でのショーは凄い迫力で、うっかりすると夜眠れなくなる。念のため）、セビリヤではLos Gallosにも行ったが、スペインに通うクラスメートらに聞くと、やはり正統派フラメンコを見たければマドリッドのタブラオに行くべしであるとか。ワークショップなどで教えにきてくださる有名どころの先生達も殆どマドリッド在住であったりするので、首都のタブラオとはどれほど素晴らしいものかと私の期待は高まるばかり。という事で、７月１９日、同行の友人の薦めもあって老舗Café de Chinitasに出かけた。料金はワンドリンク付きでショーへの入場料が確か３０ユーロ、ディナー付ききなら７０ユーロから８０ユーロの間。好みで値段の若干異なる２コースディナーを選べる。若干高めの料金設定であるが、ま、これで午後１０時半から夜中２時までたっぷりフラメンコが見られるなら、まあリーズナブルと言うべきか。時間どおりに始まったショーは、上手下手取り混ぜて４－５人程の女性ダンサーによる、セビリャーナス、ルンバ、タンゴなどの小出し物から始まる、ゆるーいスタート。なんだか中には、腰フリフリだけで、どうしてこんな人がこの伝統あるステージに。。と思うダンサーもいたりしたが、「まあ、こんなもんでしょう」という滑り出し。（なんて生意気な）。そのうち、ふと気付くと、シンガーの一人が私の持っている「Noches en Casa Patas」というタブラオライブのDVDに出ている（忘れたくても忘れられない風貌の）シンガーの一人である事に気付く。「うへえ、さすがマオリッドねっ」なんて思って見ていると、そのうちに登場してきたゲスト男性ダンサーが、これまた同じDVDに出ているMiguel Tellez!　「DVDに出ている人を見られるなんてやっぱり来て良かった」と単純な私は、それだけで嬉しくなる。しかーし。このCafé de Chinitas、結構繁盛しているせいか、私達のテーブル担当のウエイターのおっさんが、「もうアジア人にディナーをサーブするのはご免だぜ」とばかりの乱暴な態度。（ちょっと被害妄想）。忙しくて時間がないのは判るが、お皿やフォークとナイフを乱暴に扱われ、接客業に対しては妙に厳しい私、思わず「ちょっとその態度、とても失礼だと思うけど」と我慢できず抗議してしまう。それからっ。ここが有名な観光名所であるのは理解できるが、前に陣取った団体（東欧系か）が、ちっともショーを見ようとせず大声でおしゃべりを続けるのにも辟易。曲の途中でもお構いなしに席は立つは、大きな笑い声をあげるは、全然合わないリズムで大きく手拍子を取るはで、こっちはちっとも踊りに集中できなくて困った。観光客はフラメンコの見方なんて知らないし（そういう私は何でしょう。そう、私も観光客。）、踊りなんてバックグラウンドミュージックにしか思わない気持ちも判るが、ポリネシアン・ファイヤー・ショーならまだしも、舞台では渾身のソレアが繰り広げられているというのに、ちょっとは真面目に見んかいっ。そんでもってっ。後ろの席の中国人の小グループ。悪いけどあなた達の民族は声が通って、地声がでかいんだから。喋るんだったら、もっともっと声を落として欲しい。ま、本人達、あれで結構気を使っているみたいだし、地声がでかいのはしょうがないかとこれは許す。さらにっ。真夜中近くに入ってきて私の右隣に座ったスペイン人の家族。何しに来たんだか、これまたちっともショーを観ようともせずに大声での会話が果てしなく続く。私達の前に座っていたスペイン人カップルもチラチラと非難のまなざしを向けているが一向に気付かず、が、曲が切れると同時に「オーレッ！」なんて妙に好いタイミングではレオを入れてくるのがまたまたむかつく。スペイン人ならちょっとは国の伝統芸能をリスペクトせんかいっ。度重なる不愉快な出来事に、ついに堪忍袋の緒が切れてしまった私。真横に座って相変わらず大声で喋りつづけるスペイン人のおやっさんの肩をトントン。「シーッ！」と言うと、これがどうも相手の逆鱗に触れたらしく「はあ？」みたいな事になり、結局親父は家族に止められて大人しく引き下がったが、見る気がないなら、どうして高い入場料を払ってまでタブラオに来るんだろうという私の単純な疑問は解決しない。同じスペイン人なのに、なんて事も考える。結局、この家族、その他の周りの人達からも「シーッ！」攻撃にあって少しは大人しくなったが、最後までどうにも気になって、どうも楽しめず。ショー自体は、Miguel TellezはDVDで見た程のキレはなかったがそれなりに素晴らしい踊りを見せてくれたし、もう一人のゲスト・アーチストToni　Mayaのソレアは美しく、かつ迫力満点。クアドロの皆さんも実力派が２名ほどいて、ダンスのレベルは高かったと思う。ただ、曲が、ソレア、アレグリアス、ソレア、アレグリアス、ルンバ、ソレア、アレグリアス、タンゴみたいな感じで単調だったせいで、結構飽きた。これで延々、夜中２時まで。最後は酔っ払ってシンガーに合わせて歌の物真似までする客まで出て、実力派ダンサーが途中でソレアを切り上げる一幕も。ここは３回目という同行の友人によると、「ここまで客がひどいのは初めて。今までは日本人のツアー客と一緒になる事が多かったけど、日本人の人は強行スケジュールで疲れきっていて半分眠りながらステージを見る人はいても、うるさくする人なんていないから充分楽しめた」らしい。期待が大きかっただけに、客に気をとられて（まだまだ私も修行が足りん）とても残念な、マドリッド・タブラオ初体験だった。

