池田理代子の 『女帝エカテリーナ』を読みました。
池田理代子(原作H・トロワイヤ) 18世紀のロシアを舞台に権力と愛欲と闘争に生きた女・エカテリーナ…。プロシアの小貴族の娘が自らの意思と才能で、ロシア帝国の皇帝として君臨した。啓蒙君主としてヴォルテールなど文化人と交流、ロシアの〈文明開化〉に貢献した偉大な女丈夫の劇的な生涯とその愛の変遷。世界史上、最も偉大といわれた女性の波乱に満ちた生涯を描く感動の歴史ロマン☆。・:*:・゚'★,。・:*:・'。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆。・:*:・゚'★,。・:*:・'。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆「エカテリーナはドイツに生まれ15歳でロシアへ行って、あらゆる意味でロシア人になりきろうと努力し、ドイツの血を一滴たりとも残したくないと決意したところがすごい。ロシア語を学び、ロシアの洗礼を受け、ロシア人の名前をつけ、ロシア化したのですから。」とトロワイヤさんは言います。お嫁に行った家のものになるという意味では大河ドラマの『篤姫』にも通じますよね。あと、織田信長に嫁いだ『濃姫』なんかも嫁入りの前日父、斎藤道三からもしもの時はこれで夫を刺すせと渡された小刀を手に取り、きっぱりと「これで、父を刺すことになるかもしれません。」と言い放ちましたよね。「それでこそ我が娘」と道三は笑ったらしいのですが。私も女性は結婚で姓が変わり、生まれ変わるのだと思います。新しい自分が生まれるのです。さなぎが蝶になるように。エカテリーナも生まれ変わりました。エカテリーナはロシアを中流国家から、一流の国に育てあげました。天才的なところもありましたが、それを支えた努力もものすごいものでした。若いころは毎日本を読み猛勉強しました。しかし、そういった努力だけではないのです。あなたは、仕事と家庭どちらを選びますか。両方捨てがたいですよね。エカテリーナはロシアを一流の国にするために、家庭どころか母性までも諦めたのです。これは女性としてすごいことです。また、彼女は自分の意志で女帝になり、多くの男性を愛しました。女性が一人の夫と一生添い遂げるのが幸せだという考え方があります。では、彼女は不幸だったのでしょうか。いいえ、彼女は思うままに国を支配し、思うままに男たちをあやつり、しかもかなり年をとるまで男から愛されているという幻想を抱くほどまでに、思いを遂げているのです。彼女は間違いなく幸せだったと思います。ロシアという国はあまり日本人には親しみがありませんね。この『女帝エカテリーナ』を読むと少しでもロシア人の気持ちを理解するきっかけになるかもしれませんね。