  2006年07月19日

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  フラメンコ・ショッピング in Madrid

  いくら買い物、お食事、観光がメインの旅とはいえ、そこは腐ってもフラメンコ練習生。まんを持して、店が開き始める今日月曜日、フラメンコショッピングに出かける。まず最初のターゲットはフラメンコシューズの名店、ガジャルド本店。どうも昨日出かけた日曜マーケットのエリアの近くのようで、昨日と同じ地下鉄駅La Latinaで下車。中華街とおぼしき町並みをとぼとぼと歩き始める。下町風の狭い道を通り抜けるうちに、段々不安になってきた同行の友人が「いや、ウェブサイトに載っていた住所と観光案内所のこの地図によるとこの辺りのはず」と言い訳めいた発言を始める。最後のコーナーを曲がりきっていよいよ数メートルかという所まで来ても、どうもあのガジャルド本店のイメージと周囲の佇まいが今ひとつマッチしてこない。と、在りましたああぁぁ。看板にガジャルドって書いてあるぞおお。早速入ろうとするが、ドアはピッタリ閉まっている。ドアに表示の営業時間内のはずだが、店からは人の気配もしない。軽くノックなんかしてみると、「ビーッ」と音がしてロックが外された。地味めの店内は、ショップというより卸しの雰囲気。出迎えてくれたスペイン人のオバサンに「フラメンコやっているのにスペイン語も話せないのね」と叱られながら、大まかに注文のシステムを説明してもらう。店内には日本人のスタッフがいらっしゃって、ボスの説明の後は彼女が日本語で対応してくれる。聞くと、練習用の黒いシューズ以外はすべてオーダーを受けてからの作成になる模様で持ち替えりはできず、後日郵送になる模様。練習用のシューズでサイズをあわせた後、（各サイズに「幅広」仕様があるのが嬉しい）、好きなモデルを選んで（ご存知、ジェルバブエナ、メルセデス、べレンなどの有名ダンサーの名前がモデル名で使われている）、後は何十種類もある皮やスエードの色見本で好きな色を選んで、好きな色・好きな形の靴のオーダーが完了。ちなみにいずれの形も、通常バージョンと、「プロフェッショナル仕様」の２種類から選べる。プロフェッショナル仕様は靴の裏の縫い目が表に出ないつくりになっていて、「練習時間の長い方の為」に踵やつま先が少し固めになっているらしい。私は、靴はいつも日本のチャコットでガジャルドのものを「滞在期間が短いから」と強引に持ち帰る形で買ってきて履いているが、ヘレスなんかに行った際に現地のフラメンコショップで見かける６０ユーロくらいのお手頃価格の靴に惹かれてしまうのも事実。同行の友人はそのヘレスのショップで靴を買った事があるらしいが、ま、モノにもよるだろうが、しばらくするとヒールの部分がグラグラしてきたりした事があるらしい。ここガジャルドでは通常の靴が９０ユーロ、プロフェッショナル仕様でも１２０ユーロ（送料別）と、ロンドンなんかで無名の靴が８０ポンドくらいで平気で売られているのを考えると、とってもリーズナブルなお値段だ。豊富な色の見本を前に迷う事数１０分、「タダの練習生の分際で申し訳ありませんが」と恐縮しつつ、メルセデスモデル、深いワイン色の皮でプロフェッショナル仕様のシューズを注文。同行の友人は、うっかり３足買いそうな勢いだったが、練習用と発表会用の２足を注文して満足気なご様子。日本人店員の方の対応も大変親切で、とても気持ちがよかった。私達のはしゃぎぶりを見てサービスする気になったのか、例のボスの女性が「よかったら作業場の写真を撮っていったら」とありがたい申し出をしていただいた。私達が注文した靴を一足一足丁寧に手作りしてくださっている職人の方と全員で記念撮影。その後、「私は今ジェルバブエナモデルの靴を履いていますが、この紐が滑ってすぐほどけてしまうんです」と言ってみると、すぐに奥から靴紐数種類を出してくれて、タダでわけていただいた。ガジャルド様々。ガジャルド万歳。楽しい時間だった。それからOpera近くのフラメンコショップEl Flamenco Viveに行き、CD数枚、そして練習用のスカートを調達。それにしてもMadrid市内に点在するこうしたフラメンコのお店、どうも地味な立地であるケースが多い。ホテルで一休みの後は、いよいよFlamenco-world.comでおなじみのTienda Flamenco-worldへ。午後のターゲットはこのFlamenco-world.comのショップと数年前発行の日本語のガイドブックに書いてあった「通称フラメンコ通り」。Atocha（またはAnton Martin）で地下鉄を降り、地図を頼りに歩き始めるとまたまたちょっと怪しい雰囲気の町並み。またまた地味な佇まいのTienda Flamenco-worldを発見。ここでCarmen－FlamencoのDVDをゲット。店の奥に続くドアから人が出入りしている隙にちょっと除くと、奥は表の狭いショップとはうらはらにパソコンが何台も置かれて、忙しそうな近代オフィス。ここでFlamenco-world.comのウエブサイトの作成なんかやっているのかしらと思うと、ちょっと感慨深いものがあった。地下鉄の駅に戻る途中、Amor de Diosという通りに出る。こ、これは、あの有名なフラメンコ・スクールAmor de Diosの近くでは。。と、どこかで貰ったカードを頼りにAmor de Dios捜しを開始。地下鉄駅のすぐそばの小道を入ると、どこからともなくステップを踏む音が。。市場の２階に続く人気のない階段を上るとそこがAmor de Diosだった。暫く、掲示板に張られているクラスの告知なんかを見ていたが、思い切って受け付けの人に話し掛けてみると、クラスを見学させてくれるという。「レベルは？」と聞かれて、「Intermediate」と恥ずかしげもなく答えようとする友人をさえぎり、「いえいえ、Basicoでございます、へへぇぇ（お代官様）」のノリでクラスに案内してもらった。通りすがりの生徒も気軽に立ち寄ってクラスを覗いているところから見ると、どうも見学はある程度自由な模様。私達が見せてもらったクラスは超初心者クラスのようで、外国人の生徒達（先生は英語で話していた）は、手がつくと足がおかしな事になっていて、先生も最後は癇癪を起こしていたが、レッスンの内容はとても充実している。ウェブサイトで時間割をチェックするか、後は、受けたい先生に電話連絡をして予約するかといったシステムで、学校側はただ単にスタジオを提供しているだけのような感じである。これは、スペイン語ができなければちょっと困ってしまうかも。憧れのAmor de Dios、ちょっと敷居が高そうである。

  2006年07月17日

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  日曜マーケット in Madrid

  ７月１５日から一週間の予定でスペインのマドリッドに休暇に出かけた。例年、夏はヘレスでフラメンコの集中コースをとって過ごすが、ここ数年、年二回もへレスに通っていると、毎回楽しく過ごしてはいるもののさすがにいろんな意味で飽きてくる。という事で、今年はフランメンコ仲間の一人とマドリッドの都心のホテルに宿泊、買い物・観光メインの休暇となった。今日日曜日は、Embajadoresエリアで毎週開催されるマーケットに繰り出す。朝９時からお昼時まで開いているこのマーケット、スペインらしい、すぐにもフラメンコのパフォーマンスに使えそうなアクセサリー類が４ユーロくらいから。（オリジナルデザインでハンドメードらしきアクセサリーはちょっとお高めの１０ユーロくらいから）。暑いマドリッドの夏を乗り切るための薄いナイロン素材のトップ、一回洗うと色落ちして縮んでしまいそうなそれでもデザインがかわいいワンピースが１５ユーロくらいからと、なかなかの品揃えである。 ４ユーロのイヤリングや３ユーロの練習用ヘアバンドなんかをちょびちょびと買いながら進んで行くうちに、フラメンコのポスター屋を発見。ここでは、クラシックな絵柄の特大ポスターに、自分の名前を入れてくれ、あッという間に私のオン・ステージの広告ポスターが出来上がる。控えめな同行の友人は素直に自分のフルネームを書き入れてもらっていたが、ここは「○○○　ｄｅ　Ｃｒｕｚ」とかなんとか芸名を入れてもらいたいところ。その他、日曜雑貨の店では、あの陰気臭いイギリスでの生活に熱いスペインの風をと、例の茶色のタパスを入れる小皿（一枚一ユーロなり）を調達。マントンの店では、大判のマントンがなんと６ユーロ。これだと床を引きずって汚れても気にならないし、マントンを踏みつけて裾のフリンジがピロピロと解けてもへっちゃら。という事で早速一枚購入。ガラクタ市なんてガイドブックには書いてあったけど、フラメンコ練習生としてはなかなか掘り出し物の多い、気を付けていないとうっかり結構なお金を使ってしまうマーケットだった。 午後はMadridの観光はすべて済ませてしまっている友人をホテルに置いて、Palacio Real(王宮)を見学。しかし、暑い。気温は確実に３５度を超えている。王宮のコンクリートの照り返しで、殆どバーベキュー状態である。 王宮は、天井の美しい絵画に最初は感動するものの、やれ王様の寝室とか、王様の映画室とか、王様の謁見の間とかダイニング、お着替え部屋等など、次々と繰り出されるそれぞれにこってりと凝った内装が施されている部屋を見せつけられ、暑さもあいまって、最後は「もう、いい加減にしておくれ。。」とヨロヨロ状態。見学コースが、一部屋もスキップできないつくりになっているのを恨めしく思い乍ら、義務完遂。（の気分）。こういった観光メインの休暇も満更捨てたもんじゃないと考えを改めた楽しい一日だった。

  2006年07月16日

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• 主審　トオル・カミカワ、カーン、フィーゴ、そしてジダン

  昨日のワールドカップ三位決定戦はドイツ対ポルトガル。4年前からカーンの大ファンで（ホワイトアスパラガス等を筆頭に）ちょっとしたドイツびいきでありながら、かつ、フィーゴ・クラブ・プレミア会員の私としてはどちらを応援しようか非常に複雑な心境。ま、大好きな選手達の最後の試合くらいいいか、とビールを買い込んでのテレビ観戦。と、ドイツのクリンスマン監督（私のお気に入りの監督の一人）、今大会が多分最後のワールドカップとなるカーンをキャプテンで先発出場でもってきた。う、嬉しくて思わず友人に「カーンが出てるッ」とテキストを送りそうになる。我慢する。イングランドチーム、昔カーンに痛い目にでもあったのか、「彼もやっとヒーローになれるね」なんて、イギリス人解説者がまたまた嫌味ったらしいコメントを吐く。ああ、もっとニュートラルな中継が見たいと切に願う。かたや、前の試合の後スコラ－リ監督と喧嘩をしたと噂が流れたフィーゴがなんとスタメンから外された。このワールド・カップを最後に国際試合から引退するという噂のフィーゴ、もしこれが本当ならこれが最後の世界での舞台になるはずなのに、フィーゴ・クラブのこれまでの熱い応援に対して、この理不尽な仕打ち。とガッカリしながらも、とりあえずフィーゴが出てくるまではドイツの応援をする事に決定。もうひとつ、この試合では日本人レフリーのカミカワさんが笛を吹く。あの大袈裟な演技でやたらにペナルティーを騙し取ろうと小賢しい真似ばかりするポルトガル・チーム（←イギリス人解説者により既に洗脳済み）と日本人レフリ－との対決も個人的に大変楽しみだ。ここはひとつ、あの悪さばかりするロナルドをビシッと叱って欲しいところ。（ところでこのロナルド君、もうイギリスには帰ってこないらしい）カミカワさんの笛で試合開始。レフリーという裏方の立場とは言え、ある意味試合の善し悪しはレフリーのジャッジにかかっている面もある。こんな大舞台での審判を任されるなんて相当なプレッシャーだと思うが、世界に通用する審判を見せて欲しい。このカミカワさん、適当な位置からフリースローしようとする選手にやり直しをさせたり、危険なスライディングに「ピッ！」とすかさず笛を吹いたり、とても几帳面な感じに非常に好感がもてる。中継のイギリス人解説者はその細かさに「Japanese efficiency」（本来は効率が良いという意味だが、基本的にきちんと良い仕事をするという意味に使われる事が多い）とちょっと嫌味を込めつつ、その主審振りを誉める。そうでしょうとも、日本人の仕事はきちんとしてるのよッ。それにしてもカーン、背番号12をつけて（カーンに１２は似合わない）ちょっと見ない間に随分老け込んだ感じだが、それにしても彼は短い髪の方が絶対似合う。絶対短髪にして欲しい。それから画面にちょくちょく映っていた子供連れの美人の女性はカーンの新しい奥様でしょうか。暫く気になって試合に集中できない。久し振りの試合だし、昔のように動けるのか、ボールがカーンの方に行くたびにヒヤヒヤし通しだったが、ファインセーブを連発してその健在振りをアピール。相変わらずちょっとした事で吼えまくっていらっしゃって、イギリス人解説者がカーンがアップになると「怖い」とか言うのが非常に耳障りだったが、「オリ－！」という国民の声援を背負うカーンはやはり偉大なスタープレーヤーであると実感。オリンピックと違って、サッカーの世界では3位か4位かなんてもともと余り意味がないのか、試合はちょっと消化試合の様相。そのうちドイツがゴールを決めて故障でお休みのバラックのところに皆が集まったりしていたが、このままフィーゴを使わずに負ける気か。と、後半に入って「俺を出せ」と言わんばかりに黙々とウォームアップをしていたフィーゴが後半残り10分くらいでついに登場。フィーゴのシュートをカーンがセーブという夢の対決が見たかったが、ここでフィーゴの素晴らしいアシストでポルトガルに1点。いつも絶好の位置にいて毅然とした審判振りが素敵だったカミカワさん、そして引退間近のカーンと引退の噂のフィーゴの試合後の笑顔のツーショットも見られて大満足。「こんな試合早く終わって明日の決勝戦に集中したい」なんて失礼な事ばっかり言っているイギリス人解説者に負けず、楽しめたいい試合だった。そして今日の決勝。男の中の男、ジダンの最後の活躍を楽しみにしていた私だったが、何故か私は試合開始時間を1時間勘違い。決勝の放送権をとれなかったBBCがはっきり試合開始時間を教えてくれなかった為、何も知らない私は、試合中もくもくと風呂掃除に励んでいてた。さ、決勝をエンジョイしなきゃ、と、やっと風呂掃除から開放されてテレビをつけると、試合は既に延長戦に入っていた。がーん。あまりのショックにすぐに試合に感情移入することもできず、すでに90分戦い抜いて抜け殻のようになってしまっている選手のチンタラした動きを見ながら呆然としていると、なんと、ジダンが汚い言葉を吐いたに違いないイタリア選手の胸に頭突きを食らわせて退場。あああーーーあ。なんて事でしょう。怒りながらスタジアムを去っていくジダンの姿に熱いものが込み上げてくる。結局、ワールドカップはイタリアの優勝で幕を閉じた。すっきりしない結末になんだか落ち込んだが、解説者は「イタリアはとにかくポジティブで、フランスより勝利に貪欲だったのは間違いない」と言っていたし、ここはイタリア･チームの健闘を称えるべきかも。審判のジャッジひとつでいい試合になったり後味が悪くなったり。スポーツの世界と言っても自分ひとりの力やではどうしようも無い事がある、ゲームが単にいいプレーの積み重ねだけで報われる訳ではないのはどこの世界も同じなんだなあなんて実感しながら、ナカタ、ベッキャム、カーン、ジダンそしておそらくはフィーゴも多くの選手にとって最後の晴れ舞台となったワールドカップは終わった。2年後のヨーロピアン・チャンピオンシップでは、バラックとデコを応援しようと心に誓った。4週間余り、楽しかった。

  2006年07月09日

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• 為せば成る

  イギリスで生活していて何よりも困るのが、あらゆるサービスの対応の遅さ。日本のように「お客様は神様」とばかりにどんな急なリクエストにも最善の対応しようという顧客第一の精神なんかかけらもない。相手が忙しければ大抵断ってくるし、とにかくリクエストが完了するのに時間がかかる。とりあえず何でも１ヶ月はかかると見込んでおかなくてはならない。最初の頃は、まだまだ私も「こっちはお客よッ」というアタマがあったのか、どうしても相手の理不尽な対応に納得がいかずカリカリし通し。そのうち、いずれにしても多勢に無勢、これは受け入れるしかないと気付き、それからは様々な葛藤のあげくとりあえず「待つ」事は気にならなくなった。さらに最近気付いたのは、どういう頼み方をするかもポイントのひとつであるという事。もともと下手に出るのは中流階級(日本でいうちょっとした上流階級)の役目とかいう考え方があるらしく、例えば「謝る」のは懐の大きさと相手の面倒をみる寛容さを示す中流階級のお仕事とか。イギリス人は滅多に謝ったりしないが、私は半分口癖になっているせいもあってどちらかというと「Ｓｏｒｒｙ」を連発するが、謝ってみせると、「うへへへぇ」と腰の引けた海老が後ずさりするように居心地悪そうな様子を見せる。「お願いだから謝らないで」と懇願されたこともある。（その点、心はこもってなくてもＳｏｒｒｙを連発するアメリカ人との方が付き合い易い。）ま、ああ言ったりこうスカしたりしながら、最も効率のいい結果を引き出す手法を勉強中である。最近ブリティッシュ・ガスとボイラー修理の件でトラブっているが、アホなコール・センターの担当者もこちらが居丈高に文句を言うと適当な対応しかしてくれないし、逆にマナーのあるオペレーターから優しい口調で事情を説明されると、こちらも納得してしまったり。私はイギリス出身でもなんでもないし中流階級とは一切関係ないが、やはり相手に肝要な気持ちで接するのは非常に大切であると痛感している。こっそり上からモノを見ていても構わないから、できるだけクールに対応できるようになりたい。で、話は横道にそれたが、数週間前、対応はスローだったものの希望通りの結果が得られる事があった。数ヶ月前、家に今年の分の住民税の計算書が送ってきた。こちらの住民税は、サラリーマンであっても給料天引きではなく別途納税するしくみ。さらに金額の計算も、どうも一軒いくら的な方法がとられているらしく、うちのフラットは月１００ポンドくらい課税されているが、一人暮らしである場合は25％減額になる。この「25％引きのシングル・アローワンス」を申請するならできるだけ早くカウンシル・タックスの事務所に連絡してくれと書いてあったが、こちらは仕事や何やで忙しく暫く放っておいた。実は去年、うちの大家が訳の判らない事情で私の名義をこの借りているフラットから削除。で、替わりに登録上の住民(住民税課税対象者)になっていた大家の息子が住民税を滞納。事件が発覚した去年、１年半分の住民税(何十万という金額)が一挙に私の債務となってしまい、それから６ヶ月間毎月６００ポンドずつ程、滞納分を毎月分割納税させられたが、このときに、このシングル・アローワンスが計算に考慮されていなかったのを請求してみようと思いついた。そして、今年の計算書を貰って２ヵ月後、ようやく暇ができて今年のシングル・アローワンスの申告と同時に過去の納税超過分の変換を求めるお手紙を書いてみた。大家の息子の分けのわからない行動の不可解さを前面に押し出しつつ、ちょっと下手に出て「返して欲しい」と書き綴ってみたところ、数週間後、新しい計算書が送られてきて、こちらの要求が全部通った形となった。ま、お役所でもあるし、ムゲに断ってはこないだろうとは予想していたが、特に立ち入り調査や証拠の提示を求められる事なくすんなり要求が通って、久し振りにすっきりした。返信された文書には、２００４年納税当時シングル・アローワンスがあった状態でアカウントがクローズされ、それがそのままリオープンしたので、この申請は有効と見なす、と何ともクールな文面でまたまた好感度アップ。適当なようでいて、最後には丸く収める手法が炸裂して私はすっかりいい気分だ。最近、というかもう終わってしまったが、朝の時間帯にドミニクなんちゃらというタコ坊主のようなおっさんの司会で「Don’t get done, Get ｄoｍme(スペルがイマイチ怪しい)」とかいう、大人しくて自己主張をあまりしないイギリス人に「とにかく恥じを捨てて厚かましく対応しよう」と勧めるみたいな番組をやっていた。具体的には、クッカーや洗濯機を値切り倒して買ったり、パッケージ旅行の値段交渉をしたり、車の売買を有利な条件で進める為の交渉術を伝授したり。もっと深刻なケースでは、敷金が帰ってこない場合に、弁護士をたてて対抗してくる不動産屋からお金を奪還したり。私はこの時に番組で出していた奪還の鉄則が非常に好きだったが、それは1. とにかくお金を追え。2. かかわりのある全ての人を巻き込むこと。本当にその通りだ。番組では、ほとんどのケースで希望通りの結果が得られていたようだったが、ま、イギリス人がそこまで礼儀正しくて引っ込み思案かは別にして（番組では国民像をちょっと美化しすぎの感が）、行動を起こさなければ付け込まれて泣き寝入りを強いられる結果になるのは自明の事実。これからもバンバン要求していきたい。

  2006年07月03日

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• そんなに泣かないで

  イングランド、やっぱり負けましたね。イギリス在住のフィーゴ・クラブのプレミア会員としては非常に難しい立場だったが、やはり義理より顔を取ることにして、試合前からイギリス人同僚の何人かにはポルトガルをサポートする事を宣言して臨んだ今日の試合。個人的には、実力は微妙に互角なような気がしていたが、イギリス人の皆様はどうもやや自信がなかった模様。金曜日の帰り際、大人しいタイプのイギリス人同僚に（彼にはフィーゴのファンであるという事は伏せてある。恐いから）「土曜日頑張ってね」と声をかけると、「今は最悪の結果を想定するようにしている。悪い想像をしていると､いい事が起こるから」との小さ－いご返事。へえええ、そんな諺でもあるのかしらと思いつつ、その腰が引けた態度に、いつも強そうな事言っててもイマイチなんかパンチに欠けるっていうか、客観的っちゅうか、大人し過ぎって言うか、こんな国がサッカーが強いのがとても不思議な気がした。ちょっと微妙な気持ちのまま、今日、試合当日。今日はフィーゴの応援なのでイングランドファンで一杯のパブにはとても行けない。まあ、アレギリさんみたいにおやつまでは揃えてなかったけど（笑）、とにかく今日は外出しなくてもいいように食料だけは確保してテレビの前に座った。おお、ベッキャムとフィーゴが試合前に抱擁している。美しい絵だ。どっちも素敵だけど、こうして並べてみると同じヨーロッパとは言え、はり完全に違う民族でんな。カッコ良さの種類が完全に違う。キックオフ前に人種差別の撲滅を呼びかける宣言を、ベッキャムとフィーゴがそれぞれ行う。実は密かに、「フィーゴはあれだけ渋いが実は声が甲高かったりして。。」と心配だったが（この件に関してトラウマ有り）、今日の宣誓を聞いた限りでは声は普通そう。よかった、よかった。クォーター・ファイナルともなるとやはり気合が違うのか今日のフィーゴはよく動いている。途中でフィーゴがおでこでと足を両方使って一人でドリブルしていたが、これは、その技術の高さに感動するより、ちょっとアホっぽく見えてイヤだった。彼には余りヘディングはして欲しくない。ま、両チーム一進一退の緊張感溢れるファーストハーフ。皆、アタックされて相変わらずコロコロ転げ回っているが、イエロー・カードが出ないところを見るとリーズナブルなタックルである模様。前半戦が終わっての休憩中、BBCの解説者にカメラが廻ると、全員下を向いて（オンエア中でしょっ）、もう「もし負けたら」という不安感が立ち込めている。川口の事を笑っていた同じメンバーとは思えないが、どうも今日のイングランドの状態はガタガタであるらしい。特にルーニーは、故障で思うようにプレーが出来ないところにもってきて、試合中チームからのサポートを一切受けていないらしい。こんなことじゃあ勝てないだろっと悲壮感がいっぱいだ。セカンドハーフでは、どうもこのところ調子の悪そうなベッキャム様が足を負傷して途中退場。この間の試合でも、口を開けている顔がちょっとアップで映っていたが、なんと舌が真っ白。胃でも悪くしているのか最近顔色も悪いし心配だったが、結局は怪我で戦線離脱。靴を脱いで氷で足を冷やしながら泣いていた。ああ、泣いちゃった。試合も、フラストレーションの溜まったルーニーがレッドカードを貰って（またズルやったか、ロナルド君。君が審判に見えないところでこっそりルーニーを脅していたところとか、まんまと退場させて仲間にウインクしていた様子がリプレーで映っていたぞ）、この間のオランダ戦のような掴み合いが始まるかとちょっと不安だったが、何とか事無きを得てとりあえずPK戦に。で、案の定、イングランドチームはPKで勝てないというジンクスを破れず、ベスト4入りを逃してしまったのでした。負けた瞬間もう、イングランドの選手は泣きまくり。ファーディナンドを皮切りに、ジョン･テリー（最近のお気に入り）の目にも大粒の涙が。。もう、フィーゴはとっくの昔に引っ込んじゃったし、なんかここにきて私も悲しくなってきた。試合後の解説では、こういう時に個人攻撃をしてはいけないもののようで、私なんかはクラウチの足元が隙だらけで相手にボールを取られていたのが結構痛かったような気もするが、解説者に言わせれば「マネージメントが悪い」のだそう。「クラウチはあのポジション（センターフォワードですかね？）に結局慣れ事ができなかったし、あのポジションを好きでもなかった」と、どのポジションに就いても全力でやれみたいな精神論は全くないらしい。中継の最後はいつのまに用意したのか、ものすごーく悲しい音楽に合わせてスローで名場面を合わせたイメージフィルムのようなものが流れて、悲しく終わった。次の番組紹介のスポットでは「ワールドカップは残念だったけど、BBC2ではウィンブルドンでイギリス選手がプレーしてるよ、こっちは勝つかも」と人の弱みに付け込むような宣伝が。イマイチ盛り上がらないウインブルドンに誘われてしまい、私もそのままチャンネル移動。夜10時のニュースでもトップは勿論イングランドの敗戦。各地で大勢の人が泣いていた。はあ。かわいそう。しかーし。ずっと応援してきているせいで、ポルトガルチームも非常になじみが出てきた。今日大活躍のリカルド、ちょっと髪の毛の後ろの部分がジャンボカットに近いロナルド、そして今すぐ「よゐこ」に入れそうなデコちゃん、そして今日も素晴らしいドリブルを見せたミゲル等、水曜日のフランス戦がまたまたとーっても楽しみ。実はジダンにもこっそり惹かれているが、やっぱりフィーゴ。フィーゴの応援を続けていきたい。

  2006年07月01日

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• Carmen

  フィーゴに夢中になっていてすっかり書くのを忘れていたが、先週の土曜日Sadler’s WellsにCarmenを観に行った。Carmenはいろいろなモチーフで映画やオペラとして登場し続けているが、今回は、舞台をオリジナルのアンダルシアのタバコ工場の設定に戻した、スペインのダンスカンパニーCOMPANIA METROS（バルセロナ拠点か）によるコンテンポラリー・ダンスのショーである。別のフラメンコ公演で貰った予告チラシでは、フラメンコもふんだんに取り入れられいるような説明があったため（というか私がそういう風に読んでしまったのか）、コンテンポラリー･ダンスにはほとんど興味はなかったが見に行く事にした。幕が上がると、いきなりフラメンコの格好をしたおばさんが怪しげなフラメンコを披露。音楽に合わせて、タン！タン！と足を打つが、数々の有名アーティストによるフラメンコを観てきた私としては、なんかユルーイ感じ。この方、舞台の最初から最後まで、ステージのとにかくどこかしらに存在し続けていて、カルメンをけしかけたり成り行きを見守ったり、どうも何かの概念を表現（例えばジプシーの熱い血とか）しているようにも見えたが、最後まで本物のフラメンコダンサーなのか、それともフラメンコをちょっと練習しただけのコンテンポラリー・ダンサーなのか判別がつかず。最後までとても気になった。ストーリーは、タバコ工場の夜更け、工場の屋上で夜な夜な複数の男女が集まっては飲んだりイチャイチャの宴を行っている。（スペインの片田舎の工場では、いかにもありそうな事）。最初のシーンでカルメンに夢中な男性役のダンサーが、小柄ながらこれがまたすごい身体能力で、両足で立っている暇がない程、跳んだリ片足でバランスをとりながら上体の向きを変えたり、と、ダンスってやっぱり平衡感覚がとても大事だと実感しつつも基礎がある人が羨ましくもあり。しかし他の3組のカップル、ソロが踊っている間にリフトをしたり、ステージに立体感を出すのに非常に有効だったが、ちょっとそのイチャイチャ振りが生々しくて、それでも「これが芸術ね」と自分に言い聞かせつつ見守る。そのうちカルメンはその小柄な男性に飽きて、どうしても一人だけカルメンに興味を示さないホセを（ストリッパー並みの開脚ダンスで）誘惑。あの手この手でついに既存のガールフレンドから奪ってしまう。最初にそのホセと結ばれる時、二人は屋根の上で抱き合っていたがそのうちカルメンがドレスをスルスルっと脱いで、あらあら上半身裸に。最初は後ろや斜め後ろを向いて見えるか見えないかの位置で勝負していたが、だんだんショールを使いながら体を大胆な角度に動かし始めた。「あ、見えた」とか思ったら、周りのイギリス人観客もあちこちで嬉しそうにクスクス笑いをしている。しかし。このカルメンちゃん、そのうちショールも脱ぎ捨ててパンツ一丁で舞台に進み出て、そのままソロに入った。全くもう、このソロがとても長くて1０分くらいだったか、パンツ一丁でああでもないこうでもないと踊り続ける。ま、結局、胸なんて言っても殆ど筋肉みたいだったし、とにかくそのテクニックは素晴らしくまあ裸だのなんだのと気にするのもおかしい程だったが、他のダンサーが出てきて群舞が始まっても、カルメンはステージの片隅でパンツ一丁。そのうちショールでとりあえず上半身を隠すまで、とにかく20分くらいはパンツ一枚だったと思う。最初は、いろいろ気が散っていた風の観客も、余りにも長い裸のシーンに途中から、ややポッカ－ンと口をあけた状態に。私もカルメンがようやく自分の部屋に戻った時にはホッとしたものだ。その後、カルメンの新しいお相手として、怪しいフラメンコを操る闘牛士が登場。明らかにこの舞台の為に慌ててフラメンコを習いました的な、彼の踊りはいただけなかった。ま、仕方ないけど。結局、他の女性と同じようにお金や名声に弱いカルメンは、勿論ホセをフッてこの闘牛士の元に走るが、大きな犠牲を払ってカルメンを選んだホセは腹の虫が収まらず。結局カルメンを殺してしまう。ふうむ。ストーリーはとっても判りやすいし踊り手の技術は最高だったが、やはり私はコンテンポラリーダンスには興味がないらしい。ロンドン・フラメンコフェスティバルでのチケットより高いお金を払ったのは勿体なかったかも、とちょっと後悔。でも、あんなにバレエの基礎を見せつけられて、やっぱりフラメンコってダンスとしては異質なのねえと思った。通常のクラスでは、バレエの基礎を踏まえたようなターンとか腕の位置や姿勢が要求されて昔バレエをやっていた生徒は断然強い。残念ながらそれがない私としては、違うところで勝負するしかないが、反面、フラメンコってある意味、完全にダンスに素人な人でも始め易いダンスなのかもしれない。

  2006年06月30日

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• フィーゴ

  昨日は、ようやくフィーゴの出るポルトガル戦を見ることができて、ホッと一安心。ワールドカップもノックアウト・ステージに入って、一戦一戦が非常に貴重。盛り上がってきましたね。前半。しかしフィーゴはお殿様のように試合をされている。「重役出勤」ならぬ「重役試合」か。前半のフィーゴの持ち場は、カメラに向かって右手奥。試合前に充分話し合いがされているのか(当たり前じゃい)、彼はここに居さえすればＯＫな模様。ボールを持っている敵方もフィーゴに前でブロックされると、皆シュルシュルと後ろに下がったり、後方のチームメイトにパスして逃げ出したり。。ああ、やっぱりあの存在感を前にすると、無理やり前に進もうとする気力がなくなってしまうのか。フィーゴがあまりにも走らないので「所詮歳だからかしらね」とちょっと寂しがって見ていたら、味方からパスが。おお、その軽快な足さばきッ。これは相当な技術だ。たまにボールを取られたりしていたが、十中八九、ブロックする相手を抜く。こりゃあ、凄い。それによく見ると右腕に腕章が。。と、ここで初めてフィーゴがポルトガルチームのキャプテンである事に気付く。今まで顔ばっかり見てたせいで、全然気付かなかったよーん。しかし味方が点を入れると、スタンド前でアピールしているその選手にわざわざ駆け寄って熱―い抱擁。あれはフィーゴ、絶対、カメラに映りたがってやった事だ。後半は、誰だかポルトガルの一介の選手が交代して、フィーゴの持ち場が前線のセンターにッ。もうフィーゴ、テレビに映りまくりでとても嬉しい。が、試合はどんどん不穏な空気が濃くなっていく。レフリーがイエローカードを乱発(合計１６枚（でしたっけ？）のイエローカードと４枚のレッドカードが出された。大会タイ記録とか)するせいで、選手間のいがみ合いが激化。フィーゴも審判の死角に隠れて相手選手を頭突き一発ッ。手も足も出せないと普通は肩で当たったりするものだが、頭突きとは。やるねえ、フィーゴ。世界中に中継されたあの怒った顔も素敵過ぎ。これで現行のフィーゴ・クラブ以外にもファンが増えるんじゃないかとちょっと心配になる。そのあと、ボールを運んでいるところを相手チームの選手に割り込まれて、偶然その手がフィーゴの顔のあたりに触れた。勿論こんな絶好の機会を世の中の酸いも甘いも噛み分けたフィーゴが逃すはずがない。力いっぱい大袈裟に「ぎゃうううう。。」と目の辺りを抑えて転倒。どうやら設定は手が目に入ったというものだったようだが、あれは正直言って、大して当たってない。イエローカードまで出させて引っ込みがつかなくなったのか、カメラの前で大袈裟に目の下にアイスをあてて治療。氷をあててもらいつつ、純粋な目をして遠くを見つめる演技に、やっぱり騙されたい。と、まあ大興奮の試合だったが、今度のポルトガルの対戦相手はイギリス。翌朝会社でも、イギリス人同僚達はイングランドの勝利には固く口を閉ざしたまま、話題はポルトガルに集中。自分の立場をはっきりさせる為に「私はフィーゴの大ファン」と同僚にカミングアウトしたら、「それじゃあ、彼の昨日のプレーをどう思う（勿論頭突きのこと）？」と聞かれて、「。。。」。「でもやっぱり好きなんだな？」と追い詰められ、思わず「うん！！」と返事をしている自分がいた。しかも軽く興奮していたのか、日本語で「うんッ」って言ってしまった。普段、練習の合間に俳優養成所にでも通ってんじゃないのおというくらい、試合中に大袈裟に倒れてペナルティー・キックを騙し取ってみせる（とくにラテン系の）選手達。倒れたあと、子供のようなつぶらな瞳で審判の顔を見てイエローカードに繋がる同情を引こうとする、あのあまりにも空々しい行動は前からイマイチ好きではないが（だからイタリアチームも実は余り好きではない。やり方が汚いから）、フィーゴは別。土曜日のフィーゴ対イングランドが今からとーっても楽しみッ。

  2006年06月26日

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• 残念。

  いやあ、負けちゃいましたね、日本サッカーチーム。帰宅が遅れ、ファースト・ハーフの途中からテレビをつけると、なんと1対０！わが目を疑いつつ気合を入れて見始めたところ、すぐに同点に追いつかれた。後半、10分くらいの間に立て続けに2点入れられた時には、このままガックリきてぼこぼこスコアをきめられて8対１くらいまでいくんじゃないかと非常に心配したが、なんとか持ちこたえて、とりあえずよく頑張りました。あの追加点が入ったところで、バレーボールや野球なんかだったら円陣でも組んで気持ちのたて直しを計りたいところだが、サッカーはではそうも行かず。喜ぶ敵方を尻目に、ボールを追って走りつづけなければならない。サッカーって厳しいスポーツなのねえとつくづく思った。私はサッカーには素人であるが、やはりこうしてちょくちょくよその国の試合なんかも見ていると、日本チームはやはりちょっと走れてないかも。ゴール前にいいタイミングでボールが運ばれても、スコアする人たちがまだ全然到着していなくて結局グズグズしているうちにチャンスをつぶしてしまう場面、結構多かったような気がする。それに、ディフェンスも、22番の方ですかね、ボールを持っている相手の前に立ちはだかって前に進ませないようにしているのは判るけど、結局脇や足元抜かれてるし。他の国の選手だったらとっくに足出してますね。また抜かれた後も別に悔しがる様子もなく、のんびり後ろ振り向いてゲームの行方を見守る体制に入ってるような節が。。やはりヨーロッパでプレーした事のあるような選手は、ボールに対する執着心とか積極性なんかが全然違うような気がしましたですねえ。それにしても、やはり自国のチームのゲームを見るときは力が入る。久し振りに日本人としての意識が目覚めて、血が騒ぐ思いをさせてもらった。日本チームありがとう。彼ら、惜しい試合も多かったし、よくやったと思う。翌日の会社では、午後遅く、同僚のひとりが「昨日は日本チームが勝てなくて残念だったね」と口火をきったのを皮切りに、いろいろな人から慰めの言葉を貰った。「いや、日本はとてもよくやったと思う」とか「ブラジルは世界一強―いチームだから」、「気にするな」、「残念だ」、「でもよくやった」と、まるで身内が死んだときのお悔やみの言葉を聞いているのではと錯覚するほど、同情いっぱいの表情で慰めてくる。つらそうな顔で私とろくに目を合わせようとしない同僚もいる。はては、「ワールドカップみたいな大会に出続けることによってだんだん伸びていくから」や「世界大会で勉強していくんだ、そのうちきっと良くなるから」等、普段の仕事に対する投げやりな態度とは超対照的な、とても真摯なアドバイスもたくさん貰った。言われた私もどう返していいか判らず、「いや、日本のサッカーはまだ歴史も浅いし。。」と適当に相槌を打ってみると、「そうなんだッ。それをさっきから言ってるんだよッ。」とまたまた熱－いお答え。。。悪いんですが、負けたこと、そこまで気にしてませんからああ。イギリス人にとって、ワールドカップで敗退するっていうのはこれくらい大変な事なんだなということはよく判りました、はい。ところで！いましたね、富士山ハットの4人組！！日本人サポーターでテレビに映ってました。とってもかわいかった。富士山っていう手がありましたね、そういえば。

  2006年06月23日

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• サポーター

  先日の日本対クロアチア戦。イギリスでの中継でもゴールキーパーの川口選手はちょっとした人気者。ファースト・ハーフで、素晴らしいセーブをキメたかと思うと、チームメートに話し掛けているうちに話に夢中になってしまったのかうっかりゴールキーパーエリア（でしたっけ？）から出てしまいイエロー・カードを貰い、さらには味方からのパスを空振りして危うく味方にゴールをキメさせそうになったりと、なんだか妙に注目を集めてしまった川口選手。こういう天然系のキャラが意外に好きなイギリス人。前半戦が終わっての解説者席では「いやあ、川口の一人舞台だったね」と、もっぱら川口選手の話題でもちきりだった。特に例の空振りに関しては、「天気がいいから芝が乾いていたんだね」と微妙に天気の話題にすり替えつつ、皆が楽しそうに川口の話をしていたのが微笑ましかった。お気に入りの選手の話題はアレギリアスコさんのところで散々暴れさせていただいているのでちょっとお休みするとして、私のもうひとつの楽しみは各国の応援を見ること。前回もちょっと書いたが、各地のフットボールチームがイングランドの国旗を並べたてる地元イギリスの応援は荘厳で勿論素晴らしいが、見ていて楽しいのは、おみやげ物屋レベルでその国を表すのに一番判りやすい小道具を使ってくるサポーター達だ。今のところ私の中でのダントツ1位はオランダチームのサポーター。かぶっている帽子の天辺からチューリップの花がビヨ－ン。スポンジでできた大きな手の形をしたグローブをしているサポーターは世界各国でよく見かけるが、オランダ人サポーターは勿論、手には木靴をはめる。この間の試合では、サングラスをしたおっさんがナイチンゲール風の女性のオランダ民族衣装の白い帽子をいきなりチームのオレンジのシャツに合わせてかぶっていたのを見掛けて爆笑した。2位はやっぱりオーストラリア・チームのサポーター達でしょうかね。ビニールのカンガルーを持ち込んで応援したり、スタジアムの外では数人が縦に繋がってカンガルーの真似をしながらピョンピョン跳びはね廻る。やはりオーストラリアではカンガルーの存在は大きい模様。まあ、後は似たり寄ったりだが、メキシコチーム・サポータ－お決まりのサボテン麦わら帽子にポンチョにも歴史や普遍性を感じたり、民族楽器を持ち込んだアフリカ勢の応援を見て「ああ、近くで音が聞いてみたい」と興味をそそられたりしている。日本人のサポーターでは、日の丸必勝ハチマキは結構イケていると思うが、ここはやっぱり、今話題の芸者ルックで勝負して欲しいなんて思う。芸者のカツラ（またはバカ殿カツラも可）に、手はトロの握りの形をしたグローブなんかしてくれると、韓国チームとはっきり区別がつくし、世界の誰にも判りやすい。幸運にもチケットを持っていて中継に映る可能性のある方、どなたか試しては貰えないでしょうか。

  2006年06月19日

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• 始まっちゃいましたね、ワールド･カップ

  ワールド・カップ、ついに始まりました。こっちのイギリス人達はもう2ヶ月くらい前からあの白地に赤十字のイングランドの旗を車に立てて走り回る気の早さで、やっと来たかという感じである。ロンドンでは、果敢にも東欧だかアフリカだかの国旗を立てて走っている車も数台見掛けたが（恐ろしや）、あちこちのショップ（郵便局にも特設ワゴンが！）には応援グッズ（白と赤のカツラや、マスコット人形、大きなグローブや国旗）が売られていて、そこはイギリス人らしく「待ち遠しいねッ」なんて話し合ったりはしないものの、皆相当この日を待ち望んでいたに違いない。会社でも2週間ほど前だったか、いわゆる副社長の名前で「ワールドカップ応援の心得」なるメールが廻ってきた。１．　応援しているチームが昼間試合の時は仕事を2－3時間抜けてもいい。但し、週の労働時間分は（どこかで残業するなりして）きっちり働く事。２．　応援は１チームまで。（なんじゃ、そりゃ）３．　どうしても労働時間が足りなくなったら休暇届を出す事。とまあ、厳しいんだか理解があるのか、なにやら中途半端な感じであるが、とりあえず応援には堂々と出かけて良いらしい。私は特に普段サッカーファンという訳ではないが、こればっかりは世界最大のスポーツ・イベント。日本とヨーロッパの国のゲームは時間が許す限り全て見たい。と言う事で、昨日のイングランドの開幕戦も2時からテレビの前に座った。うちのフラットの住民で、それこそ数ヶ月前からイングランドの旗を車に立てている人がいて、試合当日の今日はパブに繰り出すのかそれとも家で寛ぎながら大騒ぎかとその行動を見守っていたが、寝坊でもしたのかキックオフしてからもモゾモゾと車の整理をしており（応援グッズを積み込んでいた模様）、試合開始してからやおらどこかへ出かけて行った。結構、見掛け倒しである。ロンドンでは、急性アルコール中毒の患者を救急車でまかないきれない場合に備えて、酔っ払い対応のバスがチャ－タ－されたとか、特別警備隊がイギリス各地から治安維持の応援に送り込まれたとかいう話を聞いたが、所詮、家でテレビ観戦の人なんて少ないのか、我が家の周りは静かなものだ。中継が始まる前に、番組でイングランドチームとワールドカップの歴史みたいなビデオが流れていたが、驚いた事にイングランドチームは１９６６年のイギリス大会に優勝以来、ベスト４にもほとんど残れていない有様だった模様。常々、「ヨーロッパで一番サッカーが強いのはイギリス、次いでスペイン・イタリア。ドイツも最近はまあまあ頑張ってるね。フランスはまだまだ。」なんてイギリス人同僚から聞かされていたので強いのかと思っていたら、ま、プレッシャーに弱いのかここ一番の時の底力がないのか、ちょっとしたヘナチョコ振りである。ビデオが終わって解説者席にカメラが戻ると、司会者を始め他の3人の解説者達、「ああ、もう泣きそう」とかなんとか言いながら、過去の無念を思い出してちょっと涙ぐんでいる。何だか勝たせてやりたいなあ。選手が入場し、スタンドの光景が映ると、そこにはそれこそイギリス中のフットボール・クラブの名前がそれぞれイングランドの旗に刻み込まれてずらーっと並べられている。その迫力に何かちょっと熱いものが込み上げてきてしまう。星の数ほどもある国中のフットボールクラブの期待を背負ってピッチに立つ精鋭達ねえ。。それにしても普段はスキャンダルばかりのベッキャム様。グラウンドではキャプテンとして意外にしっかりしていて頼もしそう。試合自体は何だか（予想通り）パッとしない戦い振りであったが、うーん、やっぱり勝って欲しい、イングランド。

  2006年06月11日

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• Juan Polvilloのワークショップ

  先週末のPepa先生のワークショップに続き、今週はJuan Polvillo先生のワークショップを受けた。ヘレスから帰ってきてこっち3ヶ月ほど仕事が異常に忙しくて息つく暇もないところにもってきて、4月からこれまで、ロンドンは何故かフラメンコのワークショップ・ラッシュ。4月一週目の週末にChiqui先生のワークショップがあったがこれは気付くのが遅かったのと「そんなにワークショップばっかり取ってもどうせすぐ忘れるし」と直前になってやや消極的になってしまい断念。その後、ヌリアのイースター･コースに参加。そして5月の１週目には丁度Paco Penaの公演でロンドンに来ていたAngel Munos様が4日間だか5日間だかのコースを行ったらしいがこれは平日の昼間なので諦める。（何で昼間なんだ-ッ。あ、そうか、夜は公演があるからか）。で、先週は「休憩知らず」のPepa先生のワークショップを4日間受け体力の限界に達したが、つい勢いで今週末のJuan Polvillo先生のワークショップも申し込んでしまった。予約を入れたのは直前の金曜日という慌しさだったが、その時はちょっと何かに憑りつかれていたかも。Juan Polvillo様自体は、3年くらい前か、Ascot Penaでパフォーマンスを拝見した事があったが、その時はそのドイツ人の様な風貌がいまいち自分の描くフラメンコダンサー像と一致せず、足の力強さは印象に残ったものの、演技には感情移入できないまま終わってしまったような覚えがある。Sevillaで手広く教授活動を行っていらっしゃるらしいという情報はかねがね聞いていたので「どんな先生振りでしょう」と興味を持ってクラスに行くと、あら、あなた、これがもう大当たりだった。曲はブレリアだったが、もともとジプシーの家庭の出身だとパンフレットに書いてあった通り、（私はこのジプシーの家族出身というバックグラウンドに非常に弱い）、リズムといい力強さといいアイレといい、それはもう凄い迫力。足は大して難しくはなかったし、リズムは単調ではないのに体にすんなり入ってくる感じでとても好きな振り付けだった。私は、また特に踊りの途中で「バモ－」とか「がああああぁぁ――ッ」とか声を出して盛り上げてくださる先生が好きなのであるが、興が乗ってくると「うああああぁぁ」とか「ヘイッ」とか、掛け声をかけてくれて大変気持ち良かった。今回は、実際の踊りの場でシンガーの歌が一区切りついてから、最初のエスコビージャ入るタイミングを伝授したかった模様で、2日間4時間、Juan先生は歌いっ放し。私達生徒がなかなかタイミングがつかめず、最初の右足をいつ出そうかとオドオドとちょっと摺り足気味になっているのを笑いながらも根気良く歌ってくれた。と、とてもいいワークショップだったが、コース最終日の日曜日の夜は、カルメラ先生とこのJuan様がショーを行うという事で、疲労困憊していたが、眠気をこらえてシャワーを浴び、またロンドンのスタジオに向かう。チケットはソールド・アウトだったが、主催者へのコネと、「私はコースを受けたのよ」と半ば（目で）脅迫をするような形で無理矢理入れてもらった。久し振りに見るAnitaはシギリ－ジャ、Juanがソレア、そしてCarmela先生は長いJaleoの入ったソレア・ポル・ブレリア、そして最後にはまたJuanのアレグリアと中身の濃い2時間だった。Juanはゴチャゴチャと細かい動きはしないが、その存在感とアイレが圧倒的でまたまた凄いアーチストにお目にかかってしまったと感激した。3年前には見えなかったものが見えるようになったのか、私も多少は進歩したのでしょうかね。Sevillaの彼のスクールでは9月に集中コースが催されるらしい。今年は無理だが、来年いつかまた教えを乞いに行きたい。

  2006年06月04日

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• UK Driving License 到着

  今日念願のＵＫ運転免許証が到着した。アイルランドで4年前に普通免許を取って以来、ＥＵの免許を持っていればＥＵ内ではどこでも普通に運転できるので大して不自由もなかったのだが、唯一困っていたのは日本で運転できない事。日本で運転する為には国際免許が必要になるが、もう住んでもいないのにアイルランドで国際免許の申請をするのがどうも億劫で、日本に帰国した際は旅行でもなんでも公共の交通機関に頼らざるを得なくて、それがどうにも不満の種だった。ＵＫの免許を取得するには、身分証明としてパスポートの送付が義務付けられており、一応申請から3週間で新免許が手元に届くと説明がしてあっても、そこはイギリス、海外に全く出ない2ヶ月間を見計らって申請をしなければならず、最初に申し込み用紙を貰ってから今日の日までふと気がつくと2年もたっていた。日本やＵＳの免許を持っていた場合は最初に移住してから4年か5年以内に免許切り替えの手続きをしなければいけないとかで、切り替え期限が切れてしまってドライビングテストを受けなおしている同僚や友人をみるにつけ、腐ってもＥＵ，アイルランドで免許を取っていたことに感謝。もう2度とあんなテストに合格する自信はない。受け取った免許は、プラスチック製でＥＵのフォーマットでＵＫと書いてあるところを見ると、免許の形式もＥＵ内で統一されているのかも。昔、紙の免許証だった時代は70歳まで免許を更新する必要がなく、いつまでも若い頃の写真の載った免許で本人チェックをしていたようだが、このプラスチック製になってからは10年に一度、写真を近影のものに更新する事が義務付けられている。また、ある意味身分証明の役割も果たす免許証、引越しをするたびにも更新手続きをしなければならないらしい。今回ＵＫの免許に切り替えて、それにしても身につまされるのは例の交通違反のポイント制。今まで違反をしても(1回だけですよ！)実際に免許に差し引かれた点数がつけこまれる訳でもなく、なんだか実感が湧かなかったが、2年くらい前のスピード違反3ポイントが添付の書類に記載されているのを見て、当局が忘れていなかったのを感心したり残念に思ったりする反面、私のポイントがこれからは完全にＵＫのコントロール下におかれる事を思うにつけ、ちょっと緊張している。今後は安全運転を心がけるべし。これからはイギリスの郵便局でちょっと申請すれば国際免許なんて5分で発行してもらえるらしい。今度、日本に帰国したら、いよいよ日本で運転デビュー。ちょっと道で暴れるかもしれない。

  2006年05月25日

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• 水不足

  鬱陶しい雨の続いたこの5月だったが(観測史上2番目の降雨量だったとか)、巷では深刻な水不足らしい。庭の水撒きの規制、ガソリンスタンドでの洗車はリサイクル水を使用する設備以外は営業を停止する等、数々の対策が講じられている。緑が売り物のゴルフ場も、数千ポンドを投入して近くの水源から水を引いたりと対応に追われている。そういえば去年から今年にかけて道路が封鎖されるような大雨がなかった(ちなみに数時間豪雨が来ると、すぐ川の水かさが増して道路が水浸しになる。基本的に水捌けが悪すぎ)ような気がする。確かに去年からの降雨量は少な目。が、個人的に言わせていただければ、全体的にイギリスでは圧倒的に曇りの日が多い割に雨の量がかなり中途半端なのが問題であると思う。まあ最近は異常気象なんかで事情は違うのかも知れないが、日本では、昔は、今日は「雨の日」であれば一日中リーズナブルな量の雨が気持ちよく降り、「晴れの日」であれば太陽燦燦の晴れの日であったりと、天気にメリハリがあってウジウジする暇がなかったような気がする。それに比べてここイギリスでは、朝っぱらからどーんよりとした曇りの日が多い割には一日中雨が降らなかったり、たまにシャワーが来ると頭がおかしくなりそうな天気雨だったりと、天候が結構なストレスの原因になっている。イギリス人は、とにかく顔があえば天気の話をする。天気雨を見れば「変な天気」と吐き捨てたり、5月に10度までしか気温が上がらないと「まるで冬のよう」と一人前に文句を言ったりしているが、こんな気候の中に生まれてから数十年暮らしていて「普通の天気」をろくに経験もしてきていないのに、何を基準に「変な天気」だの「夏の割に寒い」だの言っているんだろうとふと疑問に思う。テレビかなんかでアメリカやオーストラリアの気候を見て、「自分達の国もそうあるべき」なんて思い込んで自分と他所の区別がつかなくなっているのか、はたまた現実逃避でもしているのだろうか。話が横道に逸れたが、これだけ水不足が深刻な割に、水道の水は水道管から地下に漏れっぱなしであるらしい。先日の朝の情報番組の一口メモコーナーで見た情報によると、イギリスでは一日に38億リットルの水道水が漏れているらしい。これはナイアガラの滝で言えば45分間の降水量であるとか。下手に早々と文明が発展してしまいその後なんとなく勢いがなくなっちゃったイギリス、水道管は今だにビクトリア朝の時代のものが使われているとか。番組では、そのビクトリア朝から使われているサンプルの水道管を50センチほど持ってきて紹介していたが、これがちょっとオレンジ色に近いくらい変色して錆びだらけであるのは勿論、ところどころにテニスボールくらいの穴が開いていて、これではまるでザルで水を運んでいるようなもの。見ていて何だか虚しくなって落ち込んだ。で、この水漏れを捜す対応として、舗道下の地中のあちこちに「水漏れ集音機」なるものが埋め込まれているらしい。「水漏れエンジニア」なる方々が雑音の少ない夜な夜な各地を徘徊してはデータのチェックをしているらしい。「これしか対応する術はないのか？」という番組司会者の質問に、「いやいやこれだけではありませんぜ、旦那」と言って自慢気に取り出したのが「水漏れ集音棒」。一見何の変哲もない金属の棒だが、これを地中に突き刺して「水漏れエンジニア」の方が棒の先に耳をつけて、水道が漏れている音を聞き分けるのだとか。これにはかなり熟練の技術が必要らしく、水漏れをしているとどんな音がするのかという質問には「何とかという動物がなんとかしているような音」がすると説明していたが、何の動物が何をしている音なのかはヒアリング力不足で聞き取れず。非常に興味があったのに、残念。いずれにしてもこの耳による不良水道管の発見、かなり地道なやり方だし、何人この手のエンジニアの方が働いているのかはわからないが、こんなこっちゃあ、この水漏れを上回る降水量がなければ水不足なんて解消しない。ああ、なんか気が滅入ってきた。

  2006年05月23日

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